「 Casa BRUTUS 」- ケンチクを学ぶ旅。

いま発売中の「Casa BRUTUS」2025年7月号に・・少しだけ顔出ししております。

嵐の櫻井翔さんが・・日本全国の名建築に自ら足を運びレポートをする建築探訪企画。Casa BRUTUSにて14年以上に渡って続く長期連載「ケンチクを学ぶ旅。」

今回は倉敷にて・・薬師寺主計の大原美術館本館有隣荘、浦辺鎮太郎の倉敷国際ホテル大原美術館分館、児島虎次郎記念館などなどを探訪・・

櫻井さんに・・倉敷美観地区の建築について、浦辺建築と大原家の関係などについて・・ご説明をさせて頂きました。とても感じの良い方で、熱心に話を聞かれる様子が印象的でした。

「中庭のある家」-着工

一昨年より、計画を進めていた住宅が・・無事着工となりました

(外部) 接道側から南西面を見る・・足元にテーパーを取った「3つのマッス」からなる煉瓦タイル張りの外観

(内部) リビングより中庭を見る・・LD棟のマッスを田の字に4分割した中庭のあるリビングダイニング

「南畝の家」-竣工

<Before> 北側道路より見る。長年に渡り、広い敷地内に・・家屋を増築されてきました。
<After> 減築(カーポートと中庭を作り出す事)で、外観を修景。焼杉板は全面張替え・・右手に頭を覗かせている「離れ」は25年程前に・・新築をさせて頂きました。
<Before> 広い家屋全体の「行き止まり」の様な場所だった・・リフォーム前のダイニング
<After> 浴室や納戸のあった部分を「減築」して中庭とした事で・・気持ち良く外部へと繋がるダイニングにリフォーム
<After> 浴室や納戸のあった部分を「減築」して出来た「中庭」・・年明けより約4ヶ月に渡った改修工事が無事終了。

「南畝の家」-造り付けの家具工事

最後に嵌め込もうとしていた”大きなペアガラス”は搬送中に破損・・上写真は仮りの単板ガラスを設置・・中庭には「紅葉を1本だけ」・・あとは住みながら、お好きな草花を植えて頂きたいです。

年明けから始めていた古い家のリフォーム、GW前にはと思っていましたが・・

連休明けに、アルフレックスやフリッツハンセンの家具などが入荷予定・・

残工事や追加工事も連休が明けてからとなり・・

完成には、もう少し時間が・・掛かりそうです。

造り付け家具を、制作/設置して頂いているのは・・Free Styleさん

「南畝の家」-内部仕上

減築して新たに出来た中庭から”新しい”妻面を見る。壁面から断面を覗かせている丸い梁は・・かつて室内に掛かっていた梁を途中で切った部分が見えています。

西側より外観を見る・・一体化して分かりにくいのですが、左側部分には今回の改修で新たに設けた駐車場が有り・・「巾2.5m✕高さ2.0mの上吊り引戸」で道路に面していて、勝手口から直接車で出入りが出来る様になっています。

新しいダイニングのクロスを貼り終えました。部屋の両脇には元々天井だった部分を残し・・中央部分だけを露わしとして、かつては「天井裏に隠れていた梁組み」を意匠として見える形にしました・・正面には中庭に面した東向きの大きな窓。この後はGW明けの完成を目指して・・照明器具を取り付け、塗装工事を行い、造付け家具を設置。

「阪南の家」-契約図

設計中にやりとりした・・各室、各箇所に対する要望決定事項のまとめ

2月末、見積り依頼のため工務店さんに”図面渡し”をしてから1ケ月ちょっと・・堺市のC工務店さんに工事を正式に依頼する事を決定。想定金額より少しだけ出てしまいましたが・・なんとか無事に着地。工事契約に向けて「見積図」を「契約図」に修正中・・その際に、これまでの間・・打合せで決定してきた各項目を再チェック。設計への要望に対して「設計漏れ」がないか再再度・・確認。

周辺とのバランスや距離感を・・把握するために作った「100分の1の模型」

巾4mの位置指定道路の突き当り「準防火地域の木造3階建て」・・”準延焼防止建築物”のため、普通の木造建築より外壁や外部建具に防火仕様の規制が掛かったのもコストアップの要因の1つ・・・計画地は大阪市内駅近という事もあり、周辺地域では大きなマンションがどんどん増えて・・背の高い建物が多くなりつつあるエリア。

「南畝の家」-外部仕上

「焼杉板」の張り替え・・古くなった板を剥がして、防水シートを貼って、下地桟を付けて、新しい焼杉板を施工。以前は露出で付いていた電気メーター・・壁に埋込んで、木製格子でカバー。

リフォーム前の天井高は2250mmでフラット。リフォーム後の天井高は、低いところで2500mm、高いところで3500mm・・高さが気持ち良いです。

以前は隠れていた「湾曲した丸太材の梁」・・リフォーム後は、木材の自然な曲がりを・・意匠として活かしました。

塀で囲まれていたバックヤード的な、裏庭スペースの一部に・・開口扉を設け、車が入れるように改修。

のし瓦7段の下に、さらに2段の役物瓦?・・・のし瓦が計9段 !?!

(手前の屋根) 既存建物を短くする形で、減築で出来た・・新しい妻面の「けらば」を見る。(奥の屋根) 既存母屋を見る・・なかなか立派な棟のおさまり。冠瓦の下に、垂れ幕のようなリブリブな化粧瓦があり・・のし瓦の側面中央部には「鶴の文様」。

「倉敷あるく」

2025年3月1日と2日に開催した、倉敷市まちづくり推進課とのイベント「倉敷あるく」・・2日間のワークショップに80名(予定定員の倍)近い・・多くの参加を頂き、ありがとうございました。

(上写真) 打合せを重ねた歴史資料整備室での様子。左側が整備室の山本先生と畑先生。右側がKURASiXの仁科さんと山口さん・・毎回、聞きたい事を目一杯両先生に投げかける状態で・・両先生には本当に色々と感謝感謝ばかりです。
(上写真) 1日目は「外から見る倉敷村」・・宇喜多堤と浜村の歴史から読み解く「座学90分+街歩き90分」のイベント。<会場> 三井アウトレット内 くらしきサークル

(上写真) 2日目は「中から見る倉敷村」・・水夫(かこ)屋敷から読み解く「座学90分+街歩き90分」のイベント。<会場> 美観地区内 倉敷館2階

2日間とも天気良好・・私たちが普段から感じている倉敷美観地区の魅力を、少しでも伝える事が出来ていたならば・・良いのですが。ご参加下さった皆様・・本当にありがとうございました。

「南畝の家」-解体

北側接道側より見る。道路側の建物を一部撤去した事で、今まで道路側からあまりよく見えなかった・・敷地中央に建つ「母屋の入り母屋屋根」が、少し顔を覗かせる

道路側に足場を組んで、古くなった外壁の焼杉板を張替え・・40m近い北側ファサードの一部を撤去(左側)して、車庫用大型引戸を・・古い塀に馴染ませる形で、新設予定。

見た目はフラットに板が張られている外壁も、板を剥がしてみると・・時代毎に増築を繰り返してきた様々な痕跡が見てとれます。

古い時代に建てられた蔵の部分は・・足元は石が積まれ、壁は竹と土で作られた木舞の壁・・

床を落とし、天井も剥がし・・解体前にはよく分からなかった部分がいろいろと鮮明に見えてきます。正面奥の天井が低くなった部分は・・増築で付け加えられた2階建て。

今回のリフォームのメインとなる、古い丸太で屋根が組まれたこのスペースは・・かなり昔に、左手に見える母屋へ増築・・その際、母屋の屋根(庇部分)を切り落として、母屋と一体化した様です。解体前は圧迫感があり暗かったスペースも・・必要なものだけに削ぎ落としていくと気持ちの良い開放的な空間に生まれ変わりそうです。

「阪南の家」

昨年より進めていた計画の実施設計がいよいよ大詰め・・トリムデザインでは作品例があまり多くない、建て込んだ住宅地での建替え案件。築50年近い住み慣れた家を撤去しての新築。隣家との距離が近いエリアでの木造3階建て・・1階玄関から2階3階の光庭まで、ひと繋がりとなった・・コンパクトではあるけれども空間の広がりを感じられる、落ち着きのある居心地の良い・・家となるはずです。