展覧会 2013

秋なので、展覧会を幾つか・・見てきました・・
「SOU FUJIMOTO – RECENT WORKS」 GAギャラリー
「スミルハン・ラディック+マルセラ・コレア展」 メゾン・エルメス
「柳宗理の見てきたもの」 日本民芸館
「アメリカン・ポップ・アート展」 国立新美術館
一番のお目当ては、「吉岡徳仁 – クリスタライズ」東京都現代美術館 

吉岡徳仁 - クリスタライズ

国内外で高く評価される日本を代表するクリエイター・・プロダクトデザイナー 吉岡徳仁 の個展。自然の生成物の様に結晶化しながらクリスタライズ(形に結実)していく絵画/彫刻/椅子、クリスタルプリズムから差し込んでくる光だけに満たされた空間、・・・大きな展示室の部屋全体を雲の様に覆ったストローによるインスタレーション・・

吉岡徳仁 - Water Block
オルセー美術館が2011年にリニューアルした際、印象派ギャラリーに常設となった同じシリーズのベンチ「Water Block」・・ “水の塊り” の様なベンチ・・ 波紋を揺らめかす透明度の高いガラスブロック・・床に落ちる光と影が綺麗です。 (場内は決められた展示室で携帯電話なら撮影OK・・しかし最近の携帯電話は本当に綺麗に写真が撮れるので、驚くばかり。)
吉岡徳仁が若い時に訪れたマティスの「ロザリオ礼拝堂」での経験がもととなっている・・500個ものクリスタルプリズムによるステンドグラスから虹色の光が差し込む・・「虹の教会」

デザイナーでありながら、デザインするという事を否定している様な・・ 造形に凝らない、技法に頼らない・・人間という小さな個性を越えて・・ 自然が生み出す人智を超えた造形の力強さ、現象の美しさに感化された・・・吉岡徳仁が描く”デザインの未来” ・・ 吉岡デザインでよく知られた作品といえば・・

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吉岡徳仁 「TO」

吉岡徳仁TO

昨年末にサンタ🎅が置いていってくれた・・吉岡徳仁 のデザインウオッチ「TO」(2005) 。デザインコンセプトは “金属の塊”・・ フラットな表面には余計な飾りが一切なく、時刻を示す数字さえもなく、ステンレスの表面に彫られた12本の溝があるだけというデザイン・・時針と分針も同じ感じの溝で良かったのではと思ったりするのですが・・あまりにもそれでは視認性が悪すぎるのかな?  素材感を生かした吉岡徳仁らしいシンプルなデザインがgoodです。

「みえないかたち」 吉岡徳仁

みえないかたち

「みえないかたち」(2009)  吉岡徳仁著  を読みました。
日本を代表するプロダクトデザイナーが吉岡徳仁 ・・初めて自らのデザインについて語った著書。 Yoshioka Tokujin の5原則・・「かたち はなくていい」「感覚を呼び覚ます」「その素材にしかできないこと」「不可能を可能にしている (何かちょっとしたことでいい)」「未来のふつう」 ・・ なるほど。

展覧会 2008

東京で展覧会&建築を幾つか 廻って来ました・・
一番のお目当てはミッドタウン(六本木)の21_21 DESIGN SIGHTでの
1.「Second Nature」・・・日本を代表する若手プロダクトデザイナー吉岡徳仁のディレクションによる”デザインの未来”をテーマにした展覧会・・”マテリアルボーイ”とも海外から称された吉岡徳仁の新技術/新素材といったテクノロジーへの興味と、単なる表面的な模倣ではない”自然の原理”といったものへの興味が導く”未来のデザイン”とは・・・メインの大きな展示室の天井全体を”雲の様に覆うインスタレーション”が圧巻でした。
2.「安藤忠雄建築展」 ギャラリー間(乃木坂)・・・安藤忠雄が30年程前に設計し、出世作となった大阪に建っている小住宅「東邸」の原寸(!!)模型・・良く出来ていてビックリ・・ちょうど見に行った時には安藤さんも来られていました
3.「GA JAPAN 2008」 GAギャラリー(千駄ヶ谷)
4.「建築の新潮流 2008-2010」 ヒルサイドフォーラム(代官山)
5.「High-Tech&Tradition展」 東京デザインセンター(五反田)

六本木~千駄ヶ谷~渋谷~代官山~五反田・・・一日掛けて展覧会を見て歩いて廻りandその間に幾つかの建築見学も・・次の日は脚がパンパンでしたが・・いろいろ見る事が出来て、良い刺激になりました。

「Tokujin Yoshioka Design」

吉岡徳仁作品集

今お気に入りの本・・「吉岡徳仁 作品集」。ファイドン社の日本語版・・写真の質と文章はイマイチだが、装丁が素敵。吉岡の代表作である「Honey-pop」(2001) の菱形がモチーフ。一見すると真白い表紙に見えますが・・ 菱形模様を浅く型押し、菱形内部を艶ありクリアコーティングしている凝ったデザイン。
世界的にも注目のプロダクトデザイナー吉岡徳仁の10数年に及ぶプロジェクトを網羅した内容はウレシイ・・ 一般的にも良く知られている携帯電話の「Media Skin」(2005)をはじめ・・・照明器具「ToFU」(2000)、 腕時計「TO」(2005)、 透明椅子「Kiss Me Goodbye」(2004)・・等々 。倉俣史朗と三宅一生・・ 傑出した世界的デザイナー2人に学んだ吉岡徳仁 。

「形をアレンジしても新鮮に見えない・・ 」
と彼が言う様に・・形をデザインする仕事であるはずのデザイナーが「”形ではない”デザイン」をコンセプトとして掲げている。素材そのもの、現象そのもの、コンセプトそのものをデザインとして視覚化しようとする彼のデザイン手法は “日本料理のような” とも形容される。・・海外メディアでは”マテリアルボーイ”と紹介されることも・・

「最初の椅子で歴史に残るようなものを・・」 と言う彼が2001年に初めて作った、お菓子を包むパラフィン紙で出来た椅子・・「Honey-pop」 (上写真)は、見事に世界中の美術館でコレクション入りとなりました。
「コンセプトと素材が決まれば・・形は単純なもので良い」  
 by 吉岡徳仁