お祝いごと・・という訳ではなく「ことぶき」2文字・・事務所にて作った“スチレンボード製の文字”を、外壁に貼ってもらう・・大きさ等がわずかに異なる2文字・・現場で貼ってみて比較検討・・・設計の仕事は1/50、1/10、1/3と、縮尺で机上でイメージして考えるものですが・・試す事が可能であれば、原寸で現場にて試してみるのが・・一番なのは言うまでも無い。
漢方専門 寿元堂薬局のサイトはこちら
作品紹介はこちらで
建築家
お祝いごと・・という訳ではなく「ことぶき」2文字・・事務所にて作った“スチレンボード製の文字”を、外壁に貼ってもらう・・大きさ等がわずかに異なる2文字・・現場で貼ってみて比較検討・・・設計の仕事は1/50、1/10、1/3と、縮尺で机上でイメージして考えるものですが・・試す事が可能であれば、原寸で現場にて試してみるのが・・一番なのは言うまでも無い。
漢方専門 寿元堂薬局のサイトはこちら
作品紹介はこちらで
フィンランドでの”アアルト建築巡り”も、いよいよ最終・・天気は良好、休日の午前中につき (残念ながら内部は見られませんでしたが)・・歩いている人も車も、ほとんど無く・・外部をじっくりと建築鑑賞。アルヴァ・アアルトの設計により、ヘルシンキ市内に1958年に建てられた「文化の家」・・道路に面した「長い庇」の奥に、仕上げ/形態/機能の異なる「2棟の建物」が並置・・
多目的ホールとして使われている、左手の建物の出隅を見上げる。他のアアルト建築でもあまり見かけない「大きくアールを取った正方形レンガ」がとても印象的な建物・・写真では平面形はイメージし難いと思いますが・・アアルトの十八番である「アシンメトリーな扇形の有機形態」をしています。断面的にも面白く、起伏のある山のような屋根・・で覆われた建物であります。
20件を越えた、今回のフィンランドでのアアルト建築探訪の最後・・”アアルト窓” にタッチしてお別れ。でも、まだまだ行きたかったけれど、行けなかった・・アアルト建築はいっぱい。またいつか “アアルト建築巡り” ・・にフィンランドを訪れたいものです。
光沢を抑えた金属製ファサードの渋さが、とても印象的な中層ビル・・ヘルシンキ市内にある、1964年アルヴァ・アアルト設計により建てられた “銀行ビル”・・アアルト作品集による建物名は「ポホヨスマイデン・ユフディスパンキビル」。同じくアアルト設計による、同デザイン系列の中層ビル・・「ラウタタロ」や「アカデミア書店」も、実はこのすぐ近くに建っています。
通りに対して並んで建つ、左右の既存ビル・・そのそれぞれの高さに揃えて建てたのが・・デザインのポイント。左右の軒ラインを調整する役割を担い・・大屋根のある上層部はセットバックして、存在感を弱め・・街並みに配慮。
縦のライン2本はすっきり・・横のライン2本には少しモールディング的な変化をつけ・・上下でそれぞれ少し形を違えているのも、デザインのアクセントとして、とても細かい処理ですが・・現場に立ってヒューマンスケールで建物を見ていると、この細かな処理が全体のファサードに・・とてもよく効いている様に思えます。窓は、アアルト建築ではお馴染みの・・いつもいつもの「大きなFIX + 縦長開口」の・・ ”アアルト窓”。
柱の足元を見ると分かり易いのですが・・四角ではなく、ほんの少しテーパーを取った・・台形平面の柱なんですよね・・素材の経年ぶりもgoodです。なんて事ない、街中の中層オフィスビルなんだろうと思い、ぶらりと見に来たけれど・・「さすが、北欧の大巨匠だ!!」・・と、誰もいない早朝のヘルシンキで、感嘆感心。
アルヴァ・アアルト設計・・1962年に建てられたフィンランド企業の本社社屋「エンソ・グートツァイトビル」。港を望むヘルシンキ市の中心部にあり、大聖堂(上写真の左端)のある歴史的街区からも近く、港側には旅行客にも人気の市場も・・(上写真)東南側から見る。地下1階、地上6階、社員食堂のある最上階は少し外壁を後退させ・・屋外テラスのスペース設けている。
建物の整然とした印象の、決め手となっている・・奥行きのある、大理石張りの格子フレーム。縦桟の方が僅かに横桟より突出している事や、斜め部分の石張がフラット部分の石張よりも突出している事など・・細かなディテールへの配慮が、外観をキリリと引き締めている・・
(上写真)格子フレームの下部がスパッと”切られて”終わっている・・デザイン処理が面白い、北側外観を見る。新古典主義で建てられた周辺に建つ・・市庁舎、大統領官邸、最高裁判所などの公共建築群や、隣接する大寺院との・・景観的な関係性に細心の注意を払い、計画は練られたそうですが・・建設当初は”風景を台無しにした”と酷評されたそうです・・(いつの時代、どこの場所でも、新しい建物に・・世間様は厳しい)
北欧では・・ある程度の規模がある、この様なビル物でも”木製建具”を使用・・建物は50年以上経ってるが、窓を交換した様子もないので・・この”味のある”感じは、おそらく50年以上前のオリジナルかと・・イイ感じです。
エントランスのある、1階の西側ピロティ部を見る。建物正面などの目立つ場所ではなく・・目立たない場所に、ググッと高さを抑えた、エントランス部・・そしてピロティ下で、黄金色に輝く”味のある”金属製建具・・イイ感じです。
アアルト設計の「ラウタタロ(1955)」を探訪・・ヘルシンキ市内の中心地に建つ8階建ての商業ビル。まだ陽が昇り始めたばかりで、人もまばらな・・早朝に市内を散歩しながらの探訪・・ラウタタロとは”鉄の家”の意味・・建物のクライアントはフィンランド鉄鋼業者連盟。
格子グリッドのカーテンウォール、規則正しく並んだ窓・・ガラスに映っている建物の様に、周辺には赤煉瓦のビルが多く・・右隣には、ヘルシンキ中央駅の設計者でも知られる・・エリエル・サーリネンの設計による赤煉瓦のビルも在り。
訪れたのは、日本に帰国する当日の早朝・・(まだ建物はオープンしていなかったので)表玄関からガラス越しに、中を見る。このメイン階段を上がった2階には・・正円型トップライトが整然と並んだ、有名な”吹抜けホール”が在り・・雰囲気としては、以前にも探訪blogでも紹介した・・アカデミア書店のスペースと似た感じだそうだが(出来たのはこちらがずっと先)・・中に入ってみたかったが・・残念。
アルヴァ・アアルト設計の「セイナッツァロの村役場(’52)」を探訪。元々は・・小さな建物ながら会議場、図書館、オフィス部、居住部、店舗部などなどの複数機能が1つの建物の中に構成されていた、人口3000人の湖に浮かぶ小さな島の為に建てられた建築・・現在は役場/図書館の機能のみ。戦前の「白いモダニズム建築」の旗手としての “白いアアルト” から脱した・・戦後の “赤いアアルト” としての出発点となった・・アアルトの代表作。「レンガマッスなヴォリューム」と「大小様々な木製窓」による外観の構成を南西より見る。
ひときわ高いのが会議場部。平面的には「ロの字型の中庭形式」。2層のレンガヴォリュームで2階にある中庭を囲んだカタチ・・ロの字の角、2角を欠込んで外部階段が設置されています。左手の建物出隅に竪ルーバーを設けている部分が図書館棟。微妙というか・・絶妙に調整された全体の不規則な形。ヴォリュームと開口部の”細かな”形態操作で・・アシンメトリーな絶妙バランスに至る感覚がexcellent !!
開放的な開口部、レンガ/木板のリズミカルな繰り返し壁面、レンガの腰窓・・黒い柱の存在も効いていて・・何とも居心地が良く、落ち着く空間。腰窓のレンガベンチのスリットは暖房用・・溝下部に設置された暖房器具の熱を窓辺へと導く。
放射状に伸びた腕木により・・屋根を支える「2つの扇形トラス」の形態が特徴的なのですが、議場内が暗く・・うまく写真は取れませんでした。(照明が点いていない・・停電で・・でも自然光での空間の雰囲気がよく分かるのでgoodです)
ザクッとした言い様ですが、その物言いがピタリとはまる・・”何ともアアルトらしいマテリアルとプロポーション” な・・図書館棟を見る。1階部の大きな横長ガラス窓が・・もともと店舗として計画されたという経緯を物語っています。レンガ壁の目地が少し深めに取っていたり、レンガの仕上がりや色が均一でなかったり・・そんな事も建物の味として効いています。
以前に訪れた「アアルトのアトリエ」を思わせる、光の取り入れ方・天井の形・・もちろんこちらの建築の方が年代としては古いので・・あちらがこちらに似ているのですが。天井高さいっぱいの窓から、たくさん光が入り・・とても明るい図書館棟の2階を見る
アアルト作品がたくさんある町・・ユヴァスキラの中心から車で20km程離れた場所にて・・自動車道からフィンランドらしい気持ちの良い”白樺の森” に入り・・てくてく歩いて行くと、
同じ時間に見学を申し込んでいたのは、私達を含め3組・・地元フィンランドの設計事務所の方々が10名程と、シンガポールの建築学生さんが2名・・広くはない別荘なので、混み混みな感じで・・ちょっと慌ただしい見学となってしまいました。
“「建築探訪 134」-Finland 21 / ALVAR AALTO 16” の続きを読むアルヴァ・アアルト設計の「アルヴァ・アアルト・ミュージアム (1973)」を探訪。ユベスキュラ教育大の南・・勾配のついた敷地に建つ、窓の少ない外観の建物。正面まで辿り着くと・・竪繁げなその壁の構成が目を引く。建物正面にあたる南側外観は三面鏡を開いた様な外壁の構えだが、アシンメトリー&折れ点での微妙な段差・・シンプルそうに見えて、細かな工夫が見られる・・外観のデザイン。(上写真 南側外観を見る)
全体の平面形は一言二言では説明できない様な多角形。平面構成においては、この建物より少し前に計画が始まっていた「ラハティの教会」にも通じるものがあります・・展示や祈りの為の大きな主空間 + 諸室や設備の為の小さな機能空間が適宜適所で従属・・というカタチ。全くの自由にも見える多角形の平面構成も・・実は敷地の高低差に適応させようとした設計の工夫だったり・・
ピューッといってグッグッといい感じのカウンターがある・・1階のカフェを見る。残念ながら、ゆっくりとここでお茶する時間も・・このカフェの窓から見えるくらいすぐ側にある同じくアアルト設計の「中部フィンランド民俗博物館(1962)」をゆっくりと堪能する時間もなく・・次の探訪場所へと出発・・
“「建築探訪 129」-Finland 20 / ALVAR AALTO 15” の続きを読むアルヴァ・アアルト設計の「ユヴァスキュラ教育大学(1951-76)」の・・「食堂棟(’53)」を探訪。左手にチラリと見えているのが「講堂/講義棟」・・
こちらは「アアルト自邸」に置かれていた焼き物・・銀行のお客様向けのノベルティ(貯金箱)です。そのモデルとなっている建物は、分かりますか?・・かなり大胆な(オモシロイくらいの・・)デフォルメがされていますが・・答えはこちらで間違いないとは思いますが・・