新しい舟

倉敷川の舟

今日大きな音と共に事務所前に大きなレッカー車が停車・・
アームで持ち上げられ、川に降ろされたのは “新しい舟”でした
倉敷川の遊覧舟は観光客に人気があり、今まで一艘では人の多い休日には乗れない事もあったので・・二艘になりました
川から眺める美観地区も素敵だと思うので(乗ったことはないのですが・・)、美観地区にお越しの際はぜひお乗り下さい。

「打放しに戻ってる!!」

倉敷国際ホテル

ここのところずっと外壁の改修工事の為に建物全体を足場で囲われていた・・
建築学会賞も受賞した浦辺鎮太郎により設計された「倉敷国際ホテル」(’63)・・・今日、事務所を出て倉敷駅へ向かう途中、見上げると足場が外されており、改修後の外観を見てビックリ・・・ 「打放しに戻ってる!!」

(上写真左) 改修前の外観。この建物のデザインの大きな特徴であった四層に重なる独特の”浦辺庇(勝手にネーミング)”がもともとコンクリート打放しだったものが、ずっと長い間 白く塗られた状態でした・・どこのコンクリート打放し建築にもありがちな様に「黒く汚れてきたからペンキ塗り」・・・

(上写真右) それが元のデザインを尊重した “打放し”に戻っていました・・・外観/インテリア/細部まで骨太な民芸的な雰囲気を漂わせながらも質の高いデザインと細やかな配慮により現代建築として昇華された作品・・・隣接する「大原美術館分館」(’61)ともに浦辺建築ベスト3(自分の勝手なベスト3です)に入る建築がもとのデザインに”近づいた”のは嬉しい限りです・・・

ホテル建築につきものの 華美さ/きらびやかさ/過剰さがない・・質素/健全/実質的という言葉が相応しい「倉敷国際ホテル」は・・古い街並みと共に “倉敷”という町にとても調和した “倉敷”という町の顔となる・・・建築ではないでしょうか・・

「くらしき花七夕祭」

夜の大原美術館

8/4(土)と8/5(日)は「くらしき花七夕祭」です。
美観地区では美術作家によりコ-ディネ-トされた、オリジナリティーのある七夕飾りで倉敷川周辺が彩られています。
「大原美術館 本館」 (1930 設計: 薬師寺主計) では~PM8:00までの特別開館で浴衣着用の人は入館無料でした。「浴衣」と「暗くなってからの美術館」・・ほんの少しいつもと違う小さな企画というのも、見慣れた物・場所から再発見をする機会となり楽しいものでした。
and 「日本郷土玩具館」では~PM9:00まで(浴衣着用者は無料です)。

薬師寺主計(1984-65) は近代建築の巨匠ル・コルビュジェに会った最初の日本人建築家だそうだ、1922年パリで催されていたコルビュジェの「300万人都市」の展示を見たのがきっかけだったらしい・・薬師寺38才、コルビュジェ35才。1922年のコルビュジェと言えば「300万人都市」や「シトロアン型住宅」といった刺激的な計画案、雑誌「エスプリヌーボー」での過激なマニフェストで知られてはいたものの近代建築の実作らしい実作もまだなく、「白の時代」といわれる自身の近代建築5原則を応用した ホワイト/シンプル/キューブな住宅をつくり始めたばかりの頃。