「建築探訪 22」 -Osaka/大阪城南西 2

Halftecture大阪城レストハウス

大坂城公園の南西角にあるトイレ&休憩飲食施設 「Halftecture大阪城レストハウス」('06)は遠藤秀平さん(1960-)の

特筆すべき箇所は”屋根”・・白い箱の上に、細柱により支持された19mmのドーナツ型鉄板の屋根が乗っている・・径70mmの鉄パイプ3本(h=約3.0m)を上下プレートで固定したセットが1つの柱として計25組で直径約20mの鉄板屋根を支えている・・・室内部に面する屋根面には白く塗装、屋外部の屋根面は仕上げなし鉄板のまま(耐候性鋼板といって表面が赤錆で覆われた状態)

天井裏が全くない厚19mmの薄い面が、室内と空を隔てているだけだ・・しかもこの面は柱間で微妙に”たわんでいる”・・(上写真)で分かるだろうか・・
構造計算ミスでも施工ミスでもなく、設計した家の意図だそうだ・・

Halftecture大阪城レストハウス

遠藤秀平さんと言えば90年代中頃から続いてきたコルゲート鋼板(土木などに用いられる工業製品)による作品がよく知られていますが・・最近はこれまでとは少し違う方向へ向かわれている様です・・しかし遠藤さんの作品に一貫して見られるコンセプトは “鉄が鉄のまま”であるという素材があるがままにある状態を重視する姿勢 & “(屋根で)覆う”という建築の初源的行為を重視/伸展させようとする姿勢 ではないでしょうか・・

遠藤さんによる解説では、この建築のテーマは”重力”・・建築が逃れる事の出来ない拘束としての”重力(自然の摂理)”を排除することなく、受容することの可能性を試みること・・

(上写真右)の鉄扉を作られた彫刻家/吉田和央さんには、独立する前/の事務所で何度かお世話になりました・・非常にデザイン&質の高い、素敵な金物(鉄扉/庇/手摺り等・・)を設計した住宅&福祉施設等にあわせて制作して頂きました・・

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