「MYクリニック」 -建方&上棟

トリムデザイン設計のクリニックの増築工事

建築の良さ/美しさというのは、構造体に拠ってたつ部分が大きく・・
木造は木造らしく/RC造はRC造らしく/鉄骨造は鉄骨らしくなければ・・木造なのに鉄骨造っぽい/鉄骨造なのにRC造っぽい・・自分に嘘を付いている様な存在の在り方というのはよくないと思っています・・
木造やRC造にしても直接に構造体を全て現しているという事ではないのですが、鉄骨造ほどには覆って「隠して」しまう事はありません・・
構造方法というのは様々な建築条件で選択され・・どの構造方法を選ぶにしても建物を支えている構造体の存在感を消してしまわないことは大切・・
建物が完成した時に鉄骨の柱梁はほとんど見えなくなってしまうのですが・・・「鉄骨造の存在感を」はっきりとではなくても、なんとなく感じられるように”出来て”いれば良いなぁと考えています

機能的用途や仕上材を失い構造体のみがあらわとなった遺跡の美しさに感動する様に、工事中の構造体のみの姿にも同じような感動があります・・
(上写真)まだ事務所に勤めていた頃、担当していた物件の現場での写真
仕上げてしまって完成した時よりも、何とも言えない存在感のある工事中の姿

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「MYクリニック」 -着工

「MYクリニック」の工事が先週から始まりました・・RC造3階建ての既存医院に、鉄骨造1階建て部分を増築して待合いスペースを広げる工事
(上写真)基礎部分の配筋検査、基礎の位置/大きさ、鉄筋の種類/径/間隔などが構造設計図と相違がないかCHECK

建築法改正により鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造の建物の確認申請許可には審査時間が今までより長くかかる様になり・・昨年はそれにより着工予定が遅れ事業予定に支障をきたし困る様なケースが多くありテレビのニュースでも取り上げられ話題になっていましたが・・今回の増築工事の許可申請も思ったより時間がかかりました・・
それは既存本体建物が増改築に際しては建築基準法において”既存不適格建築物”となるからなのです・・”既存不適格”と聞くと何か法律的/構造的に違反がある様な建物と一般的には思われるかもしれませんが・・
“既存不適格建築物”とは、建築が完成した当時にはもちろん法や基準に適合していたのですが・・その後に法令等が改正された事により現行の規定に適合しなくなった建物を言います・・そのまま使用するには問題はないのですが、増改築する際には大変ややこしい・・
では増改築に際して何時の時点からが”既存不適格”になるのかと言えば・・建築基準法ではH19年12月以前の建物は”既存不適格”・・つまりほとんどの建物は”既存不適格建築物”になってしまうのです・・

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