
竣工作をWEBサイトに・・UPしました。
今年の4月末に完成した「ISデイサービス」と、昨年12月末に完成した「長船の家」・・ どちらも設計監理はもちろん、家具の選定まで行いました。

アアルト大学本館から、北東に500mほど離れた場所に位置する「アアルト大学 学生寮」(1966)を探訪。 (上写真)東南面の中央部あたりを見る。ポチポチと並ぶ、学生各室の窓・・アアルトらしい「大きなハメ殺し窓+小さな縦長の換気窓」の組合せ、換気窓をやや短くして・・動きのあるデザインに整える。1階部分をやや控えて、2階以上の煉瓦ヴォリュームをやや浮かした感じに見せるデザインも・・他の建物と同じアアルトの好む手法・・

東面から南面にかけて、うねりながら伸びる長い立面 (長いので半分しか写っていません)。長い東南側立面の・・ 南半分となる 「うねっている壁」がアアルトらしくて素敵! (上写真) 右手で東向きだった各部屋の窓は、左手に行くにつれて・・うねりながら南向きに。南側から見ると6階建て。


中廊下型と片廊下型のMIX・・もし自分が寮生で入るとしたら、やはり図面下の “うねっている”部分がいいかなぁ・・13室/50室。図面で見ての通り、どの部屋も四角ではなく歪んでいますが・・これくらいの歪みだと、部屋に入ればそんなに違和感がない程度の歪みの様な気もします。(残念ながら、中は見られませんでしたが・・)



リフォーム工事は順調に進んで・・なんとなく新しい空間の様子が見えてきました。(上写真 左) リビングダイニングから南側テラスの方向を見る。新しいテラスに屋根が掛かると、さらに空間の様子がよく分かるんだけど・・もう少し先です。(上写真 右) 新しく設けた壁には筋交い補強を入れて・・強度をUP。


新聞で偶然彼女の死を知った友人が電話で僕にそれを教えてくれた・・
いつも同じ席で本を読み耽っていた、”僕”が20歳の秋に出会った”女の子”が、26歳で死んだというプロローグで始まる・・処女作から続いた”鼠三部作”の最終章。これまでの前2作(「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」)とは大きく違う感じ・・ ページ数からして、前2作は1日でもすぐに読み切れてしまう程度・・しかし今作は上下2巻でヴォリュームからして、これまでの3倍以上。
前作の設定(1973年秋)で、翻訳事務所を友人としていた・・独身だった”僕”。今作の設定(1978年夏)では、広告コピーの下請けをしていて・・結婚するも4年で離婚、独身になって・・3日に2日はバーでサンドイッチとオムレツを食べている”僕”。(離婚した彼女は前作の翻訳事務所で働いていた女の子・・彼女は”僕の友人”と寝ていた。)
出版社のアルバイトをしながら、”耳のモデル”をしている “キキという女の子” に出会い・・「あと10分で電話があるわ、羊のことよ」・・ 大冒険の物語が始まる・・
「P生命のPR写真、これをやめて下さい。」
ある日、”鼠”からの手紙が・・最初は1977年12/21の消印、”鼠が書いた小説” とともに青森から送られてきた。2番目の手紙は・・1978年5/7の消印、”2つの頼み”とともに北海道から送られてきた・・「ジェイと彼女に “さよなら” を伝えてほしい」・・ そして
“キキの予言”と”鼠のもう1つの頼み” で始まる・・”羊をめぐる大冒険”。政界の大物、高級コールガール組織、ジンギス汗、羊博士、北海道の羊史などなど・・これまでの作品にはない、大掛かりな、込み入ったエピソードに彩られて・・巨大な山の山頂を裾野から目指す様に・・クライマックスへと至る物語。
しかし・・至ったのは”鼠”と”ジェイズ・バー”。

「アアルト大学 本館」(1964)を探訪。右手の突出した部分はオーディトリアム。本館全体の平面形は一言では説明し難い・・水平的に広がりのある構成で、とても大きく伸びやかに配置されていて・・上写真で見えているのは南側から見える・・ほんの一部・・

残念ながら本館は部分的に改修工事中。本館メインエントランスのある西側付近はご覧の様な状態。本館のオーディトリアムは見る方向によって様々な表情を見せます・・形としては、丸いバームクーヘンを1/4よりやや大きい扇形平面に切って、中心側からカジった様なカタチ。(上写真) 北西より見る・・突出したオーディトリアムヴォリュームの足元がメインエントランス。












見知らぬ土地の話を聞くのが病的に好きだった。
一時期、十年も昔のことだが、・・
村上春樹さんの2作目・・ 基本的には前作の続編。主人公の”僕”、友人の”鼠”、ジェイズ・バーの”ジェイ”、”女の子”・・登場人物もほぼ同じ。前作で(1970年夏)大学生だった21才の”僕”、3年後(1973年秋)大学を出て東京で翻訳事務所を始めている。物語はまず1969年の春・・大学での”直子”との出会いと、1973年春に直子(恋人であったが今はもう死んでしまった)の故郷を訪れた話・・から始まる。
これは「僕」の話であるとともに鼠と呼ばれる男の話でもある。その秋、「僕」たちは七百キロも離れた街に住んでいた。
一九七三年九月、この小説はそこから始まる。それが入口だ。出口があればいいと思う。もしなければ、文章を書く意味なんて何もない。
東京で順調に翻訳事務所をしながら、ただ一人深いプールの底にすわりつづけ・・ るようにモラトリアムな感じで暮らしている”僕”と・・東京から700キロ離れた”僕”の故郷でもある街でモヤモヤを抱えて、暮らしている”鼠”の・・エピソードが交互に語られる。今回の物語では、”僕”と”鼠”は話す事も、会う事もない・・物語の大半は、”僕”が住んでいる部屋に転がり込んで来た「双子の女の子」、「配電盤」、「ピンボールマシーン」・・
「殆んど誰とも友だちになんかなれない。」それが僕の一九七〇年代におけるライフ・スタイルであった。ドストエフスキーが予言し、僕が固めた。
僕に向かって何かを語ろうとする人間なんてもう誰ひとりいなかったし、少くとも僕が語ってほしいと思っていることを誰ひとりとして語ってはくれなかった。
メインは作品のタイトルである事からもして「ピンボールマシーン」について・・日本には3台しか輸入されていない 「シカゴのギルバート&サンズ社の1968年のモデル、”悲運の台”としても知られる・・スリーフリッパーのスペースシップ」というピンボールの機種を探し求める話。
しかし勿論ピンボールマシーンは何かについての比喩なんでしょうが・・物語の多くは、この「ピンボールマシーン」(あるいは「配電盤」も含めて) という機械についてのエピソードや会話・・
彼女は素晴しかった。3フリッパーのスペースシップ・・、僕だけが彼女を理解し、彼女だけが僕を理解した。
あなたのせいじゃない、と彼女は言った。
終ったのよ、何もかも、と彼女は言う。
前作よりも、「僕と鼠」は “どうしようも無い” 感が一杯になってきていて・・ 前作ではそんなものの影が「僕と鼠」の軽妙な会話と若さの勢いで・・ある程度は緩和されていた。しかし今回は物語全体に”勢い”がない・・前作の設定では「僕と鼠」は2人とも大学生くらいで、若さが”疾走”していました・・そんな2人も社会人の年齢・・700キロと離れ、コミュニュケーショもなく、それぞれの場所で苦闘している。
主人公である「”僕”の現実に対する距離感」の取り方は・・前作に続き、あいかわらず微妙な感じで (基本的には諦観したフラットな心境とシンプルなライフスタイル・・出てくるセリフや姿勢には、常に気負いがない・・そしていつもどこかに陰がチラついていて・・でも何とか少しでも前進しようとしている) ・・そこが”80年代的” でやけに心に響くんでしょうか?
「ねえジェイ、人間はみんな腐っていく。そうだろ?」
「ねえジェイ、俺は二十五年生きてきて、何ひとつ身につけなかったような気がするんだ。」
「あたしは四十五年かけてひとつのことしかわからなかったよ・・」
「僕と鼠」の調子だけでなく、たんたんと交互に展開していく”それぞれの世界”という構成方法、2人の会話レス、文体の調子・・すべてが全体的に前作より落ち着いている感じ・・まさしく前作が夏で、今作は秋。エンディングもなんとなく終わった前作に対して・・
“僕”は・・探し求めていたピンボールマシーンと再会&決別。
悩み続けていた”鼠”は・・女とジェイと街、全てに別れ。
今回のエンディングではある程度はっきりして物語は終わり・・”鼠3部作”の最後となる・・村上ワールドの大きな転機ともなる、次作へと続く。

先行工事を終えて・・いよいよ本格的にリフォーム工事です。(上写真)内装を全て撤去・・奥には床の間の塗り壁が残っています。左手の南庭に面して縁側。その縁側に面して和室がL字型に3間・・基本的には、ひと繋がりのLDKにリフォームです。

作品紹介はこちらで

遂にやって来ました・・ アアルト建築は以前に一度訪れた事はあるのですが、やはり(アアルトの母国である) 本場フィンランドで見る方が、アアルト建築の真髄に触れられる気がするからなのか・・気持ちとしては 初アアルト建築 !!!
1949年のコンペで、フィンランドを代表する世界的な建築家アルヴァ・アアルト(1998-76) が勝利・・本館、講堂、図書館、学生寮、体育館、実験棟、発電施設、生協棟などからなる・・「アアルト大学(元 ヘルシンキ工科大学)」を探訪・・ (上写真) 1969年完成、図書館の外観を南側から見る。

北西側から外観を見る。地上2階 地下2階の建物。事務的なスペースは地上部1階にまとめて、階高を高く取った2階に閲覧室を配置。2階の閲覧室は西側の階高が一番高く、東側に向かって段々と階高が下がっていきます。北西側から見ている上写真では、1階に較べて2階は倍以上の高さがある事、2階の階高が手前から段状に奥(東)へと下がっていっている事が・・よく分かります。黒い石張りの下層部でやや抑えて、上層煉瓦ヴォリュームをやや浮かした感じ・・












日本で見られるアアルト建築の資料としては「a+u(1977)」「SD(1983)」などの作品集がよくまとまっていて便利なのですが・・ひとつの建物に対する写真や図面などの数量は限られ、写真も白黒だったり解像度も低かったり・・30年以上前の古い作品集をいくら凝視しても、なかなか湧いてこなかった・・ アアルト建築のリアリティや空気感を、現地に立って初めて・・心身に深々と感じる事ができ・・ 本当に大満足。😭😭😃😃👏🏻👏🏻
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歴史を感じる、石造りの街並みをブラリとしていると・・ グニャグニャとした金属製の表皮で覆われた建物を発見!!・・明らかに周辺の石造建築物とは表情を異にした・・パンチのあるファサード。

近くで見ると・・こんな感じ。ガラスBOXの建物外周を、全て金属製のパネルで覆った建物。フランシス・ソレール設計の「フランス文化省」(2004) 。現代的なのに、なんかエレガント・・グニャグニャな感じが、ややアールヌーボー的にも見えるからだろうか。建物上部が緩やかにセットバックしているのも効いていますよね・・石造りの街並みとは全く異質なものなんだけど、意外にマッチしていると思うんですが・・いかがでしょう

金属パネルはステンレス製。グラフィック系ソフトの・・自由曲線ツールで即興的に”落書き”した様なデザインを・・そのまま (レーザー裁断によりパネル化) プリントアウトしてしまった感が・・goodです。パネルのデザインは数種類だけど、左右反転して使ったり・・変化を付けて使用されています

ヘルシンキの中心地、喧騒が絶えない賑わいのある広場 “Narinkka square” ・・現代的な商業ビルのすぐ側に、ポツンと建てられている、小さな木造の礼拝堂・・K2Sアーキテクトの設計による「カンピ礼拝堂」(2012) ・・




