「arukura-sha」-竣工間近

arukura-sha」が・・もう少しで竣工!!!・・・アパートや保育園などが立ちならぶ小山の麓、化粧石鹸および犬用ケア関連の企画販売を手がける arukura-shaさんのアトリエ事務所への改修工事。まだ少し・・残工事はあるけれど、工程表通りで完成、引き渡し予定。

(上写真/外観を南面から見る。施主の第一希望であった「雨に濡れずに乗降できる駐車スペース」を・・建物の一部を減築して、実現。)

“築25年程の建物”の改築・・耐震性や断熱性なども含めた機能性やプランニング面での建築的な向上は当然ながら・・新しい事業を運営していく拠点として、日々フレッシュな気持ちで・・仕事と生活に挑める場所となる事を目指しました。事業がうまく進んだ何年後かには・・今回は手を付けなかった未改築の部分の計画を・・実行する事を楽しみにしています。

(上写真/オリジナルの石鹸を創作するアトリエ的スペースと事務所スペースがある2階を見る。壁、天井、床、家具をアンニュイなグレー系で揃え、差し色にブルーを用いた・・落ち着きのある内装としました。)

KAT – その3

倉敷市粒江出身の建築家/浦辺鎮太郎の設計により1961年に完成した小規模な美術館。70m以上に渡って路地に面して立ち上がる、玉石を埋め込んだコンクリート製の独特なデザインの南面外壁は、古い倉敷の街並みを守るボーダーラインとしての”城壁”でありたいとの建築家の思いが詰まった意匠。守るために攻めたデザインは・・”他の何処とも違う近代建築”の在り方を示しています。

KURASiX + URABEで協同開催した展覧会にて、トリムデザインが担当作成した「建築年齢啓発ポスター」は・・・身近にありすぎて見過ごしている建築の・・その存在と魅力を改めて再認識してもらう為に・・建築が竣工してからの年数を“人の年齢”にたとえて主張・・そして短い文章で建物のチャームポイントを簡単解説。

KAT – その2

(ポスター内の解説文) 日本を代表する建築家/丹下健三の設計により1960年に完成した建築。奈良東大寺の正倉院をデザインモチーフとした”コンクリート校倉造り”の外壁デザインが秀逸。丹下が尊敬してやまなかった”巨匠ル・コルビュジエ”の影響を感じさせるデザインが各所で見られます。浦辺鎮太郎の設計により1983年に美術館としてリニューアルオープン。

KURASiX + URABEで協同開催した展覧会にて、トリムデザインが担当作成した「建築年齢啓発ポスター」は・・・身近にありすぎて見過ごしている建築の・・その存在と魅力を改めて再認識してもらう為に・・建築が竣工してからの年数を“人の年齢”にたとえて主張・・そして短い文章で建物のチャームポイントを簡単解説。

KAT – その1

(ポスター内の解説文) 岡山県の土木技師であった小林篤二の設計により1917(大正6)年に完成した建築。1932年までは市役所として使われていました。塔屋のようにも見える南東隅部分だけを銅板葺き屋根、外壁全体を下見板張りとした”擬洋風建築”。浦辺建築事務所により改修設計が行われた後、1971年からは観光案内所/休憩所として利用されています。

KURASiX + URABEで協同開催した展覧会にて、トリムデザインが担当作成した「建築年齢啓発ポスター」は・・・身近にありすぎて見過ごしている建築の・・その存在と魅力を改めて再認識してもらう為に・・建築が竣工してからの年数を“人の年齢”にたとえて主張・・そして短い文章で建物のチャームポイントを簡単解説。

KURASiX -展覧会終了

トリムデザインにて、実行委員長を務めさせて頂いていた・・展覧会「浦辺鎮太郎の市庁舎ものがたり展」が終了致しました・・・美観地区の中心にある観光案内所の2階が会場という事もあり・・建築関係者以外の多くの方々にもお越し頂きました。旅行者の方、市民の方・・さまざまな方々にとって、ほんの少しでも“建築リテラシー”を深めて頂けるような・・ささやかな機会となっていれば、幸いなのですが。

「arukura-sha」-内装計画

arukura-sha関連の仕上げ材が並ぶ・・事務所の建材サンプル棚を見る。

現在、仕上げ工事中の「arukura-sha」・・事務所スペースの床/壁/天井は「モリスカラーのうすいグレー」をベースとした・・落ち着きのあるテイストの内装計画・・・差し色に抑えの効いたブルーを入れてみました。

まだまだ、内装工事はもう少し掛かりそうですが・・こんな感じの事務所スペース。南側からの光を受けて緑が映える裏山を・・北向きの窓から借景。

家具の面材にも、うすいグレー調の材料を使用。扉付き収納にオープン棚を組み合わせた家具も・・もちろん造り付けで、この事務所スペースに合わせてトリムデザインにて設計したものです。製作はオーダー家具を専門にされている「FREE STYLE」さんにお願いしました。

KURASiX -2022

当事務所も参加している「倉敷の6設計事務所による建築文化活動」のための集合体・・「KURASiX」からのお知らせです。

倉敷に数多くの素晴らしい建築を残された・・倉敷市出身の建築家/浦辺鎮太郎を紹介する”プチ展覧会“を・・浦辺設計と倉敷市観光課とKURASiXの協働で、開催 !!!

浦辺鎮太郎に絡め、今回の展示では・・・歴代の”倉敷市庁舎”の建物を紹介。浦辺鎮太郎の設計による現市庁舎(1980)、丹下健三の設計による前市庁舎(1960)、元は倉敷紡績本店の建物だった前々市庁舎(1932)、小林篤二の設計による前々々市庁舎(1917)・・4代に渡る”倉敷市庁舎”の建築を紹介。

会場となっている「倉敷館は、倉敷美観地区の中心にあるスペース。1階は観光案内所として利用され・・数年前に改修された際に、2階は誰もが自由に上がれて、休憩や飲食ができる広々としたスペースになっています。その一角を利用させて頂いた展覧会。

(上写真) 現倉敷市庁舎の模型は、2019年と2020年に開かれた大規模な展覧会の際に、神戸大学の学生さんの協力により制作された・・木製模型!!!!

展覧会の会期は2020年3月30日までとなっています。会期中は無休、開館時間は9時から18時、入場は無料。美観地区に遊びに来られた際には・・ぜひお立ち寄り下さい。

「建築探訪177」-Gunma 6

アントニン・レーモンドの設計図をもとに・・1952年に建てられた「井上房一郎邸」を探訪。ナチスの迫害から逃れ3年半もの間、日本に滞在していた・・ドイツ人建築家ブルーノ・タウトのパトロンとしても知られる・・井上房一郎氏の自邸。(北側の外観を見る。敷石の先にエントランス、左手に見えるリビングの高窓がチャームポイント・・)

(南側の外観を見る。) 石張りのパティオの向こうにリビング・・東京の麻布に1951年に建てられた「レーモンド自邸兼事務所」を見た井上房一郎氏が、その建物を大層気に入り・・建築家の承諾を得て、図面を提供してもらい、1952年群馬県の高崎市に・・建物を完全再現 !!!!

(パティオから南側の日本庭園を見る。) その後、オリジナルである「レーモンド自邸兼事務所は取り壊されたので・・もはや、こちらこそがレーモンド建築の真髄を伝える貴重な存在となっています。

(リビングを見る。) 「丸柱を挟んだ、2つ割りの丸太方杖」が梁を支える・・レーモンド建築を特徴づける・・アイコニックな構造的表現手法。

(リビングより南側の日本庭園を見る。) アントニン・レーモンドはチェコ生まれの建築家。フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルを手掛けた際に、ライトの弟子として来日・・

(パティオに面した寝室を見る。) 帝国ホテルの仕事が終わった後も、レーモンドは日本に留まり・・群馬音楽センターや東京女子大学、リーダーズダイジェスト東京支社やノートルダム清心女子大学・・・などなど数多くの建築を日本に残しました。

(寝室の南側、レーモンドのデザインによる”造付け家具”を見る。) 第二次大戦中はアメリカへ帰国したものの、1947年には再来日。戦後も多くの優れた建築を日本に残し・・1973年85才の時に建築家を引退し、アメリカへ帰国。その3年後ペンシルベニアにて88才で亡くなられました。

「arukura-sha」-下地工事

事務所の・・打ち合わせ机を置くスペースの背面に「飾り棚」。奥行きの異なるパラパラとした配置のニッチには・・メイン商品である「手作り石鹸」を並べられるように計画。

既存窓の”枠廻り”を見る。「枠なし」で壁仕上げ材を貼りまわす(枠なしは壁が傷みやすい)ので・・この部分だけには「枠なし用の専用下地材」を張って・・大工さんに、しっかりと作って頂きました。

玄関横のスペースを見る。天井は既存を撤去後・・新たな天井の“割り付け”に従って、新たな天井下地の「木桟」を取り付けました。天井の仕上げは「底目地3mmで、ケイカル板張り、7分ツヤで黒色に塗装」。壁の木板は”ラスモル塗り”用の下地材です。

合板を2枚使った・・大工さんの「仮設作業台」は、建築関係者の間ではお馴染みのものですが・・合板の抜き方に・・個性が出ます!!!・・こちらの現場では・・ミッキー?

G・ガルシア=マルケス

ふだんは読まない「全く知らない作家の小説を“お正月に読んでみる”」・・・今年は1982年のノーベル文学賞受賞者、1928年生まれのコロンビアの作家・・ガルシア=マルケス

“名作”として、そのタイトルは誰もが眼にした事はあるが、まとまった時間でもない限り、なかなか手の出せない分量・・ブエンディア家の7世代にわたる家族の歴史・・彼らが創設した「マコンド」という土地の歴史・・その始まりから終わりまでを“物語った”作品・・

本に添付されている「家系図」を見ながらでないと・・誰が誰なのか、分からなくなってしまいます。5代に渡って、メインキャラの名前は「ホセ・アルカディオ」といった具合。「アウレリャノ」というキャラも5代に渡って同じ名前・・

“魔術的リアリズム”と言われる技法で描かれていく“ファンタジー”。完全に架空の町の話・・現実離れした出来事と登場人物の数々にも関わらず・・もしかしてこれは実在した町の話ではないかと思わす・・現実感。現実以上のファンタジーでありながら、ファンタジー以上の現実。

一癖も二癖もあるブエンディア家一族のエピソード、呪縛から逃れられない一族の悲喜劇・・非日常的な話が当たり前の現実のように語られていく・・分かりやすいようで、分かりにくい物語

陽気で、乱雑で、幻想的な・・南米大陸の空気感だけは、ビシビシと伝わって来る・・(毎年そう思うのだけれども)海外文学の本当の面白さや素晴らしさは、やはり文化圏の壁があり、実際は分かりにくいのだけれども・・ガルシア=マルケスの「百年の孤独」は・・一種の神話のような物語だった様な気がしました。