「デザインの原形」 を読む・・2002年に開かれた展覧会の本。プロダクトデザイナー深澤直人 によって選ばれた、50点以上の品々・・共通するキーワードはOptimum。“Optimumとは「最適条件、最適度」” 。
機能性が即シンプルな形へと繋がる画一的な単純化した合理主義 ではなく、これ見よがしの個性が主張する目立ちたがりデザイン でもなく・・・モダニズムの新しいフェイズとしての新合理主義とでも言ったような流れ。
深澤さんの言う「時代を経ても古びない原典性に基づくデザイン」、「人の行為/生活/身体性に溶け込んでしまっている必然を探し出すようなデザイン」・・・とはどんなものなのか?
「壁掛式CDプレイヤー」(2000) Design by 深澤直人 換気扇のようなカタチ、紐を引くと回転し音楽が流れる。「壁に掛けて&紐を引く」・・これまでのCDプレイヤーと、少し違う行為を引き出される
「Aluminum Group Chair」(1958) Design by チャールズ・イームズ しなやかな筋肉のような鋳造アルミフレームとそれが支える薄い座/背との組合わせが美しい・・50年経っても古びない普遍的存在感が原形性を醸し出す
「Kartio」(1958) Design by カイ・フランク “グラス”と言われた時に誰もが絵に描くようなベーシックな形のグラス・・しかし、ただのシンプルグラスとは何かが違う・・カタチ/厚み/重さ・・絶妙なバランスの複合
「オリジナリティとは作者の個性や主観的意思の表れ・・・原形は作者が探し出した必然である・・急な登山道で誰もが無意識につかまってしまう木の枝や岩の角のような、成るべくして成った存在・・・原形になりうるデザインは緩やかな身体の変化の速度に歩調を合わせている気がする・・」 by Naoto Fukasawa