前川國男の設計による「熊本県立劇場」(1982) を探訪。
(上写真) 表玄関となる西側の外観を見る。西側の表玄関から東側の裏玄関まで、建物を東西に貫通する長いモールが平面構成の主軸となっています。モールの北側にコンサートホール、モールの南側に演劇ホールが配されています。
はつり仕上げの正面コンクート壁が効いてます。ヘリンボーン調型枠で施工された階段腰コンクリート壁もgoodです。開放的な両ホワイエの様子は、この建物の約30年前に建てられたこちらの作品 から変わらずに共通するところです。
県名
前川國男の設計による「熊本県立劇場」(1982) を探訪。
(上写真) 表玄関となる西側の外観を見る。西側の表玄関から東側の裏玄関まで、建物を東西に貫通する長いモールが平面構成の主軸となっています。モールの北側にコンサートホール、モールの南側に演劇ホールが配されています。
はつり仕上げの正面コンクート壁が効いてます。ヘリンボーン調型枠で施工された階段腰コンクリート壁もgoodです。開放的な両ホワイエの様子は、この建物の約30年前に建てられたこちらの作品 から変わらずに共通するところです。
「熊本県立美術館 分館」(1992) を探訪。
スペイン人の建築家、J=A.M.ラペーニャ&エリアス・トーレスによる設計。もともとは渡り廊下で繋がれた図書館とその別館・・そのふたつの建物の鉄筋コンクリート躯体を残し、鉄骨造で増築付加したという・・ 設計も施工も大変そうな計画。
(上写真) 前面道路、南西側から見る。道路を挟んだ西側には熊本城。
形態にしても配置にしても、街並みとは少し距離を取り・・ ポツンと建っている様な感じだが・・歴史ある熊本城の迫力ある美しい石垣を前にしても・・ バロセロナの建築家による現代建築なのに・・ 不思議と馴染んでいる感じ。周辺の日本人の手による建築よりぜんぜん馴染んでる・・ 建築が優れたものであれば、国境も時代も関係なく、呼応できるものなんだなぁという事を改めて思いました。
(上写真) 前面道路、北西側から見る。道路側に大きく張り出した庇部は4階喫茶室
主な外装の仕上げは石と銅板・・ともに経年して、風化していく材料を選択する事で、対面する熊本城との建築的関係に配慮をした結果となっている様な気がします。
(上写真左) 外壁は熊本県産の合津石。ちょっとざらっとした感じは砂岩かな
内装は徹底してナラ練付板で仕上げられています。改築前の図書館はどこでも見かける様な公民館風の役所建築スタイルだったそうです・・ もともとの姿が想像できないまでに内外共に一新・・ 新築よりもはるかに手が掛かったであろうと思われる・・ 図書館から美術館への見事なリノベーションでした。
(上写真左) 4層吹抜けの巨大な縦空間、エントランスホールを2階より見る
(上写真右) 熊本城を望む大きなパノラマ窓がある4階喫茶室で昼食
菊竹清訓さん設計の「熊本県伝統工芸館」(1983) を探訪。
1階が工房と販売スペース、2階が展示室・・ 四角い建物の中央あたりに、換気/採光/動線の核として両階をつなぐ吹抜けが設けられた建物。大木もある緑に恵まれた敷地と建物の関係や、2階出窓のヴォリュームが・・goodでした。
菊竹さんの解説文によると・・ 「日本の伝統的なカタチにみられる “部分の連続” ・・ 決して全体像が一望できず、見え隠れする部分を通じて全体像が想像として形をあらわす・・ そういったカタチの考えにしたがってまとめた・・」との事。