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令和2年よりこちらのアドレスでブログを引き続き始めましたt m
過去の建築探訪につきましては、全てこちらのブログで読んで頂けるように集約しました。
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旧ブログでは過去の住宅作品についてのブログのみを掲載しております

トリムデザインの旧ブログはこちらhttp://trimd.gangukan.jp

「建築探訪175」-Gunma 4

1961年に建てられた、チェコ出身の建築家アントニン・レーモンド設計の「群馬音楽センター」を探訪。折版構造による約60mもある大きなスパンを活かした、五角形デザインの北面ファサードを見る・・しかしながら到着したのは夕刻・・陽が落ちてきました。

翌朝、あらためて探訪・・気持ちの良い晴天。平面的には “扇形”・・切り取られた1枚のピザのような形をしています。(左側に見えているビルは高崎市役所。)
西面から建物の横顔を見ると・・この建物の大きな特徴である “鉄筋コンクリート折版構造” の様子がよく分かる。一辺が4mほどの折版11組による構成・・壁の構成がそのまま屋根の構成へとつながっていきます。(つなぎの梁が構造美的にはない方が明快に見えますが・・)
1階のロビーを見る。2階のホワイエへとつながる大階段のデザインがダイナミック・・ロビーとホワイエを彩る大きく鮮やかな・・壁画のデザインも建築家によるもの・・床の “テラゾー” もいいい感じです。
事前の下調べなしで、突然来たのですが・・運良く使用中のホール内部を見学ができました。外部の構成を活かした内部空間のありようが素敵・・2000人収容の音楽ホール。
コンクリート打放し“と “ベニヤ板” による天井のデザインを見る。コンクリート打放しの部分は折版屋根の下端が室内に顔を見せた状態・・・ベニヤ板の部分は折版屋根の下端と下端の間をふさぐような形・・・その隙間に仕込まれた間接照明が・・稲妻のような感じでホール全体を覆っていてカッコイイ・・音響的にも非常に優れたホール。

ブルーノ・タウトを日本に招聘した事でもよく知られる、地元出身の著名な実業家”井上房一郎”が創設した群馬交響楽団の拠点として、活用されてきた音楽ホールですが・・昨年駅前に”新しいホール“が完成した高崎市・・こちらのホールの使い方が気になるところ。

「玉島の家」-壁仕上げ前

外壁仕上げ前、左官塗り工事が終了・・仕上塗り前ですが、これはこれで “肌理の存在感”が際立っていて・・このままでも素敵なんですよね。軒が重なる勝手口的スペースからの見上げ。(上写真 左手前) 木製建具枠が見えています・・鴨居(水平材)の面より縦枠の面を外側に何mm出して納めるのか、縦枠の戸しゃくりを何mm取るのか、見付け寸法や、見込み寸法などなど・・木製建具は既成品とは違い、あらゆる部分の寸法を自分で決めていきます・・図面で決めていたものが、どう出来上がっているのかを・・現場監理で、1/1で、スケール感ディテール感を、確認するのが・・現場監理の楽しみのひとつ。

モルタル左官塗り壁のヴォリュームを・・軒の深い屋根が覆う。モルタル塗り壁上部の金物は、白色のガリバリウム鋼板・・外壁は2層防水の通気工法。上部ガリバリウム鋼板とモルタル塗り壁の間にある隙間から、壁体内の空気が抜けていく仕組み。
内壁仕上げ前、壁下地のプラスターボード張り工事が終わりました・・この工事が終わると、何ヶ月もの間ずっと現場で頑張ってくれていた大工さんの仕事もほぼ終わり 。
( 細かい指示注文の多いトリムデザインの仕事にお付き合いくださり・・大工のAさん、ご苦労様でした・・ありがとう) 。次は家具工事屋さん、建具工事屋さんなどの出番・・(上写真)リビングダイニングより和室の出入口を見る。左手の窪みはエアコン用のスペース。
リビングダイニングより、2階への上がり口を見る。この階段はもちろん工事期間中、工事関係者用のものです。1階から2階へは7段で到着、すぐに2階。子供部屋である2階とリビングダイニングの距離が近い家・・2階の奥に見えているのは、造り付けの壁面収納棚 (これは大工さん工事の家具 ) 。

「酒津の家」-丸2年

竣工からちょうど2年が経った「酒津の家」の・・ブラインドやカーテンの新たな設置工事と、ちょっとしたメンテ工事で・・訪問。(上写真)東側の空地から建物を見る・・徐々に木々が建物を覆ってきて、左手に見える公園の緑に・・だんだんと馴染んでいきます。

玄関ポーチのディテールを見る。オリジナルデザインの鉄扉を少し手直し・・どこを直したか分からないくらいに、上手に補修して下さいました。建具枠は”ステンレスフラットバー”、上部レールは”埋込みコの字型レール”、建具はスチールフラットバーの組子格子のデザイン。
玄関のはめ殺し窓のディテールを見る。木製ブラインドを設置するために、専用のブラケットを・・ビスにて固定。壁天井はケイソウド左官塗り仕上げ、廻り縁と開口部枠は床材や家具材のウォールナット材に合わせた木材の保護塗装仕上げ。
アプローチ横のシンボルツリーである・・アオダモは、自然樹形な枝ぶりが繊細で綺麗。軽やかで涼しげな雰囲気の落葉樹、幹肌の模様が特徴的。外壁は鏝摺りのような模様を少しつけたライトグレーな左官塗り仕上げ(下部はタイル塗込め仕上げ)。深い軒の出は1.2m・・軒板と垂木梁ともに、露わしで木材保護塗装仕上げ。

「玉島の家」-外壁下地工事

白いシート(透湿防水シート)の上に縦桟の下地を付けて、その上に横向きの板を留めた付けた状態・・外壁の下地工事は何層にもレイヤー状に下地を重ねていく感じ。縦桟と縦桟の間が通気層となって、壁の中に湿気がたまらない構造となっています。外壁下端には壁が傷まないように、ガリバリウム鋼板製の水切金物。

リビングの床に床暖房パネルを設置。アルミニウム箔で覆われた床暖パネルを敷き込み。部屋の外周部や置き家具のスペースを考えてパネルを配置・・300mm巾のパネル1枚に6本の温水管が通る、約40℃の温水を利用した床暖房ですが・・放熱ロスを抑制した熱を逃がしにくい構造になっていて・・省エネ仕様な床暖房。

裏側手になる、東側から屋根を見る。屋根が3枚な感じ・・建物は1.5階建てみたいな住宅で、表側から見ると屋根は1枚な感じ・・でも裏側手に廻ってくると、屋根が3枚な感じになってきて・・アングルによって、ちょっと違って見えてくるところを・・秘かに気に入っています。

「建築探訪 174」- Gunma 3

昨年、建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞も受賞され、米寿も迎えられた・・日本を代表する建築家・・磯崎新さん設計の「ハラミュージアムアーク」を探訪・・・東京品川にある「原美術館」の夏季分館として、自然に囲われた群馬県山麓に1988年オープンした木造美術館。ギャラリー上部のトップライトが特徴的・・すべての壁面に窓はなく、ギャラリーの採光は全てトップライトから取られている。

左右翼状に伸びる、ヴォールト屋根の板張りボリュームが特徴的・・・竣工から30年以上が経っていますが、(きちんとメンテナンスが行なわれていて ) 綺麗です
周辺には観光用牧場やゴルフコースなどがある・・なんとものどかなロケーション。古くからの湯治場として知られる「伊香保温泉」や、古刹「水澤寺」も・・すぐ近く
黒く塗られた・・下見板張りのボリュームに挟まれた中央部・・ステージとエントランス。広い敷地の中には様々な屋外展示の彫刻作品が点在しています
納屋を思わせる様な・・杉板、下見板張りの外壁を近くで見る。黒色に染色塗装・・壁上部のアールが効いています
エントランスロビーから中央のステージ部を見返す。床は玄昌石300角、天井は野地板構造用合板あらわしを黒く塗装
中央部のギャラリー・・正方形平面、ピラミッド型トップライト。この時の展示は、原始美術を思わせるミステリアスな木彫がインパクト大な・・「 加藤泉 – LIKE A ROLLING SNOWBALL 」
2008年に開館20周年として増築された部分を見る。学芸員事務室、収蔵庫、特別展示室を既存美術館の隣に増築・・ヴォールト屋根やピラミッド型トップライト、下見板張やスレート屋根など・・増築部分も同建築家により、既存部分と共通する建築ボキャブラリーで、構成
増築部のエントランスから、特別展示室に向かう通路を見る。右手手前が学芸員事務室、右手奥が収蔵庫。天井は既存部分と同じく・・野地板構造用合板あらわしを黒く塗装
学芸員事務室と収蔵庫の間にあるスペースの床に描かれた作品・・フェデリコ・エレーロによる「LANDSCAPE」
「觀海庵」と呼ばれる特別展示室を見る。内部には三井寺光浄院客殿に倣った書院の設えが・・宮大工の高度な伝統技で、入れ子構造のカタチで再現

東京品川にある「原美術館」は2020年12月を持って閉館の予定・・こちらにある「ハラミュージアムアーク」を・・「原美術館ARC」と改称し、こちらに活動拠点を集約されるとの事。

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「建築探訪 173」-Tochigi 6

内藤廣さん設計の「フォレスト益子(2002)」を探訪&宿泊・・・南側アプローチより見る。右手が宿泊棟、左手が展示休憩棟・・弓形平面の建物が大小2棟、アプローチ通路を挟みこんだ形・・地形なりの緩やかな勾配がついた・・タイル敷の通路へと自然に足が向かう。

床のタイルは・・”益子焼”の陶板タイル!!!!!!!!!。きちんと揃っていない目地が・・いい感じです。
左側の板壁の部分が宿泊室。板壁上に走る・・黒っぽい金属材でカバーされた部分は、電気/ガス/水などの配管が通るダクトスペース。回廊の上を覆うガラス屋根下に走る・・ルーバー材が効いています。
上から回廊のデッキ床材、排水溝カバーのゴロタ石、益子焼の陶板タイル。設計の時期が近いからなのか、ビルディングタイプは全く違うけれども・・同じく内藤廣さん設計の「牧野富太郎記念館」を、思い出さずにはいられない雰囲気・・
宿泊室内部を見る。左下に入口扉、その右側に浴室洗面。上部ロフトの窓は回廊に面した南向きのハイサイド窓。巾4m✕奥行6m(上部は7m)・・宿泊室は10室程度。
天井と壁の仕上げは合板のまま・・天井は4/10くらいの勾配で、一番低いところが2.3m、一番高いところは4.8m。

野山に生息する植物や動物が、自分の居場所を見い出していくように、その場所と共存する建築のありのままのあり方を探したい・・時には面白さや新奇さを排除する勇気を持ちたい・・」・・とは内藤廣さんが作品発表の際によせた言葉。

「建築探訪 172」-Gunma 2

高崎駐車場

隈研吾さん設計の「高崎駐車場(2001)」を探訪・・西面より見る。縦ルーバーのデザイン・・ルーバーの素材を2種類(コンクリートとガラス)として、角度をパラパラ・・建物の向こうにはJR高崎線の線路が近接。

高崎駐車場西面
西面を見上げる・・1枚のパネルは結構大きい!!!。4m程はあります。
高崎駐車場
時間帯にもよるのでしょうが・・この時は、ガラスルーバーもコンクリートルーバーも見た感じの印象があまり変わらない。日没後にはガラスルーバーは透けた感じになって・・素材の違いが映えるリズミカルなファサードになるのでしょう・・
高崎駐車場コンクリートルーバー
コンクリートルーバーを近くで見る。奥行きは450mm・・巾は先端で40mm、底辺で150mm程度でしょうか・・近くで測ってみると・・以外に大きくて、驚く!!!。200角程度のT字鋼、上下2箇所で支持。
高崎駐車場ガラスルーバー
こちらはガラスルーバー・・”乳白色”のガスケットのような枠材を4方に廻してガラスを固定・・こちらは通しの縦材2本にて支持。

「道路という土木構築物に付属する・・建築と土木の二重性の間にあるような・・駐車場というビルディングタイプを・・過度に建築化するという怠慢な解を極力回避・・」とは隈さんが作品発表の際によせた言葉。

「玉島の家」-設備工事

事前に作成して、指示を出していた・・電気設備や弱電設備の工事用図面を基に、配線工事が行われています。コンセントやスイッチ、TVやLANの差込口などの位置を、各所毎に1cm単位で細かく決めています・・

図面を基に・・このようなカタチで施工が行われていきます・・上写真はコンセント。トリムデザインでは、コンセントやスイッチは基本的に横向き。

天井に付く照明器具の位置を決めているところ、図面でも位置は決めているのですが・・・やはり、原寸1/1で・・現場を見ながら決めるのが最良・・天井材は「杉板上小の着色保護塗装(白)」・・・整然と配置するのではなく、パラパラと自然なバランスを取りながらランダムに配置。

リビング天井のダウンライトの大きさを・・ダンボールにて作成配置。板材の目地を中心に、ダウンライト用の穴を開けなければならないのですが・・板材3枚分の間隔で配置してみる・・うーん・・

1箇所につきダウンライト2台を設置、その間隔が開きすぎるとおかしくなる・・キュッと寄せているのが綺麗なので・・・もう少し寄せて2枚分で配置しなおし・・こっちの方がバランスが断然良かったので・・ダウンライトの間隔は2枚分で決定。

そして・・綺麗な“もう仕上がっている”板材に穴を開けていきます・・・自分で開ける訳ではないのですが・・間違うと取り返しがつかないので・・緊張します。この調子で、約30箇所・・・ダウンライト用の穴を開けていきます。

「建築探訪 171」- Gunma

太田市美術館・図書館

群馬県の東武線太田駅を降りると、眼の前・・1971年生まれの建築家/平田晃久さん設計の「太田市美術館・図書館 (2016) 」を探訪・・外観からして普通ではない感じ・・

太田市美術館・図書館
建物の外周を・・いくつものスロープや階段が積層回遊している・・しかも内部は透け透け。内部に置かれている物が外部からもハッキリと見えています・・
太田市美術館・図書館
外周部分は鉄骨造で、コアのような内部の箱はコンクリート造・・・外周を巡るスロープや階段は・・屋上庭園まで繋がっていく・・「5つのコアとなるボックス」の廻りを「複数のグルングルン動線」で覆ってしまった様な・・見慣れない不思議な感じ・・
太田市美術館・図書館
エントランス付近を見る。左手の柵で囲われた部分は1Fカフェのテラス席。気持ちのいい晴天で、建築が映えます・・
太田市美術館・図書館
左手に図書館のBOX、右手には美術館のBOX・・BOX、螺旋階段、スロープなどが交差して・・様々な要素が行き交っている・・1Fの建物中央部の吹き抜けを見る。

駅前の風景ははやや閑散・・内部に入ると、例えが上手くないけど「活気のある都市のミニチュア」のような感じ・・・駅前から建物内へと自然に続いていった先が「立体的に凝縮された街の延長」という・・感じがgood。

平田さんの建築的キーワードで語るならば・・“生きている建築”・・アルゴリズム的な形式的一貫性を持った建築ではなく、それぞれの固有性を活かしたまま、“からまりしろ”のある、“ニッチを最大化”できるような・・“生きている建築”・・「”個”が織り成す生態系のような建築」

太田市美術館・図書館
グルングルン動線は・・ただ外周部を廻っているのではなく・・その広い動線スペースは、様々な人に向けた多様な居場所を形成していました。外部と一体化したようなギャラリー的スペースであったり・・
太田市美術館・図書館
本棚がぎっしりと並べられているスペースであったり・・床が傾斜したスペースの連続って・・訪れる前は、それってどうだろうと、思っていたけれど・・・
太田市美術館・図書館
いろんな種類の椅子が置いてあったり・・どこにいても結構楽しい。どこにいても別のスペースの様子がチラリチラリと見えて・・・建物内の全てのスペースが、立体的に共存しているようで・・そんな感じが、不思議に居心地が良かったです。(道路にあるようなカーブミラーは、案内サインになっています)

普遍的な美学や価値観から離れたところ・・了解可能性がまだ見えてないような「多様で複雑でゴチャゴチャして意外な」あたりで・・新しい建築のタイポロジーを発見しようという、変わることのない意志の強さ・・これからの世代を代表する建築家のマイルストーン的作品・・に感服した、建築探訪でした。

太田市美術館・図書館
管理上の理由とか何とか言って・・公共施設では”出られない屋上”が多いのだけれど・・ここは、誰でも自由に上がって来られる・・屋上庭園ランダムに散りばめられた・・白いボックスは照明器具の様です。

小規模な駅前の公共施設だけれども・・駅前の賑わいを取り戻す可能性を十分に感じさせる・・楽しく、居心地の良い建築・・他の町にはない風景(経済的原理や標準化が作り出す慣用句的な風景とは違う)・・ここにしかないという建築・・がgoodでした。

「建築探訪 170」-Tochigi 5

那須歴史探訪館

隈研吾さん設計の・・「那須歴史探訪館 (2000) 」を探訪。一見したところ、単なる切妻屋根型の建物なのに・・屋根勾配、軒の出、素材感で・・素敵なコンテンポラリー感を醸し出しているのは・・さすがという感じ・・

那須歴史探訪館
シンプルな外観・・サッシュレスが効いています、柱がスチール無垢材なのも効いています・・厚さ12mmのフロートガラスが・・砂利に差し込みそうなくらいにまで伸びていて、外壁巾木なしでギリギリまで、頑張った足元のデザイン・・
那須歴史探訪館
左手にあるのは敷地内の既存蔵、右手には陣屋門・・歴史的なエレメントに挟まれた、エントランス廻りの外観、切妻屋根型の妻面を見る・・・屋根の一面だけを伸ばしているのが、デザインのポイント・・
那須歴史探訪館内部
内部も外観と相似形・・切妻屋根型の展示室を見る。
那須歴史探訪館

窓側には、天井高さいっぱいまでの可動パネル・・藁(わら)で出来たパネル!!!!・・天井も「藁パネル」・・床は芦野石・・見学中は完全に貸切り状態で・・静かさが満ちる中、隈建築を堪能・・・栃木県での建築探訪は隈建築の5連続でした。