「建築探訪 35」 -Italia 4 /Como

カサ・デル・ファッショ

「カサ・デル・ファッショ」 (1936)
家ジュゼッペ・テラーニ(1904-43)。ミラノから北へ40km程行ったスイス国境近く、ヨーロッパの避暑地として有名なコモ瑚近辺(ジュリアス・シーザーやローマ皇帝も保養のために訪れたそうだ)・・・に建つファシスト党地方部。

基壇の上に載せられた、巾×奥行×高さ=1×1×0.5=33.2m×33.2m×16.6mという厳格な幾何学的構成によるヴォリューム・・・√2のモジュールの徹底・・・水平/垂直/無装飾/鉄/ガラス/抽象性といった機械時代的な手法や決定ルールを適用しながらも単なるモダニズムとはどこか違う・・・地中海の伝統に基づく古典的要素がわずかに感じられる・・イタリアらしいクラシカルな要素とモダニズムが見事に融合された”イタリア合理主義”を代表する建築。(上写真-西面ファサードを見る)

カサ・デル・ファッショ
南面を見る

外壁はすべて白大理石張り!!
立面は4面とも異なる非シンメトリーによる構成・・・内部ヴォリュームと規則的構造枠組が立面から読みとれるファサードデザイン。

カサ・デル・ファッショ
南面の窓詳細
モダニズム建築としては彫りが深い窓・・シャッターは木製でした
カサ・デル・ファッショ
西面バルコニー部詳細を見る
柱梁部も白大理石張り!!
カサ・デル・ファッショ
内部1階ホールを見る

1920年代前半、日本や北欧やアメリカと同じ様に・・完成されつつあったモダニズムという新しい建築を後進国として移植したイタリアで・・・ムッソリーニが政権を握り政治的・文化的に難しい時代・・・ファシズムに接近しながら危うい位置で大きく花開いた・・やや回帰的な近代主義建築運動・・・
“イタリア・ラショナリズム” はかなりカッコイイです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA