「建築探訪 157」- Tottori

東光園
東側庭園よりダイナミックな外観を見る

1964年竣工・・菊竹清訓さんの「東光園」を探訪。この建築・・なんと菊竹さん36才での作品!!!。取り壊されて・・もう無くなってしまった名作「出雲大社庁の舎」はその前年・・なんとか保存で存命となった「都城市民会館」がこの2年後・・(どれも菊竹さんが30代で手掛けられた!!)・・60年代までの菊竹建築は本当にアグレッシブ!!!!

東光園
アプローチとなる”建物正面”、西側外観を見る

鳥取県の有名な温泉地”皆生”に建つ、7階建て鉄筋コンクリート造の建物。この建物の大きな特徴・・大きく張り出した上部2層(5階と6階)が・・浮いている(上部から吊られている)構造・・

東光園
西側外観を見上げる

この浮いている上部を支えているのが「大柱」。大小ある4本の柱を組み合わせて「大柱」を作り・・上部の大きな荷重を支えているカタチは・・日本の伝統的な木造建築のいくつか・・「厳島神社の大鳥居」や「出雲大社の心御柱」を、連想させますが・・構造が手段ではなく、その見せ方そのものが目的になっているかの様な・・表現的構造への執念を感じざるを得ない・・

東光園
1階ラウンジを見る

貫梁と添柱によって組まれた・・コンクリート打放しの「大柱」は、室内でも存在感を放っていました・・ラウンジチェアーは剣持勇かな・・

東光園
1階ラウンジを見下ろす

庭のデザインは流政之・・竣工時に並んでいたラウンジチェアーは「ヤコブセンのスワンチェア」でしたが・・

東光園

館内には「菊竹建築の展示コーナー」があり・・東光園の石膏模型も展示されていました・・上部2層の「浮き感」が・・その真下である4階が「吹放しのテラス」になっている事で・・さらに強調・・(HPシェル曲面の)帽子のような屋根を含めた上部3層はまさに”空に浮かぶ天守閣”・・伝統的なものが持つ豊かさであったり、構造表現的なものの過剰さであったり・・並の近代建築とはひと味もふた味も違う・・菊竹さんの近代建築・・

東光園
階段室を外部より見る

階段室は壁面が全てガラス張り・・”床のみが宙に浮いている感じ”・・キャンチレバーな持たせ方で、床板は小口を見せて・・さらに踊り場部分では、外壁面から床を飛び出させて魅せる事で・・”浮いている感”を強調。

東光園階段
階段室を内部より見る

縦繁なサッシ割りのガラス壁面・・手摺り子はナイロンロープ張り、手すり支柱がgood。しかしながら・・この階段室に居ると、ちょっと”酔う”様な感じが・・少し揺れているかな?・・

東光園階段室
階段室を内部より見る

柱面に直接刻み込まれた階数表示が・・goodです。型枠板材のテクスチャーが現れたコンクリート打ち放し面・・goodです。

東光園
大柱を近接して見る

クラックが・・複数、あちらこちらに見えます・・・けっこう大きい!!!。日本近代建築の金字塔である丹下健三の「国立代々木競技場(1964)」と同年に完成した東光園・・この時代「世界のTANGE」として絶頂に達していた丹下さんに喰いさがる事の出来た・・

東光園
最上階の7階部分を外部より見る

最大の若手・・「メタボリズム建築の旗手」菊竹清訓による名作・・東光園。耐震改修も含め、早めの適切なメンテナンスが必要かと・・「出雲大社庁の舎」が取り壊されてしまったいま・・菊竹建築のもうひとつの金字塔「東光園」・・存命の瀬戸際・・なのではないでしょうか!!!

「建築探訪 154」-Aichi 8

両口屋是清東山店

インパクトのある”ガリバリウム鋼板立平葺き”の大屋根が目を引く、名古屋の老舗和菓子店・・「両口屋是清 東山店」を探訪。設計は隈研吾さん。4階建てのヴォリュームを大屋根で包み込んだデザイン。

両口屋是清東山店

大きな軒下のアプローチ部を見る。1階部分は軒が深い開放的なつくり。鉄部の仕上げは、隈建築ではお馴染みの”溶融亜鉛メッキリン酸処理“。

両口屋是清東山店

鉄骨の独立柱が支える開放的なつくりの1階は、販売店舗。折り上げられた木製ルーバーの天井がが2階へと繋がる。

両口屋是清東山店カフェ

2階は飲食スペース。隈建築ではお馴染みの”不燃木製ルーバー“によるデザイン。テーブルや椅子もスチールと木を使ったオリジナルのようです。

両口屋是清東山店

1階アプローチ部の軒裏が”透けて”いて・・2階から1階の庭が”下地窓”的に見えるのが面白い。入って来る時は意外と気付かなかった・・

両口屋是清東山店

もう一度、帰り際に外から見返して・・よくよく目を凝らすと、たしかに軒裏が・・”透けて”います。

「酒津の家」- オープンハウス〈終了〉

9/8(土)、9/9(日)のオープンハウスが終了・・・雨、雨、雨の週末でした。そんな雨の中、御足労を頂いた方々に感謝。この様な機会を設ける事に・・協力を頂いたお施主様に本当に感謝、感謝です。自分たちの経験からも、雨天の中での見学は煩わしく、楽しみ面白さが半減する事が多いので、心配・・・しかしながら、”雨にもかかわらず、居心地良好”との声を複数頂き・・少し安心。

緑水豊かな酒津公園の近くですが奥まって落ち着いた敷地です
玄関ポーチから、垣間見えるお庭の木々・・アカシデとシラカシ。お庭のデザインはUZUDESIGNさん。壁は掻き落し風の左官塗り。
玄関戸は小間返しの格子戸、玄関床は網代張り(ヘリンボーン)の煉瓦タイル
リビングより眺める東庭、板張りの天井、木製窓・・薪ストーブはデンマーク製の”Hwam Classic4″
リビングより見るウォールナットのキッチン(制作はSOWELさん)、大きな梁・・リビング床はウォールナットとサーモタイル張りの併用
赤いファブリックのソファ。緑に映えてgoodです
リビングにはハンス・ウェグナーのYチェアー。テラスにはロートアイアンのガーデンチェア
ライトグレー色の掻き落とし風の左官塗りの外壁に・・灰色の煉瓦タイルを埋込んだ外壁

作品紹介はこちら

「建築探訪 144」- Gifu

みんなの森ぎふメディアコスモス

伊東豊雄さん設計の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」を探訪。市役所、市民会館、裁判所、税務署、警察署などが集まる岐阜市の中心市街地に建つ、2015年7月にOPENした・・2階全フロアを占める図書館を核に、1階には市民のためのギャラリーやホール、スタジオや交流センター、コンビニやスタバなどなども入った・・とても大きな複合施設。80m×90mという方形を2層重ねた、シンプルな構成の建物。

みんなの森ぎふメディアコスモス
建物の周囲には・・並木道、せせらぎ、デッキテラス、広場なども設けられていて・・とてもいい感じ
みんなの森ぎふメディアコスモス
1階エントランスホールを見る。床面に描かれた、各スペースへの方向を示す「丸サイン」が、視認性が高い&分かり易く・・goodです
みんなの森ぎふメディアコスモス
建物の中核である、図書館スペースのある2階へ・・大きな傘が!!!
みんなの森ぎふメディアコスモス

全く壁のない、80×90mのワンルームの開架エリアに・・いくつもの「”グローブ”と呼ばれる巨大な傘」が、天井から吊られている、2階の眺めが圧巻です。そしてこの「うねっている木製天井」・・厚さ2cmの板で組み上げた「三角格子」を積層させたという天井!!!!! 凄いです!!!!!

みんなの森ぎふメディアコスモス
“傘”はポリエステル製の布で出来ていて直径は8~14m
みんなの森ぎふメディアコスモス
机中心のコーナー、ベンチ中心のコーナー・・性格やしつらえの異なる、それぞれのコーナーを覆う・・デザインの異なる”傘”が11個!!!
みんなの森ぎふメディアコスモス
起伏のある床がオモシロイ・・小さな子供のいる親子中心のコーナー
みんなの森ぎふメディアコスモス
こんなに大きな傘ですが・・柱など下部からの支えはなし。本当に、上から吊っているだけ
みんなの森ぎふメディアコスモス
籐で編まれたgoodな椅子が並んだ・・視聴覚コーナー
みんなの森ぎふメディアコスモス
2階カウンターのコーナー。外周に面した席も、たくさん用意されています。(下)1階、円形テラスに面したコーナーには、畳床もあり
みんなの森ぎふメディアコスモス

とにかく、広い建物の内外あちらこちら・・変化のある様々な居場所に、たくさんの席と活動の場を、用意されていたのが・・印象的でした・・閉館時間も21時(閉館日は月1回)という、市民利用(岐阜市民は40万程で倉敷市と同規模・・)を優先した開館。”みんなの森”というだけは、ありました。

前川國男の図面と椅子。

今年8月3日~7日の間に開かれる”建築家のしごと展3″の打合せで・・”天神山文化プラザ” を伺う。天神山文化プラザさんにお願いして、古い設計図(日付は昭和36年2月20日・・55年前!! )を拝見させて頂きました。昔の図面はこんなに青いのです・・ひと昔前は設計図の事を、青図と言っていた様に・・青地に白線、これが建築家の図面。建築探訪ワークショップの準備として・・興味深く図面を見させて頂いた作業は、t/rim designの大きい方が。

こちらは「天神山文化プラザ」がまだ「岡山県総合文化センター」だった頃に、図書室で使われていた椅子。細かな寸法や納まりをスケールで測りながら・・いろいろと学ぶ。今回の展覧会のテーマでもある「建築を知る」にも繋がる・・こちらの作業は、t/rim designの小さい方。いろいろと楽しく学べた1日でした。(天神山文化プラザさんのご協力に感謝)

展覧会のまとめはこちら

「建築探訪 131」-Yamaguchi

山口県立美術館

「山口県立美術館(1979)」を探訪・・設計は鬼頭梓(1926-2008)さん。エントランスへと向かう・・建物正面&広場がスパッと迎えてくれます。煉瓦ヴォリュームの南北に細長い美術館は、鬼頭さんの師匠である前川國男の「熊本県立美術館 (’77)」を思い起こさせる・・

山口県立美術館
煉瓦積みの壁面の中に・・コンクリート打放しの楣(まぐさ)が効いています
山口県立美術館
建物正面の下部を見る

ピロティ下の建具は当初のものではなく・・フレームレスな現代的なガラス建具にリニューアルされていましたが・・上部煉瓦ヴォリュームとガラスの対比感が当初よりも強まっていて・・goodなんではないでしょうか。(開館30年を期に2012年に大改修)

山口県立美術館
ピロティ部に増築された・・ショップ部を見る。ガラスの角に穴を開けて、支持金物のみでガラス面を固定して支える・・DPG工法による、フレームレスなスッキリデザイン
山口県立美術館
玄関を入った正面の1階ロビー・・大きな開口(西面)。ロビーから1段上がった場所にはカフェ。その向こうの外部は屋外展示場。来館者はロビー正面の壁に突き当たり、目的別に左右(南北)に別れていく・・
山口県立美術館ロビー
1階ロビーから、大きな長い斜路(北側)を上がり展示室へ・・そこからさらに斜路で上階の展示室へ

左右対称で南側にも同じカタチで斜路が配置されている。この美術館の建築構成の要は、やはりなんと言っても・・建物中央に配置された斜路。(斜路が建築構成の要となっている建築といえば、鬼頭さんの師匠の師匠による・・この作品!!)

山口県立美術館ロビー
1階ロビーを見る

階段は一切使うことなく、斜路だけにより展示室を巡る構成は・・気分の断続を強いられる事なく各展示室を歩き回れる連続性を・・鬼頭さんが重視された様です。美術館設計にあたり・・萩焼きの窯元や香月泰男のアトリエ、市内の古い社寺・・様々な”山口”の場所を、訪ね歩き・・”山口”の美術館を模索されたそうです。

山口県立美術館カフェ
カフェを見る

今は深澤直人デザインの椅子が並ぶ、おしゃれなスペースですが、もともとはこの場所もロビーだった様です。美術館設計の経験がなかった鬼頭さんは・・その不安を師匠(前川國男)に相談したところ・・前川が鬼頭に与えたアドバイスとは・・「何も教える事はない、物と人に聞け!!」・・物とは美術品、人とは学芸員。

山口県立美術館ミュージアムショップ

師匠である前川と同じく、建築家の職業倫理観に厳しかった鬼頭の言葉。
「デザインの自由は、常にクライアントと社会のために行使されるという限界を超えることは許されない」・・建築家のエゴやデザイン至上主義への戒め、社会/生活/人間/建築の関係性を増進する為のデザイン・・

「建築探訪 125」-Finland 16 / ALVAR AALTO 11

ラハティの教会

アルヴァ・アアルト設計による「ラハティの教会」を探訪。教会の設計は1969年から始まるのだが・・教会の完成は、アアルトが亡くなった3年後の・・1979年。”ラハティ”はヘルシンキから北へ100kmほどのところに位置する、人口10万人ほどの町。駅を降りて、市内中心の通りを少しブラリと歩くと・・小さな丘の上に教会が見えてきました・・ 都市軸に対し真正面で受けずに、僅かにファサードを振って構えています。

ラハティの教会
石段を上がって・・南側外観を見上げる。窓を十字架型に配置しているところから “十字架教会”とも言われているそうです・・左下に重厚なエントランスの扉。大きな壁面には折れ線が1本・・正面に見えているヴォリュームは大階段のあるエントランスホール・・
ラハティの教会
東側外観を見る。建物煉瓦とは素材を変えて・・聳え建つ鐘楼はコンクリート打放し・・煉瓦壁から突き出た大きなハイサイド窓が、そのまま片流れの屋根となり・・礼拝堂を覆っている構成・・内部空間が楽しみ・・
ラハティの教会
十字架型に配置された窓のある・・エントランスホールを見る。楔型多角形をした平面形。高~く長~く続く大階段は2階バルコニー席へと続く動線・・彫りが深い窓から差し込む光が綺麗です
ラハティの教会
扉を開けて礼拝堂の中へ・・シンメトリーに席を配した平面形は、正三角形の角を落とした様なカタチをしています・・その頂点に祭壇。左右のアシンメトリーなハイサイド窓が・・いかにもアアルト!!
ラハティの教会
祭壇に突き刺さるように伸びる、両側の大きな梁が・・扇を広げた様な屋根を支える・・
ラハティの教会
この壁の凹みに張り付いている”ギタギタした板”はデザイン? 反射板? 反響板? ・・役目はハッキリしませんが、これが無いと・・この壁面は寂しい・・よく効いています
ラハティの教会
祭壇の右手壁に・・大きなオルガン。この日の教会は、私達以外には誰もいない”貸し切り”状態でしたが・・途中にオルガニストが入って来られて演奏の練習を始められ・・なんとも不思議な音楽・・
ラハティの教会
1階より礼拝堂の後部・・2階席を見る。2階席の上部からは、ハイサイド窓から取り込んだ光が・・粗めのルーバー越しに落ちる
ラハティの教会
光に満たされた真っ白い空間の中で、床面と長椅子座面の黒が・・シックに効いています
ラハティの教会
2階席より礼拝堂の天井面を見る。この大梁の “面の取り方” がgoodです。ただの四角い梁のままならば、靜寂な祈りの空間が無作法で台無しになってしまうところを・・梁側面から底面にかけて”2つのR面”を取り込んで、繊細なプロポーションで・・デザイン処理!! &ハイサイド窓からの光をやさしく受けて・・
ラハティの教会階段
前面に大きめの木材を張った、階段段鼻のデザイン・・goodです
ラハティの教会手すり
丸型と楔型が繋がったような・・階段手摺のデザイン・・goodです
ラハティの教会
教会に展示されていた模型・・上空からみるとこんな形の建物。屋根面にも2本の大梁のラインがしっかりと見えます。アルヴァ・アアルトが生涯に手掛けた教会建築は、改修を除けば6つ。その内フィンランド国内にあるのは、ヴォクセニスカ(’59)、セイナヨキ(’66)、そして・・ 
ラハティの教会
最晩年、円熟期アアルトが亡くなるまで手がけていた、アアルト自身にとっては未完の作品となってしまった・・このラハティ(’79)の3つ。念願だったアアルト教会建築の初体験。天気良好、建物内は貸し切り状態、フリーで堪能・・満喫満喫
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「建築探訪 124」-Finland 15 / ALVAR AALTO 10

フィンランディアホール

アルヴァ・アアルト設計の「フィンランディア・ホール(1971)」を探訪・・南北に長~い建物、東側の道から建物外観を見る。敷地は東側から西側へと少し上がっている傾斜地・・東側からのアプローチは1階が車、2階のペデストリアンデッキから人・・この東側の道を南にまっすぐ戻ると・・「キアズマ」に突き当たる。階段が東側のエレヴェーションの控え目なアクセント。

フィンランディアホール
北側から建物外観を見る。上部に大きく突き出たヴォリューム部分が劇場。外壁は白大理石・・石の巾には大小変化をつけている・・近づいて見えるディテールの楽しみ
フィンランディアホール
西側の道路(マンネルヘイム通り)から建物外観を見る。こちら側にメインエントランスがあります。左手・・片流れ屋根の”変形台形型”のヴォリュームが1750席の劇場部分。建物全体も有機的な平面形をしていて・・一言では説明し難いカタチなのですが・・あえて言うならば「握り柄のある打製石斧」・・不規則で定まりのない流動的なカタチは・・”アアルト好み”
フィンランディアホール
西側外観を見る。ヴォリュームが分かれている部分の左手が劇場/室内楽ホール棟、右手が会議棟。長く伸びる水平庇が効いています
フィンランディアホール
西側外観の会議棟部分を見上げる。ひだひだ多面体のカーテンウォール(ガラス窓)がチャームポイント。外壁はよく見ると、1枚1枚の石に微妙に”むくり”が付いている・・これはアアルトの意図したデザインではなく・・素材の特性による経年変化と思えます。(古い作品集に見られる外観写真では、今とは逆に白大理石は反っている・・オリジナルの外壁は凍害による反りや傷みなどの問題から、張替えられ・・今度は特殊加工を施し・・しかし逆に”むくり”・・)
フィンランディアホール
西側エントランスキャノピーを支える柱。ちょっとしたデザインディテールが洒落てます・・こういった小さな部分の工夫を見ていると・・建築家の “力の入れ具合” が良く見えてきます
フィンランディアホール
西側のメインエントランスを見る。低く抑えて、広く招き入れる感じです
フィンランディアホール
西側からエントランスロビーに入りました。ぐっと抑えています、壁のアアルトタイルが効いています
フィンランディアホール
天井高さを抑えた・・エントランス空間から、ホワイエのあるメインフロアへと上がってゆく・・流動性を感じるインテリアとアプローチ。床は大理石、壁は大理石とアアルトタイル
フィンランディアホール
エントランスロビーの東側に面する部分。家具も照明も・・もちろんアアルトデザイン。突き当りの壁・・アクセントになっているタイルは、もちろんアアルトタイル
フィンランディアホール
ロビーからお手洗いに入る部分。ヴォリュームのあるアアルトタイル壁で衝立
トューリョ湾
建物の北端には「トューリョ湾」が近接・・
トューリョ湾
「トューリョ湾」越しに建物を望む・・中央の白い建物がフィンランディア・ホール。ヘルシンキはフィンランドの首都であり、同国最大の都市(都市域の人口で100万ちょい)ですが・・上写真の様に高い建物はあまり無く、湾と緑の中に都市が広がった様な・・本当に程良い感じの都市。(ただ冬は寒いし、長いんだろうけど・・訪れたこの季節は最高!!でした)
「フィンランディア・ホール」はアアルトの手による 「ヘルシンキ都市センター計画 (上図)として出来た最初(で最後)の建物。”計画”によるとトューリョ湾の水辺にはフィンランディア・ホールを基点として幾つもの公共建築(会議場、オペラハウス、美術館、図書館等)が建ち並ぶ予定でした・・
水辺だけでなく「カンピ地区のオフィスビル」までも、アアルトは考えて・・
雁行する矩形ヴォリュームを並べた建物が「カンピ地区のオフィスビル」、写真の手前がヘルシンキ中央駅・・

水面に映える公共建築群の姿が、対岸を走るヘルシンキ中央駅へと向かっていく列車から綺麗に一望される計画でした・・ また駅とフィンランディア・ホールの間には多層型の巨大な扇状広場(広場の下は駐車場)を設ける計画でもありました・・

手前が扇状広場。左下にフィンランディア・ホール
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「デイサービスセンター」-内装工事

トリムデザイン設計のデイサービスセンター

内部壁天井の PB (プラスターボード) をほぼ張り終え・・ いよいよ次はクロスなどを張っていきます。来月末には竣工です・・ 3月末はなにかと忙しい建築業界ですが、工務店さん職人さん頑張って下さい。(上写真左) 天井がもう少しで貼り終わりそうなデイルーム。この上から岩綿吸音板を張って・・天井は仕上がりです。(上写真右) 壁天井のPBを貼り終えた2階の廊下。この後はクロスを貼って仕上がりです。

トリムデザイン設計のデイサービスセンター
(左) 外装用のタイルが現場に着きました・・大阪のタイルメーカーさんに特注で作って頂いた “細長レンガタイル” 。
(右) デイルーム南側。窓に沿って、長さ約7mの造付け家具のベンチを設置予定。寸法チェックの為・・ 大工さんに作って頂いた合板による仮設椅子で座り心地を試してみました・・

作品紹介はこちら

「建築探訪 100」-Sweden 5 / Stockholm

セントマークス教会

シーグルド・レヴェレンツ(1885-75) の代表作・・「セント・マークス教会(1960)」。(上写真) 白樺の木立を背景に佇む・・赤褐色煉瓦に覆われた教会・・L字型をした建物の出隅部付近、礼拝堂アプローチから外観を見る。右側の高い部分が礼拝堂、左側の低い部分には教区ホールや学習室などが配置されています。アール壁の足元左側が礼拝堂への入口。

セントマークス教会
外壁は煉瓦煉瓦煉瓦・・全て同一の素材で出来た煉瓦の塊な訳ですが。近くでよく見ると、色々な形と大きさの煉瓦があり・・煉瓦組みにも色々と細やかな変化が・・派手やかさのない落ち着いた色あいの赤煉瓦・・
セントマークス教会
目地の詰め方がダイナミック!!  煉瓦のエッジが見えなくなるくらいの・・煉瓦のハッキリとした四角をぼやっとさせる様な目地の塗り方・・ざらついた大きめの目地は、煉瓦とは段差がなく・・同一面の仕上げ
セントマークス教会
いよいよ礼拝堂に入り・・祭壇方向を見る。暗いです!!! 写真で見るよりずっとずっと暗いです!!!  限られた開口から差し込んでくる光と煉瓦に囲まれた重厚な空間は・・さながらロマネスクの教会の様でもあります。しかし・・いい建築です。いい空間です。見に来て良かった・・
セントマークス教会
礼拝堂の天井は非常に特徴的な形をしています。変化をつけて短手に架け渡されたシャープな鋼製梁と、その間に架けられたヴォールト状の煉瓦天井の反復がつくる大小の波・・重たい煉瓦が波打つ・・印象的な天井
セントマークス教会
礼拝堂の中央部から側廊側を見る・・石灰岩の床、赤煉瓦の壁天井、木材による扉や家具・・この建築の竣工年である1960年という時期を考慮すれば、かなり古めかしい仕上がり様とも言えますが・・ 厳選された素材による構成は美しい
セントマークス教会
とても50年程前に出来た建築とは思えない・・もっと昔からここに在った様な感じ・・時代性を超えた存在感がある建築・・ (上写真) やや天井が低い側廊部の正面を見る。雁行して建ち並ぶ煉瓦壁の間・・縦長窓から強い光が差し込んできます
セントマークス教会
側廊部にスタッキングされていた椅子。T字型の背と座面が一体になった成形合板の作りは・・アルネ・ヤコブセンのデザインによる「T-chair」。70年代に入るとT-chairは廃番になっていたそうなので・・竣工当時のものだろうか?  建築によくマッチしています
セントマークス教会
祭壇横の窓を見る。窓枠が消えた開口部は、ガラスがない様に見せる納まり・・光が綺麗に差し込んできます。シーグルド・レヴェレンツという建築家について、詳しい資料や書籍はそんなに多くはなく・・建築家自身の著書などもあまり眼にした事もないのですが・・レヴェレンツという建築家はきっと寡黙で、無駄な事は口にせず、黙々と仕事に没頭している様なタイプの人だったんだろうなと・・ 訪れた建築の印象だけからの勝手なイメージ・・
セントマークス教会
教区ホールのエントランス部には大きな木製の庇。右側の中庭を挟んで建っているのは教区事務棟・・ もっともっと紹介したい部分や興味深い詳細は色々と在るんですが・・ とりあえず、これくらいで
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