「建築探訪 140」-Finland 25

建築関係者だけでなく・・フィンランドを旅行された多くの方が訪れる観光地としても知られる「テンペリアウキオ教会」。ティモ&トゥオモ・スオマライネン(Timo ja Tuomo Suomalainen)の設計で1969年に完成。アプローチ側から外観を見ると、この建築の一番の特徴である・・「岩盤と建物が一体化」している状態が良く分かる・・

内部の壁も自然のままの岩盤が露出・・氷河期から残るという、岩盤を削った半地下部に教会のメインフロアが計画されています
コンクリートシェルの天井を支える梁間から落ちる光が、とても効果的です。シンプルな構成による建築。天井のとても細かな銅板張りがキラキラしているのが、この写真で分かりますか・・
2階席を見る。団体で訪れる観光客が入れ替わり立ち代わり・・分かりやすい建築なんでしょうね、誰にでも人気のある近代建築
この建物を訪れた際のお勧めは・・実は、(観光客はほとんどが上がらない)建物の上に上がってみる事。建物を囲っている「極厚の外壁」と言ってもいい・・巨大な岩盤の上を散歩。正面にドーム天井が見えます。建物上は周辺市民のための・・小公園といった雰囲気

岩盤の上から、ヘルシンキ市内を眺める。周辺が閑静な住宅街である事が分かる・・季節も良く、市民の方が静かに日光浴されています(階下の観光客の喧騒が嘘の様です)・・そのまま岩盤を乗り越えるカタチで、教会を後にしました。

「建築探訪 130」-Osaka/茨木

安藤忠雄さん設計の「光の教会」(1989)・・竣工からもう四半世紀!!!  学生の頃、大阪在住だったからなのか・・建築専門のメディアだけでなく一般向けの雑誌TVでも・・度々眼にする事が多かったANDOさん・・「建築家といえば=安藤忠雄」。関西ローカルの放送だったのか?・・この教会の建築工事に追ったTV番組もありましたよね。

(下写真)18×6×8mの箱に、壁1枚だけ挿入という・・シンプルな構成

90年代に入ると公共建築などの大規模な作品にANDO建築はシフトしていくが・・建築史上、不朽の名建築と言っても過言ではない東邸(’76)同様・・とても小さく/とても質素だけれども・・厳選/熟考/純化された・・素材、ディテール、空間構成、光、記憶・・見えないものをカタチへと変える、建築家/安藤忠雄の力が遺憾なく発揮されたであろう・・珠玉の小建築。  
(上写真 左上) 開口部そのものが十字架という・・アイデアがこの建築の要。

(下写真)十字架の開口部詳細。もちろんガラスが嵌まっていますが・・ANDOさん的には、ガラスは入れたくなかったそうです・・

「あそこガラス入れたら、なんか・・ん~難しいな。ないほうがええな」
「別になくってもええの違うかなぁ。ちょっと寒いだけやろ。」
「そらちょっと寒いわなぁ。だけどきれいや、なんか」
「ガラスないほうが。パーっとするで」

上記の言葉は、平松剛著「光の教会-安藤忠雄の現場」より・・さすがに「世界のANDO」な発言!! 大胆な提案!!・・光の教会(’89)、こどもの館(’89)、ライカ(’89)、タイムズ(’91)、水御堂(’91)、姫路文学館(’91)、大手前(’92)、六甲2(’93)・・80年代後半~90年代前半、竣工したばかりの(力作揃いの)ANDO作品を数々探訪していた学生時代が・・懐かしい限りです。