アルヴァ・アアルト設計・・1962年に建てられたフィンランド企業の本社社屋「エンソ・グートツァイトビル」。港を望むヘルシンキ市の中心部にあり、大聖堂(上写真の左端)のある歴史的街区からも近く、港側には旅行客にも人気の市場も・・(上写真)東南側から見る。地下1階、地上6階、社員食堂のある最上階は少し外壁を後退させ・・屋外テラスのスペース設けている。
建物の整然とした印象の、決め手となっている・・奥行きのある、大理石張りの格子フレーム。縦桟の方が僅かに横桟より突出している事や、斜め部分の石張がフラット部分の石張よりも突出している事など・・細かなディテールへの配慮が、外観をキリリと引き締めている・・
(上写真)格子フレームの下部がスパッと”切られて”終わっている・・デザイン処理が面白い、北側外観を見る。新古典主義で建てられた周辺に建つ・・市庁舎、大統領官邸、最高裁判所などの公共建築群や、隣接する大寺院との・・景観的な関係性に細心の注意を払い、計画は練られたそうですが・・建設当初は”風景を台無しにした”と酷評されたそうです・・(いつの時代、どこの場所でも、新しい建物に・・世間様は厳しい)
北欧では・・ある程度の規模がある、この様なビル物でも”木製建具”を使用・・建物は50年以上経ってるが、窓を交換した様子もないので・・この”味のある”感じは、おそらく50年以上前のオリジナルかと・・イイ感じです。
エントランスのある、1階の西側ピロティ部を見る。建物正面などの目立つ場所ではなく・・目立たない場所に、ググッと高さを抑えた、エントランス部・・そしてピロティ下で、黄金色に輝く”味のある”金属製建具・・イイ感じです。