「建築探訪 91」- Oita

風の丘葬斎場

大分県中津市郊外の丘陵地・・槇文彦さん設計の「風の丘葬斎場」(1997) 。槇さん設計の葬斎場なので、デザインがgoodで上品なのは当然な事として・・・とても市営の施設とは思えない、コストも空間もハイレベルな建物。敷地も公園のような感じで・・古墳群を含んだ広場もあり、とても広々としています。大きな構成としては・・形も機能も仕上も異なる独立した3棟(斎場棟、待合棟、火葬棟) と エントランス・・4つの要素を・・中庭や回廊を介しながら、通夜-葬儀-火葬-見送などのそれぞれの儀式性の高いシーンに適する様に・・うまく繋ぎ合わせて構成。

(上写真左) 間口が広いエントランス車寄を見る
(上写真右) 格子奥の告別室へとつながるトップライトと柱の存在感が印象的なポーチを見る

風の丘葬斎場
庭園に面した大きな開口がある待合ロビーを見る。家具もポール・ケアホルムのPKシリーズ・・グレードが高いです
風の丘葬斎場
待合ロビーの中心にある、存在感のある階段・・床から浮いた様に見える、重量感のあるコンクリート打放しの腰壁・・スチール製段板はコンクリート腰壁からのキャンチレバー。大きな円弧を描く吹抜け・・トップライトから光が静かに差し込んでいました

葬斎場という建物の性格からなのか・・ 「風の丘」は、他の槇作品では見る事があまりないくらいに・・素材の物質性が非常に強く表現されている作品。荒々しい目地仕上げのレンガ壁、表面に錆をまとったコールテン鋼、杉板型枠によるコンクリート打放しといった存在感の強いマテリアル・・ そしてその物質感を生かす、注意深いディティール・・・素材の物質性に意識を高めていく事で、シンプルで無機質なモダニズム建築でも、複雑性と多重性を潜ませた存在感を獲得しうるという事は・・ミースやアアルトも明らかにしてくれている訳だとは思いますが・・

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