
青山の外苑西通りに面した “小さな住宅” ・・ 写真左のマンションは「そこまで近く建てるか!!!」と驚くほどの近接ぶり・・この「塔の家」(1966) を設計されたのは東孝光さん。

(右) 南側より外観を見上げる。左手の街路樹は、この家の為に植えられた様に・・いい感じで建物に寄り添っています。

この建物は内外共にコンクリート打放し仕上げ。内外コンクリート打放しの住宅といえば、すぐに安藤忠雄さんの名前を思い浮かべますが・・安藤忠雄さんが「住吉の長屋」で一躍名を知られる様になるよりも10年も前の作品・・ ANDO建築の代名詞である磨き上げられた様な、均一なコンクリート打放しも綺麗ですが・・この東さんの荒々しい肌理のコンクリート打放しも・・ 味があってgoodです。

(右) 各階のプランを見る
5階の子供部屋はベッドの大きさから図ると3帖程度、4階の寝室も4.5帖程度、2階の居間も4.5帖程度・・家族3人、延20坪程度の家、内部には仕切りはなく、階段を介して縦に繋がった1室空間・・やや広い階段の踊り場に住んでいる様な・・約50年前に生まれた究極の都市住宅。必要最小限で都市に生きる・・”TOKYO”でしかありえない住宅・・余分なものを持たずに都市で暮らす・・現代にも通じる、こんな潔さが心地良いです。