「建築探訪 107」-Sweden 10 / Stockholm

ストックホルム市庁舎

北欧ナショナルロマンチシズムを代表する作品。ラグナール・エストベリの設計による「ストックホルム市庁舎」(1923) 。
(上写真) 湖越しに東側外観を見る。100mを超える大きな塔が聳え立つ外観が印象的な市庁舎。どこかの市庁舎と雰囲気が似てる ?

ストックホルム市庁舎
中庭へアプローチ・・正面アーチの向こうには湖に面した広場。右手の階段を上がると・・”青の間” へと繋がるエントランスホール
ストックホルム市庁舎
湖に面した広場へと続くアーケード。力強いアーチと木製格天井
ストックホルム市庁舎
(左) 文字で覆い尽くしたデザインの扉 (塔入口) ・・ goodです
(右) 塔の頂部へと至る、長い長い階段の・・踊り場

建物内の見学は時間が決まっているので・・それまでやや時間があったので、塔を登ってみました。しかし、これが非常に大変で、やや後悔 ・・なんと塔の頂上までは階段です 。EVは在るそうなんですが、この日は動いていないそうで・・

ストックホルム市庁舎
塔頂部より西側を望む。写真手前が中庭、その向こうが ”青の間”、左手に湖際広場
ストックホルム市庁舎
ノーベル賞の祝賀晩餐会の舞台としても有名な「青の間」。ストックホルム観光の重要スポットという事もあり、見学者は多い・・見学は時間制で、専門のスタッフ1人が20人程度をまとめて案内するかたちになっています。「青の間」なのに青くない! ・・その理由は、もともとはレンガの上に仕上げとして “青い漆喰” を塗る予定だったからだそうです・・
ストックホルム市庁舎
石やレンガや木材といった昔からある材料を多用し、郷土性を強く意識した建築表現

この市庁舎と同じ頃に完成したこちらの建築と比べると・・ 同時代の著名建築家による最新の建築でも、これだけ作品傾向には巾があります・・ 1920~30年頃というのは、建築史の教科書的には「モダニズム」という新しい建築様式が完成へと至る大きな転換期ですが・・ その流れは決して単調なものではなく・・特に、近代化という中央ヨーロッパの大きな流れからは周辺であったからこそ・・自国の文化や風土に根差した表現にこだわった北欧だからこそ・・「ナショナルロマンチシズム」という建築様式は北欧で大きく花開いた様に思われます。

トックホルムウォーターフロント
市庁舎のすぐ側に出来たスウェーデンの現代建築・・「ストックホルム・ウォーターフロント」。ホテル、オフイス、会議場、劇場などが入った複合施設。設計は White Arkitekter Ab、2011年竣工の作品
トックホルムウォーターフロント

金属製ルーバー曲面の重なりが綺麗です・・見る角度によって表情を変えていきます。湖や湾に囲まれた水資源豊かな都市であるストックホルムの周辺環境を意識したデザインなんでしょうか・・ 隣国フィンランドの建築家、巨匠アルヴァ・アアルトの建築的主要モチーフである “うねる様な形” の現代的な解釈の様でもあります。

Stadshuset(ストックホルム市庁舎)

ストックホルム中央駅より歩いて約5分。

市庁舎は、ガイド付きツアーに申し込むことで、内部の見学ができます。ノーベル賞授賞祝賀晩餐会の開かれるブルーホールから始まり、議場、黄金の間と見どころ満載です。参加したのは英語によるツアーでしたが、A4ペラの日本語解説ももらえます。

5月から9月には、市庁舎のタワーの見学も出来ます。ツアーと言ってもこちらは、塔の上まで案内されるだけですが、英語で尋ねると質問に答えてくれます。私達の様に、エレベーターが故障している場合は、体力に自身のある方のみ参加して下さい

塔からは、ストックホルムの素晴らしい眺めが一望できます。

市庁舎ツアー100SEK・タワーツアー40SEK 時間やお休みは、季節や行事によって変更されますので、事前のチェックが必要です。効率よく見学するために、市庁舎ツアーとタワーツワーは、予め時間を決めて先に両方のチケット予約をすることをお勧めします。(2013年6月時点での情報)
WEBサイトURL:http://www.stockholm.se / stadshuset

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