「建築探訪 50」-Miyazaki/都城

都城市民会館

どこの工場の設備機械だろうか? ・・ というこの姿。50年ほど前に県都城市に建てられた・・ れっきとした市民ホール。さんによる「都城市民会館」(1966)。

都城市民会館

こんなにインパクトのあるはなかなかない・・ 独特の形。鉄筋コンクリート造の基壇の上に、鉄骨造の屋根が架かる構成。放射状に並んだ門型トラスが一点で集中する構造形式がつくる外観は・・まるでヤマアラシのよう。コンクリート基壇+鉄骨屋根の構成は同じく菊竹さんの設計による「島根県立図書館」(1968)と共通の手法・・ 変わらない部分(コンクリート造部) と 変わる部分(鉄骨造部) を明確に分けるという・・ この頃の菊竹的メタボリズム建築の思想。当時の菊竹事務所の担当者が内井照蔵さんというのも、内井さんの落着いた作風から思うと驚き。

都城市民会館
(左) 放射状に並ぶ門型トラスがコンクリート基壇の一点に集まっています
(右) 外部階段の手摺も放射状モチーフで。階段裏のコンクリート打放し木目の実が渋い。壁のコンクリート打放しも変わった割りつけで、目地は出目地のような感じ・・ こういう細かいところが内井さん的 ?

都城市には新しいが近年出来て・・古い市民会館は解体の危機もありましたが、保存運動の末、大学施設として存続が決まったそうです。昨年末に83歳で亡くなられた設計者の菊竹清訓さんも喜んでおられたのでしょうか・・

〈追記〉2019年解体

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