伊東豊雄さんが設計された「松山ITMビル」(1993)を探訪・・松山市内の住居地域に建つ専用オフィスビル。
(上写真)3層の吹抜けがあるロビーを見る。北西を向く乳白フィルムを貼ったガラス面は、隣接する建物の存在感と午後から差し込む強い光を効果的に和らげています。抽象的で浮遊感に満たされた空間感や、内外装のシルバーメタリックでインダストリアルな素材感などは・・ 90年代の伊東さんらしい建築。
この頃の自身の作品集に寄せた伊東さんの文章では・・新しい情報テクノロジーや移動システムなどが横暴に拡大し、支配しつつある東京のような都市空間の惨状について・・「・・ノスタルジーに耽るよりも、今日の都市空間に潜む新たな魅力を探る事の方がはるかに意味がある・・ ” マイクロ・エレクトロニック・エイジのイメージ ” をビジュアライズする作業・・エレクトロニックな流れの空間に、エレクトロニックな渦・・かつてのゲニウス・ロキに代わる “情報の場” を巻き起こす試み・・」 伊東豊雄