
昨年より進めていた計画の実施設計がいよいよ大詰め・・トリムデザインでは作品例があまり多くない、建て込んだ住宅地での建替え案件。築50年近い住み慣れた家を撤去しての新築。隣家との距離が近いエリアでの木造3階建て・・1階玄関から2階3階の光庭まで、ひと繋がりとなった・・コンパクトではあるけれども空間の広がりを感じられる、落ち着きのある居心地の良い・・家となるはずです。
昨年より進めていた計画の実施設計がいよいよ大詰め・・トリムデザインでは作品例があまり多くない、建て込んだ住宅地での建替え案件。築50年近い住み慣れた家を撤去しての新築。隣家との距離が近いエリアでの木造3階建て・・1階玄関から2階3階の光庭まで、ひと繋がりとなった・・コンパクトではあるけれども空間の広がりを感じられる、落ち着きのある居心地の良い・・家となるはずです。
春頃より、ヒアリングを進めながら・・”かなり古い母屋”と”比較的新しい離れ”の・・傷みが見られる、様々な部分を修繕しつつ・・・メインとなる改修工事の設計デザインを同時進行していました。1111と、1が並んだ「ポッキーの日」に図面が完成。あとは工務店さんの見積り・・想定内に収まることを願うのみ・・です。
外壁漆喰を塗り替えたり、屋根瓦を吹き替えたり、お庭も少し整えたり、少しづつ進めていた「日本郷土玩具館の倉改修工事」が無事終了し・・・4月1日より「リニューアルオープン」しました。
什器の並べ替え、展示品の整理・・既存要素のみの取捨選択リフォーム。
2階の展示室へと誘導する「切文字サイン」を新設・・
倉の改修は、外壁の左官工事に入りました。下地の調整や中塗りの工程を経て、仕上げの漆喰塗りとなりますが・・フラットな壁面以外の部分・・壁の出隅や、壁と軒の取り合いなど・・様々なちょっとした部分が意外とデザインとして見所・・
「奉行窓」と呼ばれる、倉の窓まわりの部分を仕上げています・・これは2階の窓。
これは1階の窓・・長方形の窓に、漆喰で塗り込められた角木が3本・・室内側に引き戸。ちょっとしたテーパーの取り方や、アールの使い方がデザインとして効いてきます。
出入口上の大きな玄関庇の部分・・垂木や螻羽だけでなく、押えの瓦上まで漆喰で・・モノコックに塗り込められていくのが・・左官工事ならではの仕上がりで・・大変面白い。
本瓦葺きの改修。防水シートの上に下地桟を組んで、一度下ろした瓦を・・もう一度敷き詰めていきます。古い瓦に釘穴を開けて・・平瓦は釘で、丸瓦は針金で・・留め付けていきます。
家紋の”五三桐”がデザインされた鬼瓦を設置・・螻羽(けらば)を漆喰で仕上げていきます・・
伝統的な建物の形式として倉敷では・・この様な納まりは通常どこでも見かけるのですが・・屋根材の袖瓦より、螻羽の漆喰が勝つ・・この状態が耐久的にベストなのかどうか・・いつも少し不思議。
江戸時代の頃に作られたと思われる古い蔵・・屋根と外壁を全面的に改修する工事。屋根の下地板はかなり傷んでいたので、全てを・・厚さ40mm程度の新しい杉板に張替え。
張替えた下地板の上に防水シートを敷き込み・・瓦を受ける「横桟」を設置。
“本瓦葺き”なので・・丸瓦を受ける「縦桟」も設置。
もともとの瓦は100〜150年くらい前の物で、傷んでいる物も多かったので・・西面は新しい瓦、東面は再利用の古い瓦・・という感じで葺替えます。
こちらは古い瓦を再利用して葺き替える東面・・瓦に釘穴を開けて、しっかりと固定。ひげの様にたくさん伸びている銅線は丸瓦を固定するためのもの。
1月より始まったKURAの改修・・屋根と外壁の全面的な改修。まずは瓦の撤去・・職人さんより聞いたところ「瓦そのものは100〜150年ほどくらい前の物ではないかと」・・
下ろした瓦は、とりあえずお庭に置かせて頂いて、使える瓦は・・綺麗にして再利用。半分は新しい瓦、半分は再利用の瓦・・という感じで葺替え予定。
下ろした瓦の小口を見ると「丸に六」・・岡山の瓦屋根に詳しい乗岡実さんが書かれた資料「岡山県南部に分布する江戸時代中期の瓦」によると・・丸に六は倉敷市酒津で瓦を作っていた「梶谷六郎右衛門の印」・・酒津で瓦が焼かれていた期間は寛延2年(1749)〜嘉永5年(1852)との事。
結局、下地板は傷みが激しく・・すべて「新しい板」に張り替えとなりました。
1月の閑散期に合わせて?・・年明けよりKURAの改修が始まりました。
屋根&外壁の全面的な改修・・屋根は本瓦葺き、壁は小舞土壁の漆喰・・・はっきりとした年代はよく分かりませんが、おそらく150年以上前・・「江戸時代末くらいの建物でしょうか」という工務店さんのお話。
本瓦葺きで、かなりの年数が経っています・・詳細に見ると、結構な重傷です。
瓦がだんだんと下がって来ている。棟近くの丸瓦ジョイント部分の隙間が激しい・・これでは雨がガンガン入ってきてしまいます。
屋根のエッジ部分・・漆喰がボロボロ。
軒先下の漆喰壁・・かなり大きな亀裂で、ゴソッと落ちてしまいそうです。壁面全体に亀裂が多く、放っておくと雨などが染み込んで、致命傷になってしまいます・・改修工事がなんとか始まり、ホッとしました。
室内の展示スペースの模様替えを含め・・3月末までの工事となる予定です。
現在、倉敷美観地区で開催されているイベント「くらしきアーキツーリズム 2023」を紹介するテレビ番組・・「くらしき近代建築めぐり」が来週放送されます。アナウンサーさんと共に、地元の建築士として美観地区内にある近代建築を探訪・・
薬師寺主計設計の近代建築である「大原美術館 本館(1930)」「有隣荘(1928)」「児島虎次郎記念館(1922)」「エル・グレコ(1926)」・・
浦辺鎮太郎設計の近代建築である「倉敷公民館(1969)」「倉敷アイビースクエア(1974)」を ・・探訪。
テレビせとうち 11月23日 17:00〜17:30。(または BSテレ東 11月23日 7:12〜7:41)
期間限定でYouTubeで公開中
「展示室として使用していた倉」を単独でお貸して、使って頂くことになり・・・玩具館のエントランス部分をプチリニューアル。
表の道から・・それぞれが直接に入る事が出来る様に「間仕切壁を設けるだけ」の小規模リニューアル。開館から55年が経った”昭和な”玩具館も・・味があり良いのですが。減少した入館者を増やしたいという目的もあり、明るく入りやすいエントランスに改修。
「新しく設けた間仕切壁」には・・・展示室内の様子や展示内容が分かる「写真や映像などの情報」を表示・・・広い敷地の全体像が分かる「フロアマップサイン」も表示。
店内で販売している「商品を紹介するコーナー」もトリムデザインで設えました。