「建築探訪 67」-Italia 6 /Como

サンテリア幼稚園

イタリア人建築家 ジュゼッペ・テラーニ(1904-43)による「サンテリア幼稚園」(1937)。ミラノから北へ40km程の町 “コモ” にあります。
(上写真) 芝生の園庭より東側外観を見る。フレームの存在と、建物との距離感がgoodです。風にはためく日除けテントが気持ち良さげ。

サンテリア幼稚園
南側より外観を見る。建物は平屋、階高は高め。平面構成は大きくは北側が開いた”コの字型” で、それに少し建物が伸びやかに成る様な変形をあちこち細かに加えている。同じくコモにあるテラーニの代表作である「カサ・デル・ファッショ」が・・ 非常に単純で、はっきりとした輪郭の建築なのに対し・・ こちらの方はもっと自由な感じで・・ 意図的に輪郭をボカしている様な感じもするくらい。
サンテリア幼稚園
建物南東角の東側外観を見る。”コの字” の角部に細かな変形・・ 一辺を伸展させ角の様に飛び出させて端部に大きな開口、もう一辺には小庇やフレームを付け加え立面に変化を与えています

規則的な構造的枠組みの中で、様々な変化をつけて開口部を操作していく様な手法は・・「カサ・デル・ファッショ」とも共通している部分な気もしますが・・ 「カサ・デル・ファッショ」に感じる回帰的な古典性の様なものは、ここでは感じる事は少なく・・ より自由を獲得した合理主義建築の軽快さが強調されてい様な気もします。「カサ・デル・ファッショ」も見ようによっては、(ムッソリーニ率いるファシスト党の建築だという事を忘れて) 「サンテリア幼稚園」よりもさらに自由な建築に見えて来る様な気もします。

サンテリア幼稚園
遊戯室から中庭方向を見る。透け感が高いテラーニの室内空間・・ 天井いっぱいまでの開口も効果的なのだが・・ 室内に建っている柱の存在と、中庭の向こうに見えるフレームの存在が呼応しているのも・・ 効果UPな感じがします

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