ブルレック兄弟「パリセイドチェア」

今回の計画でチョイスした屋外用家具・・・(パリを拠点に活躍するフランス人兄弟デザイナー)ロナン&エルワン・ブルレック「パリセイドチェア」。その名の通り「柵」をモチーフとしたであろうデザインは・・シンプルながらも飽きのこない、どんなシチュエーションにも不思議と馴染む・・まさしく”柵”という名に相応しい、堅牢ながらもニュートラルな存在感のデザイン・・goodです。

家具、照明器具、テキスタイルなどなど、様々なジャンルのプロダクトデザインを・・ヴィトラ、カッシーナ、フロスなどの一流メーカーと共に手掛け・・数多くの秀逸な作品を生み出し続けるブルレック兄弟の作品の多くは・・世界中のデザインミュージアムでパーマネントコレクションになっています。

アリス・マンロー

ふだんは読まない「全く知らない作家の小説を”お正月に読んでみる”」・・・今年は2013年のノーベル文学賞受賞者アリス・マンロー・・

アリス・マンローは、カナダの小さな田舎町に生まれ、自身の故郷に近い場所で創作活動に勤しんだ・・「短編の女王」と称される小説家。大学中退後、図書館勤務、夫と共に書店経営などの経験を経たのち、1968年(37才の時)に発表した初の短編集がカナダでもっとも権威のある文学賞を受賞・・カナダの片田舎を舞台とした、ごく普通の人々の人生の機微を、精緻な短編で書き続け・・2000年代になってからは国外においても多くの文学賞を受賞・・

2010年、アリス・マンロー79才の作品・・「小説のように」は原題が「Too Much Happiness」・・10編からなる短編集。

どこにでも居る様な平凡な登場人物たちの、どこにでも在る様なそれぞれの人生・・そこに見つけた、ほんの僅かな歪みや不在を、見事に丁寧に描き出しています。すべてがわずか30〜40ページ程度の短編・・平凡な日常の中に一瞬顔を覗かせた人生の陰影と深み・・それを見逃すことなく短編に凝縮描写。”チェーホフの後継者”と称される小説家アリス・マンローは存命ではありますが・・2013年82才の時に、筆を置かれました。

オルガ・トカルチュク

ふだん読まない、全く知らない・・作家の小説を「お正月に読む」ということを始めて3年目・・今年は2018年のノーベル文学賞受賞者オルガ・トカルチュクの「逃亡派」

オルガ・トカルチュクの「逃亡派」

BIEGUNI(逃亡派) 」・・1962年生まれ、現代ポーランドを代表する作家の作品で、2018年のブッカー賞を受賞した作品でもあります・・旅と移動をめぐる116の断章が並行的に進んで行くという、何ともストレンジな小説。移動のカタチや目的はさまざま・・“旅と移動”とは“探求と発見”の物語・・

異郷への旅、不安定な非日常、自己発見・・神話の時代から人は常に旅をしている。旅が日常化した現代でも、人は何かを探して旅に出る。不連続、多様混沌、偶発的、拡散的、非線条的な・・不明瞭で割り切れない中欧的世界を・・中欧的な文体/構成/感受性で描かれた紀行文学

「偶然こそが事件の推進力です。中欧の作家の語りに関する断片性への嗜好は、他のどの場所の作家よりも強いと思います。」
by Olga Tokarczuk

パトリック・モディアノ

“お正月休みに読んだ”・・2冊。

“現代フランスの最も偉大な作家”とよばれるパトリック・モディアノ・・2014年のノーベル文学賞受賞者。モディアノ作品の感想を一言で書くと「平易さの中の不在と喪失」・・読み進めても、物語には捉えどころがなく、全体はぼんやりと霞んだまま・・時間と記憶不在と喪失を巡る・・物語。

パトリック・モディアノの二冊

Dans le café de la jeunesse perdue (失われた時のカフェで) 」・・パリ左岸のカフェに現れる謎の女性”ルキ”について・・彼女に魅了された複数の語り手によって、”繰り返し”語られる”不在の記憶”・・各章ごとに、それぞれ異なる語り手で語られる物語を通して感じられる・・悲しみと喪失

Livret de famille (家族手帳) 」・・“生きるとは、ひたすらに記憶を完成しようとすること”アイデンティの欠落不確かな記憶の積み重ね・・モディアノ作品において大きな位置を占める自らの出自・・占領下の時代を生き抜いたユダヤ人である両親の記憶・・自伝的要素が強い物語。

カズオ・イシグロ

カズオイシグロ

「A Pale View of Hills (遠い山なみの光) 」・・遠い夏、戦後まもない長崎で出会った”あの母娘”がそうであった様に・・僅かな光を薄闇のなか探し求める様に生きてきた主人公が、半生を思い返すかたちで”日本の記憶”を語る・・カズオイシグロのデビュー長篇。作品全体を覆うイシグロ作品の空気感と小津安二郎の映像を思い起こさせる日本的雰囲気が・・印象的な作品でした。

「Never Let Me Go (わたしを離さないで) 」・・幼い頃から一緒に育った親友たちとの日々に思いを馳せながら・・夢見ていた僅かな希望が絶たれ、残酷で不条理な現実を”提供者”として、ただ受け入れるしかなく・・全てのものを奪われながらも、限られた人生を”記憶を支えに”・・生きる主人公達の姿が忘れられない、精緻な描写で描かれるノスタルジックなSF作品、カズオイシグロの代表作。

「Never・・」を読んでいる途中からずっと・・雨のなか白い鳩を抱いて逝ってしまった、あのレプリカントの美しい姿を思い出さずにはいられませんでした・・フィクションだからこそ伝わる真実/心情・・小説力について再認識。

Micro Bike

90年代初め、スウェーデン生まれの自転車・・Micro Bike

Micro Bike

2005年の引っ越し以来、13年倉庫にしまったままでした・・自宅も事務所も大阪市内だった頃は、大活躍だった自転車。その理由は・・「たたむのも、開くのも、わずか3秒!!! 」という、そのトランスフォームの速さ・簡易性

Micro Bike
水平に伸びる「上下アルミ角パイプ」がポイント・・
Micro Bike
上下のアルミ角パイプが「くの字」に折れる訳ですが・・
Micro Bike
折れ方がポイント。「前後の軸がずれる様な形」で折りたたまれます・・
Micro Bike

「前後の軸をずらして」アルミ角パイプが「斜めになった状態で折りたたまれる」・・という機構が、3秒という速さコンパクトさを生み出しています。

動画サイトで珍しいもの(発売当時のCM)を発見!!! 購入してから20年以上経ってはいるが・・丈夫な造りの自転車で、状態は良いし、デザインもgoodなので・・・暇が出来たら、少し整備して、また乗ってみようと計画中。

前川國男の本

国立西洋美術館」の世界遺産入りで・・何かと話題の近代建築。世界の近代建築の巨匠は確かにル・コルビュジエですが、日本の近代建築の巨匠といえば、この人以外にいない “前川國男”・・今週のt/rim designは、8月3日より始まる、今年で3回目となる「建築家のしごと展」に向けて、いろいろと準備中・・

眼が思惟する

ブルーノタウト桂離宮

お気に入りの本、ブルーノ・タウトの桂離宮・・”永遠なるもの” や “日本建築の世界的奇蹟” など8つの小論。桂離宮や伊勢神宮、孤篷庵や日光などの探訪日記。そして”桂離宮の回想” と題された書帖・・タウトの建築探訪 – 絵日記!!!

「DA DENKT DASAUGE」 (ここでは眼が思惟する) との言葉と共に27枚の書帖は始まり・・探訪ルートの順のまま、筆による言葉と絵で、探訪が回想される。タウトの感動を、タウトの言葉&筆画という低解像度の情報で・・再トレースするという。アナログな感じがとても楽しい本。

「建築-新しい仕事のかたち」

松村秀一先生の「建築-新しい仕事のかたち」を読む・・
1970年頃から40年近くにわたり、年間100万戸を切る事のなかった日本の新築住宅の着工件数は・・ここ数年100万件を超える事はなくなり・・今後も100万件を超える事はないそうだ。その様にして建てられてきた新築住宅の数は、とても膨大で(実に6000万戸)・・いまやその数は日本人1人あたり0.48件。つかわれなくなった住宅・・空家の戸数は800万戸。日本の総住宅数の1/7以上が空家となっている状態・・膨大な数の「箱」を戦後つくり続けてきた結果、日本にはいま多くの余剰空間が溢れているという事だ。

松村先生のこの本では・・日本でいま余りに余っている「箱」を、迷惑な物とは考えず、むしろそれは資産なんだと・・“空間資源”という資産として、この膨大なストックをいかに活用するべきかという・・お話が数々の具体例とともに紹介されています。箱を場として再生する仕事・・その可能性は充分に期待を持てるという事のようだ。
「箱物」という”ハードなモノづくり”においては、理想的な “現実との接触” を持ち得なかった日本の建築業界が・・「場」という”ソフトなモノづくり”においては、理想的な“つくる回路”を取り戻せる事に・・期待をしたい。

ノベルティ

今日・・現調(これから計画する建物や計画地の現場調査)に伺わせて頂いた際・・作業中、Oさん宅の物置倉庫の中で発見したもの・・一目見た瞬間「オモシロイ!!」・・これが何の焼き物か分かりますか?
答えはこちら
再現された屋上の造形は・・師匠であるル・コルビュジエを思わせる?・・
裏面には「昭和三十二年三月十九日、新県庁舎落成記念」・・これは関係者向けのノベルティなんだろうか? (岡山県だけに備前焼!!)  
Oさんから「いいですよ、持って帰って下さい。」と・・ありがとうございます、Oさん!!  嬉しいです!!

こちらは「アアルト自邸」に置かれていた焼き物・・銀行のお客様向けのノベルティ(貯金箱)です。そのモデルとなっている建物は、分かりますか?・・かなり大胆な(オモシロイくらいの・・)デフォルメがされていますが・・答えはこちらで間違いないとは思いますが・・