まだまだすごいぞ! 大原美術館の桜

昨日は今週末までの「まだまだすごいぞ! 大原美術館」へ・・

児島虎次郎の「和服を着たベルギーの少女」に迎えられ・・横を見ると、虎次郎が初めて大原美術館の為に収集したアマン=ジャンの「髪」・・その側には虎次郎がモネ本人から直接購入した「睡蓮」・・ 安井曾太郎の大作 「外房風景」・・夭折した松本竣介のコラージュ風の素敵な作品 「都会」 ・・他にもピカソ、モディリアーニ、ロスコなどなど大原所蔵の名画をゆっくりと鑑賞。
(上写真) 本館と工芸館の間には、とても立派な桜の樹があります。今年も綺麗に咲きました。本館と工芸館の間、桜の大庇をくぐり抜けた向こうに新館が見えます。桜も今週末までかな・・

「建築探訪 103」-France 13 / Paris

ポンピドゥーセンター

いまや見慣れたかも知れぬ、観光地としても多くの人が訪れる、パリの有名な総合文化施設・・「ポンピドゥー・センター」(1977) 。建築家は・・レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースの2人組。いまや共に超大御所の建築家となった2人も、1971年のコンペ当時にはピアノ34才、ロジャース38才。(上写真) 南側外観の足下を見る。柱から持ちだされたクラフト感ある独特な形状をした・・鋳鉄製ゲルバレット梁の長さは8m。

この建築は・・何と言っても、この外観のインパクトが凄い・・建物を支える構造である鉄骨柱梁が剥き出しなだけでなく、電気・水道・空調などの設備配管まで剥き出しになっている建物・・・普通は内側にあって見えない(見せない)部分が、全部表に出てきている(人間で例えるならば、内蔵や骨格が全部見えている状態?)・・  無論その外観に反感を抱く人も少なからず・・

ポンピドゥー・センターのすぐ横にあった教会に入ってみました。・・この様な昔ながらの建物がたくさんあるパリの街並み・・ そこに突然現れた “いつまでも工事中” の様にさえ見えるポンピドゥー・・・
ポンピドゥーセンター
西側の広場とは反対側、通りに面した東面ファサードを見上げる。設備のダクトやパイプだらけの外観・・しかも、わざわざ目立つ色でその存在感を強調し・・古い街並みを挑発さえしているかの様な感じ・・
ポンピドゥーセンター
建物の東南角を見上げる。40年近く前にして、この前衛的外観 !!・・・パリ市民からすれば、竣工当時は工場にしか見えなっかただろう・・ よくぞこの計画案を選択したものだ・・審査会の委員長がジャン・プルーヴェだったという事も大きかったのだろうか・・
ポンピドゥーセンター
最上階まで続く “ガラスチューブエスカレーター” と、巨大な “展覧会のお知らせ” が眼を引く・・広場側の西面外観を見る (こちらの建物となんとなく雰囲気が似ています) 。広場の床は建物側に向かって傾斜が取られており、自然と視線や足が建物へと向かう・・ 6階建て、巾166m、奥行き60m・・サッカー場が縦に積んで6面も取れる。

“ハイテック” と呼ばれた・・「レイト・モダン建築」 はどうしても「過度」に見えてしまう・・マテリアルやテクノロジーを装飾的にさえ見える様に強調したその姿は・・ やはり”SF的” なんだけれども、その”SF的orマンガ的”な感じが楽観的でgoodですよね。その源流とも言えるアーキグラムのイラストの中に見られる様な・・硬直したモダニズムが描く都市とは違う、終わる事なく無限に自由に変転伸展していく都市のイメージは”まだまだ”実現は難しいだろうがオモシロイ・・  ポンピドゥーもアネックスなどを作らずに、パリの街並みの中でその本体をどんどん増殖伸展させていってはどうなんだろうか・・

ポンピドゥーセンター
建物内部を見る。建物の短手を横断するスティールトラスのスパンは48m。彩色された梁や設備配管もインテリアとして映えている?  ・・ 現代美術館、研究図書館、デザインセンターなどの機能がつまった巨大な建物の内部空間は柱が1本もない無柱空間、どんなイベントにも対応できる可変性の高いフレキシブル空間

「建築探訪 102」Sweden 7 / Stockholm

ストックホルム近代美術館の搬入口

ストックホルムのシェップスホルメン島にある「ストックホルム近代美術館」(1997) 。設計はスペインの建築家、ラファエル・モネオ。
(上写真) やや高台に建っている建物の外観を見上げる。アクセス的には裏となる側から見ています。左下に見えるのは美術品搬入口。

ストックホルム近代美術館
ストックホルム近代美術館
美術館の計画でとても重要な展示室の形態が・・外観にそのまま反映されている事がこの建築の大きな特徴・・「 方形平面+ピラミッド型天井+ルーバー付トップライトの突起 」のアイコン的要素が反復・・ 

展示室の平面的な大小の変化が、外観ヴォリュームとして・・そのまま拡大縮小コピーの様に反映されています。美術館の設計者であるラファエル・モネオは、デンマークの建築家ヨーン・ウッツォンの事務所に勤めていた事もあるそうなので・・ 北欧独特の地勢や気候、建築や光などについて・・詳しかったのでしょうね。
( 上の内部写真と断面図は 「a+u 1998年10月号」より )

ストックホルム近代美術館のロゴ
外壁に描かれたストックホルム近代美術館の有名なロゴは・・ ロバート・ラウシェンバーグが描いた手書きの文字を、そのまま引用して利用するという・・美術館のサイン計画を手掛けたスゥエーデンのグラフィックデザイナー、ヘンリック・ニーグレンのアイデア。
ストックホルム近代美術館のオーニング
オーニング付きサッシのディテールを見る
観光周遊船からのストックホルム近代美術館
観光周遊船から・・湾越しに見えた「ストックホルム近代美術館 」。右側には大小のトップライトが幾つも見える展示室群、左側の長方形ガラス面の部分は海が見渡せるレストラン、その更に左の神殿風の建物のところは美術館と一体となった建築博物館・・とても横に長~い建物です。
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「建築探訪 92」-Kagoshima

岩崎美術館工芸館

九州のほぼ最南・・鹿児島県指宿市の海から程近い、緑豊かな広い敷地内にある・・槇文彦さん設計の「岩崎美術館」(1978) 。手前は同設計者による「岩崎美術館 工芸館」(1987)。

岩崎美術館
(左) マッシヴで、”凸凹”した感じの東側外観・・ 鉄骨の”➕”で囲まれたBOX部分がエントランス・・エントランスから真っ直ぐに続く・・建物の一番高い部分はメイン階段の採光用・・建物はスキップフロアになっていますが・・基本的に地上1階。建物のイメージは地中海を見下ろすヴィッラ・・
(右) 南側外観を見る。コンクリートBOXの上に載っている両側のガラスBOXは大展示室の採光用トップライト。南側外観には建物を小さく見せている・・ある工夫が施されています・・ 

 “凸凹”と”➕”が、この建築のモチーフ。

岩崎美術館
北側外観を見る

小展示室のコンクリートBOXの上にも採光用の”凸”が載っています・・窓は南を向いているので、こちらからは見えません。杉板型枠によるコンクリート打ち放し・・目地の取り方も細かくデザインされています。マッスなヴォリュームの大胆さに対して、杉板型枠のテクスチャーや目地割りは非常に繊細・・対比的な感じがgoodです。

岩崎美術館
(左) 玄関から入ってすぐのメイン階段を見る。左手に大展示室、奥に小展示室。高さのある吹抜け上部から光が差し込んでいます
(右) 大展示室からメイン階段を見る。左手に小展示室、右手に玄関
岩崎美術館
奥の小展示室へと階段を上がって行く途中の・・コルビュジェの「LC1」が4脚置かれている、中庭に面した休憩コーナー。窓のブラインドと床の敷物は必要なのか・・ない方が建築の構成の素敵な所がより際立つのでは・・
岩崎美術館工芸館
(左) 本館と工芸館を繋ぐ、水面に面した渡り廊下部を見る
(右) 屋根の板金納まり・・タテハゼ先端納まりが鋭い!!
岩崎美術館工芸館
(左) 本館から工芸館へ向かう・・ 杉板型枠コンクリート打放し壁に凹みをつくって・・照明。階段を上がると、水面に面した渡り廊下部です
(右) 壁から持ち出したスチールフラットバーと、細かな面取りを施した木の組合せによる手摺り・・人の手が直接触れる部分のテクスチャーは大事ですよね

オオハラコンテンポラリー

防護服を着た少年

GWが始まりました・・昨日は大原美術館へ行って来ました。
(上写真) 大原美術館の中庭に 防護服を着た少年 が登場 !!  とても大きい!!
少年は「オオハラコンテンポラリー」(下写真) のためのスペシャル展示・・ 

大原美術館といえば、実業家で倉敷紡績の社長でもあった大原孫三郎が洋画家児島虎次郎と共に1930年に開館した、日本最初の西洋美術コレクションを中心とした私立美術館・・エル・グレコ、ゴーギャン、モネ、マティスなどなどの西洋美術の名品が数多くある事で有名ですが・・ それ以外にも中国・エジプト美術、日本の近現代美術、民芸運動の作品等・・色々なジャンル/時代の名品も同時に見る事が出来る美術館・・ 

オオハラコンテンポラリー

しかし、今回の「オオハラコンテンポラリー」では近現代の名品を展示するだけではない、同時代のいまこれから新たな世界をクリエイトしようとしている作家とも、積極的に協働している大原美術館の姿勢が一望できる展覧会でした。古い評価の定まった名品をじっくり見るのも良いのですが・・ 評価もまだ定まらない、今この時代の空気を形にしようとする若い作家の・・訳の分からないぐらいなエネルギーに溢れた・・ 見た瞬間に「ナンナンダコレハ???」と思わず考え込んでしまうくらいの・・ インパクトのある様な作品も面白い。

ヤノベケンジ

“防護服を着た少年” の作者であるヤノベケンジさんの作品を最初の頃に見た時も・・「YELLOW SUIT」(上左)や、「TANKING MACHINE」(上右)や、「GODZILLA」や、「ATOM CAR」などなど・・「ナンナンダコレハ???」という様な作品ばかりでした・・20年以上前から一貫して・・ずっと防護服なんですね・・無骨で騒々しく役に立たない、妄想に取り憑かれた男が造った、前時代の兵器の様な姿をした機械彫刻( これらの装置はヤノベさんにとって必需品らしい ? ) ・・・  モネといえば睡蓮、ヤノベケンジといえば防護服。

大原美術館の別館である有隣荘での・・特別展示「青木野枝  ふりそそぐもの – 有隣荘」もgoodでした・・ 有隣荘の和室や洋室などの各部屋に合わせて設置されたインスタレーション・・鉄を小さく切断し、溶接で繋いで、円や丸をモチーフに作られた、部屋いっぱいの・・例えは変ですが、”大きなクラゲ” のような作品が素敵でした。鉄という素材で空間に描いた線画のような青木さんの作品・・ クラゲの足にぶつからない様に歩くのに、やや緊張しました。

「建築探訪 88」-Yamagata

土門拳記念館

山形県酒田市にある写真家土門拳の資料保存と展示の為に作られた・・1983年竣工の谷口吉生さんが手掛けられた初めての美術館・・「土門拳記念館」。
(上写真) 池に沿って建てられた長い壁が印象的な・・抽象性の高い外観。ちなみに、池は新たに作られた人口池・・長い壁の右手がエントランス部分。中庭が見える長い壁の開口部の左手に突き出た四角いヴォボリュームが記念室と視聴覚室・・外部から内部まで、中庭を中心として動線がめぐる構成・・池に建物が浮いている姿を池越しに眺めると・・その様は宇治平等院の構成を思い起こさせます・・

土門拳記念館
(左) 長い壁の内側にあるアプローチ空間・・突き当たりには中庭
(右) エントランスまわりの外観を見る

外部内部ともに建物全体の構成は・・日本の伝統的な空間特性が強く意識された・・”見え隠れ” しながら、”奥”を常に感じさせる・・その後の多くの谷口建築につながっていく大きな特徴である・・回遊性が強く意識された構成。建築の意匠表現は・・来訪者と周辺環境との関わりや、鑑賞者の作品鑑賞を・・妨げる事のない様、極力抑えた簡潔なものとする事を意識されたそうです。

土門拳記念館
(左) 外壁の出隅詳細を見る。外壁はポルトガル産花崗岩(シェニート・モンチーク)JP仕上げ
(右) 縦長の窓を見る。下はFIXで上部が排煙用で開くのかなぁ・・コールテン鋼のようです。厳選された質の高い素材の選択も谷口建築らしい・・  
土門拳記念館
(左) エントランスホールを見る。奥に中庭。
(中・右) エントランスホールに置かれている椅子の詳細・・ ケアホルム的なんだけど、ケアホルムではないよね? 誰のデザインだろうかこの椅子は?

しかしもう30年前の作品なんですねぇ・・古さを感じさせない建築ですよね。やっぱりモダニズム建築のシンプルさというのは持続的な永遠性・・クラシックな感覚に支えられているんだなぁ・・と改めて思いました。

「建築探訪 66」-Tokyo/上野 3

東京都美術館

開館以来の大改修工事が終わり、リニューアルされたばかりの・・ 前川國男の設計による「東京都美術館」(1975)を探訪。(上写真) メインアプローチとなる南西側から外観を見る。右手前の「メトロポリタン美術館展」のサインがある企画展示棟と、左手奥へ向かって雁行して繋がり配置された4棟の展示棟の間に・・ 設けられた広場へと誘いこまれる様に建物へと入って行きます・・ アプローチがgoodです。建物の半分以上のボリュームが地下に設けられています。

東京都美術館
(左) 雁行して配置された展示棟を広場より見る。手前の何気に触ってディテールを感じたくなるような素材感のあるY字型手摺り
(右) 美術館へ入るには地上の広場から降りて、地下1階の中庭からとなります。エレベーターとエスカレーターがリニューアル工事で新設されました
東京都美術館
地下1階のエントランスホールを見る。右側にあるミュージアムショップは増築されて広くなりました。アプローチ~広場~中庭~エントランスホールへと・・静かなゆとりの場の連続を感じながら建築的散策をしながら・・ 展示室へといたる
東京都美術館
(左) 地下2階より地下3階のスカルプチャーホールを見る
(右) いつもいつもの “後期”前川建築の代名詞「打ち込みタイル」 ・・何気に触りたくなります

バリアフリー化や、古くなった設備の一新、省エネ化など・・ 他いろいろな箇所で様々な点で大改修がされているのですが・・”前川建築” を尊重し、より良く生かし、やや暗かったイメージの都美に、賑わいをもたらした・・ goodなリニューアルになっていると思いました。(改修はもちろん前川事務所です)

「建築探訪 64」-Shimane 5

島根県立図書館

日が暮れてしまったけれども・・菊竹清訓の設計による「島根県立図書館」(’68)を 探訪。「都城市民会館」(’66) と共に菊竹清訓さんのメタボリズムが実践された作品・・都城と比べるとこちらの方が表現としてはかなりオトナシイ感じがしますが、構成としては同じカタチ・・ 都城と同じく コンクリート基壇 + 鉄製の上部構造 。

島根県立図書館

外部から見ても、内部から見ても、その建築的構成は明瞭。
(上写真) エントランスホールよりダイナミックな広がりのある内部空間を一望。竣工時の写真を見ると、もともとの屋根は鉄骨部材が全て露わしで・・建築のコンセプトがより強く表現されていましたが、現在は大きな梁だけが露わしで梁間は白い天井材が貼られていて・・残念。

田部美術館/島根県立博物館/島根県立武道館
島根県にある菊竹さんの作品をいくつか探訪。
(左)「田部美術館」1979
(中)「島根県立博物館」1959
(右)「島根県立武道館」1970 

「建築探訪 62」-Naoshima

海の駅なおしま

SANAA (妹島和世+西沢立衛) の設計による「海の駅 なおしま」(2006)。フェリーが直島に着くと、眼に飛び込んでくる・・ ひとつめの作品。大屋根の下に、イベントホール/券売所/休憩室/待合室/事務室などの機能を配置したフェリーターミナル ・・しかし見るからに、ただならぬ感じの様子・・・  柱が細い !!!!!!! ・・・高さが4m以上もあるのに直径85mm !!!!! 

海の駅なおしま

70m×52mのこんなに大きな屋根なのに・・こんなに細い柱なのに・・ グリッドスパンが 6.75m !!! ・・ 屋根厚は 155mm !!!  

海の駅なおしま
(左) 壁は鏡面に仕上げて、存在感を薄めています
(右) 梁同士の接合部はもちろん、柱と梁の接合部も・・ 余計なものが一切ないスッキリした見事なディテール。地面に突きさしたままの様な柱と床面の取り合いも・・何気ないですが・・ なかなか出来ない
海の駅なおしま
床には緩やかな勾配が付いています・・ 遮るものの存在が消されて、大きく薄い屋根に覆われただけの場所があるだけ・・嘘の様に見事な見事な抽象空間
SANAAによる「空」
島の中にあるアート作品。SANAAによる「空」
直島フェリーターミナル横の広場
フェリーターミナル横の広場にある、オレッキエッテのような椅子・・これもSANAAによる作品
右奥には草間彌生さんの「赤かぼちゃ」
ベネッセハウス
(左)この日の宿泊は「ベネッセハウス」・・ 安藤忠雄さんの設計により1992年に出来たホテルを備えた現代美美術館 。もう20年以上も経ちました、ここから様々なプロジェクトが始まっていったわけですね・・
(右) テラスで気持ち良く朝食。前日に岡山で買っておいた 岡山木村屋のパン と 煎れたてのコーヒー
直島nendo

直島をフェリーで離れる時に見送ってくれたのは・・ nendoによる、光るコーンのインスタレーション作品・・ キレイでした。

「建築探訪 61」-Tokyo/六本木

国立新美術館

黒川紀章(1934-2007) による設計の「国立新美術館」(2007) を探訪・・
フラクタル曲面の大きなガラスの外壁に、エントランス部となる円錐型の風除室が突き刺さった・・ ダイナミックで明快なデザイン手法は黒川さんらしい。国立新美術館は収集品を持たない企画展・公募展のための美術館。

国立新美術館

建物の主だったファサードとなる南面はほとんどが水平のガラスルーバーで覆われています。写真では分かりませんがガラスルーバーにはドットパターンが施されているので、垂直の縦材とともに日除けとして日射軽減の役割を果たしています。大きく膨らんでいる外壁部は、内部にある “逆コーン” と呼ばれるスペースの形が曲面に現れています。

国立新美術館
1階エントランスロビーを見る。大アトリウムの中に2つの “逆コーン”。手前の逆コーンの上部にはレストラン(3F)、奥の逆コーンの上部にはカフェ(2F)があります。逆コーンの中には・・階段やエレベータ、トイレや設備シャフトなどが納められています
国立新美術館
手前の逆コーンを見上げる。ちなみに3階のレストランとは ポール・ボキューズ のブラッスリー 。ランチでもディナーでも眺めが良く、気持ちの良さそうなスペース
国立新美術館
2階カフェがある逆コーンを見下ろす

建物の主要な用途となり面積の大半を占めている展示スペースは、この大アトリウムの後ろに巨大な箱として存在はしているのですが・・ フラクタルな三次元幾何学を用いたアトリウム空間に円錐や逆コーンが浮遊した空間には・・モダニズムの直線幾何学でデザインされた空間とは全く違った空気感が在りました・・ 黒川さんが長年唱えられてきた”生命の時代”の建築が表現されているのでしょうか・・黒川紀章さん最晩年の秀作。