




年明けから始めていた古い家のリフォーム、GW前にはと思っていましたが・・
連休明けに、アルフレックスやフリッツハンセンの家具などが入荷予定・・
残工事や追加工事も連休が明けてからとなり・・
完成には、もう少し時間が・・掛かりそうです。
造り付け家具を、制作/設置して頂いているのは・・Free Styleさん
減築して新たに出来た中庭から”新しい”妻面を見る。壁面から断面を覗かせている丸い梁は・・かつて室内に掛かっていた梁を途中で切った部分が見えています。
西側より外観を見る・・一体化して分かりにくいのですが、左側部分には今回の改修で新たに設けた駐車場が有り・・「巾2.5m✕高さ2.0mの上吊り引戸」で道路に面していて、勝手口から直接車で出入りが出来る様になっています。
新しいダイニングのクロスを貼り終えました。部屋の両脇には元々天井だった部分を残し・・中央部分だけを露わしとして、かつては「天井裏に隠れていた梁組み」を意匠として見える形にしました・・正面には中庭に面した東向きの大きな窓。この後はGW明けの完成を目指して・・照明器具を取り付け、塗装工事を行い、造付け家具を設置。
2月末、見積り依頼のため工務店さんに”図面渡し”をしてから1ケ月ちょっと・・堺市のC工務店さんに工事を正式に依頼する事を決定。想定金額より少しだけ出てしまいましたが・・なんとか無事に着地。工事契約に向けて「見積図」を「契約図」に修正中・・その際に、これまでの間・・打合せで決定してきた各項目を再チェック。設計への要望に対して「設計漏れ」がないか再再度・・確認。
巾4mの位置指定道路の突き当り「準防火地域の木造3階建て」・・”準延焼防止建築物”のため、普通の木造建築より外壁や外部建具に防火仕様の規制が掛かったのもコストアップの要因の1つ・・・計画地は大阪市内駅近という事もあり、周辺地域では大きなマンションがどんどん増えて・・背の高い建物が多くなりつつあるエリア。
「焼杉板」の張り替え・・古くなった板を剥がして、防水シートを貼って、下地桟を付けて、新しい焼杉板を施工。以前は露出で付いていた電気メーター・・壁に埋込んで、木製格子でカバー。
以前は隠れていた「湾曲した丸太材の梁」・・リフォーム後は、木材の自然な曲がりを・・意匠として活かしました。
塀で囲まれていたバックヤード的な、裏庭スペースの一部に・・開口扉を設け、車が入れるように改修。
(手前の屋根) 既存建物を短くする形で、減築で出来た・・新しい妻面の「けらば」を見る。(奥の屋根) 既存母屋を見る・・なかなか立派な棟のおさまり。冠瓦の下に、垂れ幕のようなリブリブな化粧瓦があり・・のし瓦の側面中央部には「鶴の文様」。
道路側に足場を組んで、古くなった外壁の焼杉板を張替え・・40m近い北側ファサードの一部を撤去(左側)して、車庫用大型引戸を・・古い塀に馴染ませる形で、新設予定。
見た目はフラットに板が張られている外壁も、板を剥がしてみると・・時代毎に増築を繰り返してきた様々な痕跡が見てとれます。
古い時代に建てられた蔵の部分は・・足元は石が積まれ、壁は竹と土で作られた木舞の壁・・
今回のリフォームのメインとなる、古い丸太で屋根が組まれたこのスペースは・・かなり昔に、左手に見える母屋へ増築・・その際、母屋の屋根(庇部分)を切り落として、母屋と一体化した様です。解体前は圧迫感があり暗かったスペースも・・必要なものだけに削ぎ落としていくと気持ちの良い開放的な空間に生まれ変わりそうです。
年明けよりの着工が決まった「南畝の家」・・「母屋」と「離れ」からなる旧家、「離れ」を手掛けさせて頂いたのが25年程前。今回の計画では・・子供たちが独立した夫婦のために、これまでの生活の中心であった「離れ」の”つなぎの場”でしかなかった、やや暗かった場所を・・これからの生活を更に楽しめる・・明るくフレッシュなスペース・・「繋ぎ」として改修。
ボーリングを始めました。地面に鉄の棒や筒を打ち込んで・・地盤の強さを調べたり、地中の土を採取して地質を調べたり・・3日程掛けて10m程度下にあるだろう支持地盤まで掘ってゆきます。コンクリート造などの・・自重が重たい建築物などをつくる際には、その建物直下となる部分の地盤調査は・・必ず行なわなければなりません。その調査データをもとに・・建物の構造設計を進めていきます。
隈研吾さん設計の「富岡市役所(2018)」を探訪。2014年の世界遺産登録を契機として・・「富岡製糸場の再編」はもちろん、「TNAの駅」や「手塚さんの会館」などなど・・駅前を中心に”富岡の新たな顔”が、次々と出来ていました。
第一印象としては開放的で遠慮がなく、あちらこちらと自由に散歩ができる市役所・・長く伸びた庇や分節した建物の雁行配置も・・そういった印象を補強。
各棟のファサードにリズミカルに配された、隈建築の代名詞のような「木製ルーバー」も大活躍・・分棟/雁行/屋根/庇/格子/回遊・・隈建築に多く見られる、どのキーワードも昔から日本建築が大切にしてきた・・ベーシックな事ばかり。
大きく持ち出した、深い軒裏は・・下地板である合板をそのまま見せた、公共建築には見えない仕上がり。
緩やかなスロープが巡る、屋根裏を見せた行政棟のエントランスホール・・天井は合板の透かし張り。
「糸が貼られた」不思議な質感の壁も・・富岡の地域性や歴史からアイデアを広げた、オリジナリティのある仕上げでした。