外壁漆喰を塗り替えたり、屋根瓦を吹き替えたり、お庭も少し整えたり、少しづつ進めていた「日本郷土玩具館の倉改修工事」が無事終了し・・・4月1日より「リニューアルオープン」しました。
什器の並べ替え、展示品の整理・・既存要素のみの取捨選択リフォーム。
2階の展示室へと誘導する「切文字サイン」を新設・・
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外壁漆喰を塗り替えたり、屋根瓦を吹き替えたり、お庭も少し整えたり、少しづつ進めていた「日本郷土玩具館の倉改修工事」が無事終了し・・・4月1日より「リニューアルオープン」しました。
什器の並べ替え、展示品の整理・・既存要素のみの取捨選択リフォーム。
2階の展示室へと誘導する「切文字サイン」を新設・・
倉の改修は、外壁の左官工事に入りました。下地の調整や中塗りの工程を経て、仕上げの漆喰塗りとなりますが・・フラットな壁面以外の部分・・壁の出隅や、壁と軒の取り合いなど・・様々なちょっとした部分が意外とデザインとして見所・・
「奉行窓」と呼ばれる、倉の窓まわりの部分を仕上げています・・これは2階の窓。
これは1階の窓・・長方形の窓に、漆喰で塗り込められた角木が3本・・室内側に引き戸。ちょっとしたテーパーの取り方や、アールの使い方がデザインとして効いてきます。
出入口上の大きな玄関庇の部分・・垂木や螻羽だけでなく、押えの瓦上まで漆喰で・・モノコックに塗り込められていくのが・・左官工事ならではの仕上がりで・・大変面白い。
本瓦葺きの改修。防水シートの上に下地桟を組んで、一度下ろした瓦を・・もう一度敷き詰めていきます。古い瓦に釘穴を開けて・・平瓦は釘で、丸瓦は針金で・・留め付けていきます。
家紋の”五三桐”がデザインされた鬼瓦を設置・・螻羽(けらば)を漆喰で仕上げていきます・・
伝統的な建物の形式として倉敷では・・この様な納まりは通常どこでも見かけるのですが・・屋根材の袖瓦より、螻羽の漆喰が勝つ・・この状態が耐久的にベストなのかどうか・・いつも少し不思議。
江戸時代の頃に作られたと思われる古い蔵・・屋根と外壁を全面的に改修する工事。屋根の下地板はかなり傷んでいたので、全てを・・厚さ40mm程度の新しい杉板に張替え。
張替えた下地板の上に防水シートを敷き込み・・瓦を受ける「横桟」を設置。
“本瓦葺き”なので・・丸瓦を受ける「縦桟」も設置。
もともとの瓦は100〜150年くらい前の物で、傷んでいる物も多かったので・・西面は新しい瓦、東面は再利用の古い瓦・・という感じで葺替えます。
こちらは古い瓦を再利用して葺き替える東面・・瓦に釘穴を開けて、しっかりと固定。ひげの様にたくさん伸びている銅線は丸瓦を固定するためのもの。
1月より始まったKURAの改修・・屋根と外壁の全面的な改修。まずは瓦の撤去・・職人さんより聞いたところ「瓦そのものは100〜150年ほどくらい前の物ではないかと」・・
下ろした瓦は、とりあえずお庭に置かせて頂いて、使える瓦は・・綺麗にして再利用。半分は新しい瓦、半分は再利用の瓦・・という感じで葺替え予定。
下ろした瓦の小口を見ると「丸に六」・・岡山の瓦屋根に詳しい乗岡実さんが書かれた資料「岡山県南部に分布する江戸時代中期の瓦」によると・・丸に六は倉敷市酒津で瓦を作っていた「梶谷六郎右衛門の印」・・酒津で瓦が焼かれていた期間は寛延2年(1749)〜嘉永5年(1852)との事。
結局、下地板は傷みが激しく・・すべて「新しい板」に張り替えとなりました。
1月の閑散期に合わせて?・・年明けよりKURAの改修が始まりました。
屋根&外壁の全面的な改修・・屋根は本瓦葺き、壁は小舞土壁の漆喰・・・はっきりとした年代はよく分かりませんが、おそらく150年以上前・・「江戸時代末くらいの建物でしょうか」という工務店さんのお話。
本瓦葺きで、かなりの年数が経っています・・詳細に見ると、結構な重傷です。
瓦がだんだんと下がって来ている。棟近くの丸瓦ジョイント部分の隙間が激しい・・これでは雨がガンガン入ってきてしまいます。
屋根のエッジ部分・・漆喰がボロボロ。
軒先下の漆喰壁・・かなり大きな亀裂で、ゴソッと落ちてしまいそうです。壁面全体に亀裂が多く、放っておくと雨などが染み込んで、致命傷になってしまいます・・改修工事がなんとか始まり、ホッとしました。
室内の展示スペースの模様替えを含め・・3月末までの工事となる予定です。
昨年の始めより・・計画を進めていたクリニックがオープン。築10年ほど経過した高齢者福祉施設から、内科小児科クリニックへの・・・リノベーション。
エントランスを見る・・隣接する既存クリニックからの移転。クリニックの休業は無しで・・GW中に引越しを済ませました。
風除室から待合を見る。右手に受付カウンター、その向こうに診察室と検査室が並ぶ・・廊下の先にはレントゲン室や処置室を配置。
待合室の奥から・・受付カウンターや風除室を見る。S造で延床70坪程の内科小児科医院・・風除室の向こうには”発熱用の外来スペース”も設置。
今回のクリニック用にデザインしたメープル無垢材の待合椅子を見る。待合室のキャパシティは20〜25人程。
処置室より廊下を見る。薄いグレーと白いタイルを基調とした内装に・・アクセントでウォールナットやメープルなどの木材を使用。外観含め内観ともに・・落ち着いた印象としながらも、同時に・・温かみや柔らかさも感じられるクリニックとなる事を考えて・・・計画を進めました。
いよいよ、クリニックの工事はラストスパート・・・GW開けには新しいスペースで診療開始。造付け家具である壁面収納棚などを・・どんどん据え付け中。
待合側のカウンターより・・30cmほど低いところに受付側の事務カウンター。造付け家具はウォールナット調の木目で統一しています。
将来的に近い時期・・全てが電子カルテ化する事も想定していますが、とりあえずは「カルテ棚」も設置。家具工事はFREE STYLEさんに依頼。
サインも・・自分たちでデザインしてみて、貼ってみて、検討・・・サイン工事の業者さんに渡すデータまでを・・自分たちで作成。
今回の計画で使っている、様々な建材のサンプル。日がな・・何かの折に、眼をやる・・この組み合わせでBESTかどうか・・出来上がるまで、色々と考え続けています。自然光がいい感じで差し込む・・事務所の壁面。
建物の部分模型・・サイズは1/1。模型というのは普通・・1/100、1/50、1/30、1/10という様に、大きな建物を縮小したサイズでつくるものなのですが。工事が進み、場合によっては原寸1/1で納まりとスケール感を確認。建物正面のアクセントとなっている・・高さ45cmほどのルーバーを試作。
ルーバー後ろから間接照明でライトアップ・・レンガタイル張りの壁上、長さ10m程度・・ぼんやりと照らされたルーバーが・・建物のアクセントとなるはず。模型の下の絵は・・完成予想図。
こちらは・・今回の計画用、オリジナルの待合椅子を試作中。座面の高さや広さ、背もたれの角度や厚み、材の太さと長さのバランス・・パーソナルチェアと違って、様々な人が座る椅子・・ちょうど良いバランスを探して、いろんな点で試行中。
本体はメープル無垢材・・メープルは爽やかな色合いで、肌触りがきめ細やか。重く固く、頑強な材として知られています・・明るく清潔感のある木材に合わせて「張り地」を検討中。
LGSとは・・Light Gauge Steelの略。現場では「軽鉄」と呼ばれる材料で・・・規格物の軽い鉄材を用い、壁や天井の下地を組み上げていきます・・LGSは非常に軽く、施工性と経済性に優れていますが、木材のように部分部分で様々な細かな細工を施すような事が難しい面もあります・・
待合室とエントランスの間は制作物のスチール製「自動ドア + FIX窓 + 自動ドア」。合板の上に床置きされているのは壁から持ち出す棚板用の補強プレート・・LGS壁だけでは「棚」を支えられないので、LGS壁下地では・・このような補強が各所で必要となってきます。
天井は音の反射を避けるため・・「プラスターボード下地貼りの上、岩綿吸音板」にしています。通常、岩綿吸音板だと天井の色は・・「白色のみ」となってしまいますが、今回は壁色に合わせて「薄いグレーに塗装済み」のタイプを用意。それに合わせて「廻縁」も同色にしたいので・・「フクビ」は避けて「木製」で制作。フクビだと色が「白色のみ」となってしまいますが・・木製だと形も色も自由に出来るので。