「建築探訪 20」 -Okayama 4

県の牛窓に手塚貴晴+手塚由井さんがされたを見学させて頂く機会に恵まれました・・・(Nさん、ありがとう。)

(上写真)高さ6m×巾6m×長さ18mの一室空間を、水廻り+収納部である5mキューブで、リビングと寝室に分けただけという・・コアプランのお手の様な空間(上写真はリビングからコア部を通して奥の寝室を見る)・・・窓は、海を臨む側に遮るものが何もない巾18mの大開口の掃出し窓(上写真では右側)、とその反対側に巾18mのハイサイド窓の2箇所のみ・・
大きな白い空間に大きな窓という組み合わせだけによる空間は・・美術館の展示スペースのような・・一般的な住宅では感じられない”スケール”

手塚さんのではこの「スケール」が非常に重要なキーワード・・空間/形態に表層的な操作を加える事よりも、”構造の工夫”による「大きなスケールがもたらす空間」に可能性を見い出そうとされている・・ (建築のつくりは一見簡単ですが、見えない構造的な部分ではかなり頑張ってます・・)

外壁は全面焼き杉板貼り。 当日は手塚さんも来られていました

日常の生活の中にある楽しさ/豊かさという・・時代が変わろうとも変わる事のない本質・・を抽出する為の「大きなスケールの獲得」・・その先に見える新しい建築の普遍性。「大きなスケールの獲得」の為に用いられる、眼にはみえないが壁/屋根の中で建物を支えている・・アクロバティック&ハイコストな過剰ともいえる構造体は、一般住宅では有り得ない様なものなのですが・・
過剰な構造体へ偏重した建築とは、はたして普遍性をもちえる事が出来るのだろうか・・・そもそもモダニズム以降において・・建築家が産み出す”建築”において普遍性/一般性を求めようとしてきた事自体にも・・建築家の矛盾があるのではないかとも思えますが・・

「建築が何であるか」という建築の初源的な存在意味を、”居心地の良さ”や”わかりやすさ”という日常的/一般的な視点から探求しようとする・・手塚さんの建築。

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