「建築探訪 125」-Finland 16 / ALVAR AALTO 11

ラハティの教会

アルヴァ・アアルトによる「ラハティの」を探訪。教会の設計は1969年から始まるのだが・・教会の完成は、アアルトが亡くなった3年後の・・1979年。”ラハティ”はヘルシンキから北へ100kmほどのところに位置する、人口10万人ほどの町。を降りて、市内中心の通りを少しブラリと歩くと・・小さな丘の上に教会が見えてきました・・ 都市軸に対し真正面で受けずに、僅かにファサードを振って構えています。

ラハティの教会
石段を上がって・・南側外観を見上げる。窓を十字架型に配置しているところから “十字架教会”とも言われているそうです・・左下に重厚なエントランスの扉。大きな壁面には折れ線が1本・・正面に見えているヴォリュームは大階段のあるエントランスホール・・
ラハティの教会
東側外観を見る。建物煉瓦とは素材を変えて・・聳え建つ鐘楼はコンクリート打放し・・煉瓦壁から突き出た大きなハイサイド窓が、そのまま片流れの屋根となり・・礼拝堂を覆っている構成・・内部空間が楽しみ・・
ラハティの教会
十字架型に配置された窓のある・・エントランスホールを見る。楔型多角形をした平面形。高~く長~く続く大階段は2階バルコニー席へと続く動線・・彫りが深い窓から差し込む光が綺麗です
ラハティの教会
扉を開けて礼拝堂の中へ・・シンメトリーに席を配した平面形は、正三角形の角を落とした様なカタチをしています・・その頂点に祭壇。左右のアシンメトリーなハイサイド窓が・・いかにもアアルト!!
ラハティの教会
祭壇に突き刺さるように伸びる、両側の大きな梁が・・扇を広げた様な屋根を支える・・
ラハティの教会
この壁の凹みに張り付いている”ギタギタした板”は? 反射板? 反響板? ・・役目はハッキリしませんが、これが無いと・・この壁面は寂しい・・よく効いています
ラハティの教会
祭壇の右手壁に・・大きなオルガン。この日の教会は、私達以外には誰もいない”貸し切り”状態でしたが・・途中にオルガニストが入って来られて演奏の練習を始められ・・なんとも不思議な音楽・・
ラハティの教会
1階より礼拝堂の後部・・2階席を見る。2階席の上部からは、ハイサイド窓から取り込んだ光が・・粗めのルーバー越しに落ちる
ラハティの教会
光に満たされた真っ白い空間の中で、床面と長座面の黒が・・シックに効いています
ラハティの教会
2階席より礼拝堂の天井面を見る。この大梁の “面の取り方” がgoodです。ただの四角い梁のままならば、靜寂な祈りの空間が無作法で台無しになってしまうところを・・梁側面から底面にかけて”2つのR面”を取り込んで、繊細なプロポーションで・・デザイン処理!! &ハイサイド窓からの光をやさしく受けて・・
ラハティの教会階段
前面に大きめの木材を張った、階段段鼻のデザイン・・goodです
ラハティの教会手すり
丸型と楔型が繋がったような・・階段手摺のデザイン・・goodです
ラハティの教会
教会に展示されていた模型・・上空からみるとこんな形の建物。屋根面にも2本の大梁のラインがしっかりと見えます。アルヴァ・アアルトが生涯に手掛けた教会は、を除けば6つ。その内国内にあるのは、ヴォクセニスカ('59)、セイナヨキ('66)、そして・・ 
ラハティの教会
最晩年、円熟期アアルトが亡くなるまで手がけていた、アアルト自身にとっては未完の作品となってしまった・・このラハティ('79)の3つ。念願だったアアルト教会建築の初体験。天気良好、建物内は貸し切り状態、フリーで堪能・・満喫満喫

Ristinkirkko (Lahti Church)ラハティの教会

Ristinkirkko Kirkkokatu 4 15110 Lahti

ラハティの教会

教会の行事等がない日は、見学自由な様ですが・・事前に見学の確認を取った上で、現地を訪れました。平日の午前中という事もあり・・「どうぞどうぞご自由に」といった感じで・・じっくりと、ゆっくりと、見学をさせて頂きました。

AM8:41の近郊列車でHelsinkiを出発・・AM9:42にLahtiへ到着。
後日乗車した・・長距離列車とは違って、こちらの列車は簡易なシートだけれども、乗り心地は良し!! HelsinkiからLahtiへの道のりは、約1時間・・ちょっとした小旅行気分・・

Lahtiという町は、フィンランド国内では家具で知られた町だそうだ・・大手メーカー社から小さな工房まで・・ショップ等もあったり・・国内外で活躍するデザイナーを輩出しているLahti University of Applied Sciences(ラハティ応用科学大学)Institute of Designもあったり・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA