柳宗理 「エレファントスツール」

トリムにやって来た!!! ビンテージものの「エレファントスツール」。今年没後60年ので話題にもなっている”民藝運動の創始者で知られる柳宗悦”の御子息・・プロダクトデザイナーの柳宗理が1954年にデザインした小

座面から脚までワンパーツで構成されたFRP製の一体成型が何とも美しい曲面を描く・・ 67年前のデザインとは思えないモダニティ・・ミニマムデザインの極みながらも、どこかヒューマニズムな可愛らしさが感じられる意匠が素敵。(この椅子自体は1971年製。)

オリジナルのコトブキ社製は、ある時期から生産終了となりますが・・柳宗理のデザインに魅せられたトム・ディクソンが、2001年の頃に数年間、イギリスのHabita社からFRP製で復刻発売・・現在ではドイツのVitra社が(環境上の問題もあり)ポリプロピレン製で発売中。さらに、最近では(デザインの版権期間が過ぎた事もあり)「レプリカ ( ポリプロピレン製のリプロダクトとも呼ばれるジェネリック品 ) 」が、数多くのメーカーから発売されている惨状・・

“素材変更”により「構造的強度」も変わり・・それに伴って、素材の厚みや、脚の広がり方などなど様々なバランスも微妙に変わり・・ 現行のポリプロピレン製が「似て非なるもの」だと言うのは・・言い過ぎでしょうか?

ポリプロピレン製では出せない!! この質量を伴った存在感」は・・FRP製ならでは。3本脚の良いところは、4本脚に比べて、面積的に非常にコンパクトであること!!。3本脚は不安定という話もありますが、この椅子に関しては・・それは全く無く、座面に緩やかな凹みもあり、非常に座りやすい椅子です。

FRPとは「繊維強化プラスチック」の略・・ガラス繊維と樹脂を混ぜて成形・・軽量だけれども、強度のある、自由な曲面デザインが出来る・・のが特徴。

幅475mm ✕ 奥行435mm ✕ 高325mm、FRPの肉厚が約3mm・・現行のVitra社製は幅515mm ✕ 奥行465mm ✕ 高370mmと・・全てのサイズに関して、コトブキ社製よりも・・かなり”大き目”なのです。

黒地に黒文字のシールで、見えにくいのですが・・・裏面にはオリジナルの製造メーカーである「コトブキ社のシール」が残っていました!!

「やはりオリジナルは美しい!!」と感じるのは・・気のせい!! ですか??。この素材ありきで、考え抜かれた・・このアーチ、このフォルムの美しさ!!

アングルを変えて、下から見上げると・・もはや彫刻作品の様にも見え、作品の様にも見え・・・のプロダクトデザイン史上に残る傑作椅子。 (オリジナルのカラーラインナップには赤、青、黄、橙、白、黒、グレーなどがあるようです)

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