隈研吾さん設計の「富岡市役所(2018)」を探訪。2014年の世界遺産登録を契機として・・「富岡製糸場の再編」はもちろん、「TNAの駅」や「手塚さんの会館」などなど・・駅前を中心に”富岡の新たな顔”が、次々と出来ていました。
第一印象としては開放的で遠慮がなく、あちらこちらと自由に散歩ができる市役所・・長く伸びた庇や分節した建物の雁行配置も・・そういった印象を補強。
各棟のファサードにリズミカルに配された、隈建築の代名詞のような「木製ルーバー」も大活躍・・分棟/雁行/屋根/庇/格子/回遊・・隈建築に多く見られる、どのキーワードも昔から日本建築が大切にしてきた・・ベーシックな事ばかり。
大きく持ち出した、深い軒裏は・・下地板である合板をそのまま見せた、公共建築には見えない仕上がり。
緩やかなスロープが巡る、屋根裏を見せた行政棟のエントランスホール・・天井は合板の透かし張り。
「糸が貼られた」不思議な質感の壁も・・富岡の地域性や歴史からアイデアを広げた、オリジナリティのある仕上げでした。