KAT – その3

倉敷市粒江出身の建築家/浦辺鎮太郎の設計により1961年に完成した小規模な美術館。70m以上に渡って路地に面して立ち上がる、玉石を埋め込んだコンクリート製の独特なデザインの南面外壁は、古い倉敷の街並みを守るボーダーラインとしての”城壁”でありたいとの建築家の思いが詰まった意匠。守るために攻めたデザインは・・”他の何処とも違う近代建築”の在り方を示しています。

KURASiX + URABEで協同開催した展覧会にて、トリムデザインが担当作成した「建築年齢啓発ポスター」は・・・身近にありすぎて見過ごしている建築の・・その存在と魅力を改めて再認識してもらう為に・・建築が竣工してからの年数を“人の年齢”にたとえて主張・・そして短い文章で建物のチャームポイントを簡単解説。

KAT – その2

(ポスター内の解説文) 日本を代表する建築家/丹下健三の設計により1960年に完成した建築。奈良東大寺の正倉院をデザインモチーフとした”コンクリート校倉造り”の外壁デザインが秀逸。丹下が尊敬してやまなかった”巨匠ル・コルビュジエ”の影響を感じさせるデザインが各所で見られます。浦辺鎮太郎の設計により1983年に美術館としてリニューアルオープン。

KURASiX + URABEで協同開催した展覧会にて、トリムデザインが担当作成した「建築年齢啓発ポスター」は・・・身近にありすぎて見過ごしている建築の・・その存在と魅力を改めて再認識してもらう為に・・建築が竣工してからの年数を“人の年齢”にたとえて主張・・そして短い文章で建物のチャームポイントを簡単解説。

KAT – その1

(ポスター内の解説文) 岡山県の土木技師であった小林篤二の設計により1917(大正6)年に完成した建築。1932年までは市役所として使われていました。塔屋のようにも見える南東隅部分だけを銅板葺き屋根、外壁全体を下見板張りとした”擬洋風建築”。浦辺建築事務所により改修設計が行われた後、1971年からは観光案内所/休憩所として利用されています。

KURASiX + URABEで協同開催した展覧会にて、トリムデザインが担当作成した「建築年齢啓発ポスター」は・・・身近にありすぎて見過ごしている建築の・・その存在と魅力を改めて再認識してもらう為に・・建築が竣工してからの年数を“人の年齢”にたとえて主張・・そして短い文章で建物のチャームポイントを簡単解説。

KURASiX -展覧会終了

トリムデザインにて、実行委員長を務めさせて頂いていた・・展覧会「浦辺鎮太郎の市庁舎ものがたり展」が終了致しました・・・美観地区の中心にある観光案内所の2階が会場という事もあり・・建築関係者以外の多くの方々にもお越し頂きました。旅行者の方、市民の方・・さまざまな方々にとって、ほんの少しでも“建築リテラシー”を深めて頂けるような・・ささやかな機会となっていれば、幸いなのですが。

アルネ・ヤコブセン 「セブンチェア」

名作アントチェア」のデザインを発展させたかたちの・・ Seven chair (1955) 。アントチェアと比べて、大きく異なるのが・・そのゆったりとした背と座面・・独特な3次曲面のフォルムは・・眺める角度によって、様々な表情を見せます。

発売当初は・・チーク、ローズ、オークなどの突板張りと、白、黒の色彩など、数種のラインナップだけでしたが・・その後、何十種類ものバリエーションやカラーが発売されました・・トリムデザインに在るセブンチェアは、うっすらと木目が見える黒色塗装。

背と座が1枚板で出来ていて、スタッキング可能で、軽くて、持ち運びやすくて・・基本的な考え方はアントチェアと同じ。

セブンチェアのスチール脚は、クロームメッキ仕上げが大半ですが・・このシリーズは脚部も黒色塗装になっている・・めずらしいシリーズ。

成型合板+鋼管脚のみ」という、それまでの椅子とは比べようもない・・傑出した単純さ!!! ・・・このアントチェアのコンセプトを基に・・安定性という、さらなる機能を・・付け加えられ、大ベストストセラーとなった・・アルネ・ヤコブセンの名作。

柳宗理 「エレファントスツール」

トリムデザインにやって来た!!! ビンテージものの「エレファントスツール」。今年没後60年の展覧会で話題にもなっている”民藝運動の創始者で知られる柳宗悦”の御子息・・プロダクトデザイナーの柳宗理が1954年にデザインした小椅子。

座面から脚までワンパーツで構成されたFRP製の一体成型が何とも美しい曲面を描く・・ 67年前のデザインとは思えないモダニティ・・ミニマムデザインの極みながらも、どこかヒューマニズムな可愛らしさが感じられる意匠が素敵。(この椅子自体は1971年製。)

オリジナルのコトブキ社製は、ある時期から生産終了となりますが・・柳宗理のデザインに魅せられたトム・ディクソンが、2001年の頃に数年間、イギリスのHabita社からFRP製で復刻発売・・現在ではドイツのVitra社が(環境上の問題もあり)ポリプロピレン製で発売中。さらに、最近では(デザインの版権期間が過ぎた事もあり)「レプリカ ( ポリプロピレン製のリプロダクトとも呼ばれるジェネリック品 ) 」が、数多くのメーカーから発売されている惨状・・

“素材変更”により「構造的強度」も変わり・・それに伴って、素材の厚みや、脚の広がり方などなど様々なバランスも微妙に変わり・・ 現行のポリプロピレン製が「似て非なるもの」だと言うのは・・言い過ぎでしょうか?

ポリプロピレン製では出せない!! この質量を伴った存在感」は・・FRP製ならでは。3本脚の良いところは、4本脚に比べて、面積的に非常にコンパクトであること!!。3本脚は不安定という話もありますが、この椅子に関しては・・それは全く無く、座面に緩やかな凹みもあり、非常に座りやすい椅子です。

FRPとは「繊維強化プラスチック」の略・・ガラス繊維と樹脂を混ぜて成形・・軽量だけれども、強度のある、自由な曲面デザインが出来る・・のが特徴。

幅475mm ✕ 奥行435mm ✕ 高325mm、FRPの肉厚が約3mm・・現行のVitra社製は幅515mm ✕ 奥行465mm ✕ 高370mmと・・全てのサイズに関して、コトブキ社製よりも・・かなり”大き目”なのです。

黒地に黒文字のシールで、見えにくいのですが・・・裏面にはオリジナルの製造メーカーである「コトブキ社のシール」が残っていました!!

「やはりオリジナルは美しい!!」と感じるのは・・気のせい!! ですか??。この素材ありきで、考え抜かれた・・このアーチ、このフォルムの美しさ!!

アングルを変えて、下から見上げると・・もはや彫刻作品の様にも見え、建築作品の様にも見え・・・日本のプロダクトデザイン史上に残る傑作椅子。 (オリジナルのカラーラインナップには赤、青、黄、橙、白、黒、グレーなどがあるようです)

KURASiX -初めての活動

当事務所も参加している・・”倉敷の6設計事務所による建築文化活動”のための集合体「KURASiXの初活動」のお知らせ・・

倉敷に多くの素晴らしい建築を残された、倉敷出身の建築家・・浦辺鎮太郎を紹介する”プチ展覧会”を、浦辺設計の主導のもと・・地元の有志として、僅かながらですが手伝わせて頂きました。

展示のメインとなるのは・・「壁庇」と呼んでいる、浦辺鎮太郎ならではの個性的なデザインエレメントの紹介コーナー。「倉敷国際ホテル」「日本工芸館」「大原美術館分館」などの建築に見られる特徴的なデザイン手法・・壁庇 !!!!!!

手前は高知にある「浜幸ビル」の模型・・・各地の建築学生さんの協力により制作された「木製模型」は・・・”力作”です!!!

子供の頃よく行った・・”南海ホークスのナンバ球場”の西側にかつて在った「日本工芸館」の・・模型!!! 浮いてます!!! 1階の床が浮いてる!!! 屋根も全周スリットで浮いています!!!

こちらのコーナーでは「プレハブ住宅・PH-1」や「立体音楽堂」など、ややマニアックなプロジェクトを紹介・・「倉敷レイヨン研究所」の空撮映像の展示も見どころがあります・・・12月1日まで、AM9〜PM5、入場無料。(最終日のみは13時までの展示)

会場となっている「あちてらすぽっと」は・・2021年10月にOPENしたばかりの「あちてらす倉敷」2階にある倉敷市のスペース・・地域の誰もがコミュニティ活動や文化交流など様々な目的で利用ができる交流拠点施設です。

※ ちなみにですが・・・「あちてらす倉敷」1階、広島銀行の隣にある漢方薬局は当事務所の設計です。

「建築探訪176」-Gunma 5

群馬県高崎市、隈研吾さん設計の「森の光教会(2016)」を探訪・・板張りの多角錐が地面から隆起してきた様な建築。多角錐の部分がチャペルで、その左手に付属の披露宴会場&レストラン・・インパクトがある建物の外観と、建物周辺に植えられた植栽が・・殺伐とした敷地周辺の雰囲気を刷新していました。

巾120mm@200、厚18mm程度の杉材ルーバーで覆われた外観・・ルーバーの下にはもちろん本当の外装材である金属材やALCがあります。植栽に埋もれてしまいそうな可愛らしいサイン・・
外観を覆う・・不燃剤を含浸させた杉板を近くから見る。屋根が地面に着きそうな高さまで葺き下ろされています。こちらの隈建築でもそう感じましたが・・街なかに挿入された多角形ボリューム建築というのは、なかなかの存在感・・
披露宴会場とチャペルの間にある、屋根と壁が複雑な角度で入り込んだ・・チャペルエントランスへと到る、屋外用スペースを見る。
チャペルの内部・・壁と壁、壁と天井の隙間から光が差し込む・・100人収容のチャペル。正面壁の奥側へのわずかな傾きと、祭壇へと至る花道の微妙な傾斜が・・空間に拡がりを与えている様に思えます。
天井も壁も杉材張り。右手の下地窓のようなスリット窓の向こうには水盤が見えます。それぞれの傾きを持った多角形各面の・・接する部分に取られた”透かし”が、この空間のポイントの様に思えました。

併設のフレンチレストラン「Restaurant CHEZ TAKA takasaki」・・折り紙を貼り付けたような天井デザインが特徴的なスペースも、隈研吾さんのデザイン・・群馬建築行脚の疲れを癒やすため・・しばしの休息として”ランチ”を頂きました。

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” DIY “な矢印サイン

知人に作って頂いた・・“アクリルのパネル&パーツ”。全く違う機会に別の知人に頂いた“アルミポール”。この2つで・・・DIY的に「スタンドサイン」を作成。(DIYのサインにしては、素材のグレードがハイレベル・・)

こんな感じで完成!!!。ポールとは着脱式になってます。固定はしていません・・それはどうしてなのか?・・このポールをよくよく見て、それに気付く人がいれば・・素晴らしい!!!!・・そんなあなたは、“かなりの建築通”に間違いありません!!!。

この様に「A4」を貼ってもgoodです。素材を提供して頂くかたちになった・・”大阪のYさん”と”倉敷のTさん”・・有難うございます。感謝感謝。

レンタルスペース「玩具館のくら」については、こちら

「#前川國男」その後 4

昨年の11月に行った・・岡山県天神山文化プラザとの共催展での繋がりで、建築家・前川國男を紹介するパンフレットをデザインさせて頂きました・・

表面(イエロー)の8ページは、前川國男さんという建築家の魅力を・・建築関係者でなくても、簡単に分かりやすく知ってもらう為のツールとして・・ややアイコンちっくにデザイン。天神山文化プラザさんとお話を重ね・・気軽に、誰もが手に取ってくれる様な・・”カワイイ”感じにデザインしたつもりですが、いかがでしょうか?

表面の8ページはイエローでまとめて、裏面はブルー・・裏面は大きく広げると1枚の図面(実際の青図と言われる設計当時のもの)になっています。