パトリック・モディアノ

“お正月休みに読んだ”・・2冊。

“現代の最も偉大な作家”とよばれるパトリック・モディアノ・・2014年のノーベル文学賞。モディアノ作品の感想を一言で書くと「平易さの中の不在と喪失」・・読み進めても、物語には捉えどころがなく、全体はぼんやりと霞んだまま・・時間と記憶不在と喪失を巡る・・物語。

パトリック・モディアノの二冊

Dans le café de la jeunesse perdue (失われた時のカフェで) 」・・パリ左岸のカフェに現れる謎の女性”ルキ”について・・彼女に魅了された複数の語り手によって、”繰り返し”語られる”不在の記憶”・・各章ごとに、それぞれ異なる語り手で語られる物語を通して感じられる・・悲しみと喪失

Livret de famille (家族手帳) 」・・“生きるとは、ひたすらに記憶を完成しようとすること”アイデンティの欠落不確かな記憶の積み重ね・・モディアノ作品において大きな位置を占める自らの出自・・占領下の時代を生き抜いたユダヤ人である両親の記憶・・自伝的要素が強い物語。

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