
ル・コルビュジェ設計の「スイス学生会館」(1932) 。パリの国際大学都市内にあります・・ 力強い表現のコンクリート打放しの1階部分が、鉄骨造の軽い上部を持ち上げているような建物。
(上写真) 学生の各個室が並んだ側の外観を見る。

1階ピロティ部を見る。中央部から大きく跳ね出したコンクリートスラブが上部鉄骨フレームを支えている。柱は6ヶ所・・中央の2ヶ所のみは2本に分かれているが、その他の柱は2本が引き寄せあって繋がったような “犬の骨から考えた” 独特な形状。同時期に進んでいた「サヴォア邸」の軽い浮いた感じのピロティとは違った・・とても力強いピロティ。建物へのアプローチはピロティ中央部を潜り抜けて。




犬の骨型/コンクリート打放し/石積壁など、工業的機能性のイメージから生まれた1920年代までの「白の時代」とは少し違った・・ デザインや素材の選択に、より自由でプリミティブな表現への傾向が見え始めてくる作品。コルビュジェ自身による「サヴォア邸」(1931)や、ミースによる「バロセロナ・パビリオン」(1929) の完成により・・ コルビュジェは”近代建築らしい”表現方法が行き着く所まで行き着いたと感じて、次なるステップへと向かった様な気がします。