「gangukan 中庭改修」2

小改修工事と言いながらも、3ヶ月が経過。室内だった部分が屋外となった為に・・屋外に面した開口部には新たに庇を設置・・敷地内、中庭部分なのですが・・美観地区の景観に合わせた、クラシックな庇。

他の部分も、美観地区に合わせた意匠と素材・・瓦張り、なまこ目地、漆喰塗り、板戸などなど。

左右の建物に挟まれた中庭部分。屋根を取ってしまって2ヶ月、屋根があった頃の以前のイメージは、もう記憶から遠ざかってしまいました。正面の”衝立壁”が・・新設となるトイレのスペース。

“衝立壁”には、あまり主張のない控え目なタイルを選択。コテが壁に張り付いています。

岡山県立大学生の展示 at「玩具館のくら」

今日から始まりました。岡山県立大学デザイン学部デザイン工学科の3年生による「建築展」。岡山県立大学の畠和宏先生と共同で受け持った“集合住宅の設計演習”・・その成果である模型や図面を展示。

展示場所は倉敷美観地区内「玩具館のくら」。倉敷川沿いにある日本郷土玩具館・・その”表の倉”の2階。

岡山県立大学の3年生19人の作品を展示。設計課題の敷地は、展示場所から程近い・・芸文館の東側、倉敷川沿いにあるエリア。実在する敷地に対して、建築学生が描いた”19通りの暮らしかた”を・・是非ご覧になって下さい。

「形の連景、継承」
「全て繋げる集合住宅」
「中庭のある集合住宅」
「伝統工芸と暮らす集合住宅」
「話して、知って、好きになる集合住宅」

6月22(金)までの展示となっています。9:30~18:30 入場無料

「gangukan 中庭改修」1

店舗を営業しながらの工事・・2ヶ月が経過。感知器や自火報などの防災設備の工事から始まり、店舗部分の改装工事、サイン工事などなど・・左官屋さん、瓦屋さん、大工さん・・職人さんが四六時中、出たり入ったり・・

(上写真)畳縁の生産で国内シェアの35%以上を占める児島の高田織物さんが手掛ける・・畳縁と関連グッズの専門ショップ「FLAT」が新しくOPEN。

3棟の建物に囲われた谷間の様な場所に屋根が架かっていた・・もとは室内だった部分。屋根を撤去して、トイレの新設工事、中庭へのリニューアル工事、瓦屋根や板金屋根の改修工事などなど・・雨水処理が難しい。

屋根が癒着していた部分は・・もともとの姿(屋根が掛かっていなかった40年程前の状態)に戻すための工事を行なっています・・

瓦張りは・・1枚1枚、職人さんがコツコツと・・とても時間が掛かる工事です。巾木は、モルタルの擬石仕上・・既存部分(上写真の左側)に合わせるカタチなんですが・・昔の人の擬石仕上、この感じの良さに迫れるかどうか・・

「建築探訪 150」-Aichi 4

如庵

国宝茶室は3つ・・

利休の”妙喜庵待庵”。遠州好みの”龍光院密庵席”。有楽斎の”如庵”。その内の1つ・・愛知県犬山市にある「如庵」を探訪。

(上写真)少しひしゃげた”禅画の丸”のような・・下地窓の付いた袖壁に囲われた、土縁にある”躙口”より、客は茶室に入る。

如庵

茶室の内部に入ると・・
暦の腰張壁」「有楽窓と言われる竹連子窓」「尖頭アーチ状に刳り抜かれた中柱板壁」「ナグリの床柱」などが・・つくる印象的で見事な内部空間!!
室内の写真撮影はNGなので、見て頂く事は出来ませんが・・goodでした。

(上写真)下地窓と連子窓が並ぶ北側外観を見る。申込制の特別拝観による30分ほどの時間ですが、「有楽斎の空間」を堪能・・

旧正伝院書院

こちらは茶室如庵に連なる書院「旧正伝院書院」。玄関上の”むくり破風”・・微妙な緩さがgood。この茶室と書院の主である織田有楽斎は織田信長の弟(織田家の11男)・・

旧正伝院書院

これらの建物は、もとは京都建仁寺に在ったもので、有楽斎が隠居所として起居し・・74才まで平穏な晩年を過ごし、その生涯を閉じた建物。明治の頃には東京麻布に移築・・昭和の初めに神奈川県大磯・・昭和45年に現在の愛知県犬山へと移る。

旧正伝院書院

旧正伝院の玄関床、四半敷きの瓦・・素材の風合いが素敵過ぎる。

旧正伝院書院

旧正伝院の障子、紙の重ね代と桟木のバランス具合が・・素敵です。
如庵と旧正伝院書院は名鉄犬山ホテル敷地内の庭園(有楽苑)の中にあります。

(下写真)鵜飼いで有名な木曽川沿いに、犬山城と並んで建っている「名鉄犬山ホテル(1965)」・・逓信省系の流れを汲む建築家/小坂秀雄による設計。
小坂秀雄の作品と言えば「外務省庁舎(1960)」がよく知られるが・・

名鉄犬山ホテル

ホテルオークラ東京(1962)」の設計にも小坂秀雄は関わっていて・・名鉄、外務省、オークラ、この3つの建物の外観には、なるほど共通する部分が・・名作として名高かったホテルオークラ東京は、残念ながら2015年に無くなってしまいましたが・・

〈追記〉名鉄犬山ホテル2019年解体

「酒津の家」- ガラス

工事中の、酒津の家でエントランスまわりの建具に”倉敷ガラス“を使ってみようと・・ガラス作家である小谷栄次さんにサイズや色等をお伝えして・・幾つか制作して頂いたものが事務所に届けられました。とてもいい感じで・・扉へ嵌めこむのが楽しみですが・・建具への留め方が悩むところ。

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「酒津の家」- 上棟

先週、無事に「棟上げ」が完了した酒津の家。
この日は棟梁をはじめ、大工さんが10人以上・・関係業者の人や、工務店さんのスタッフさんも合わせると・・現場はとても賑やかとなる1日。

「棟上げ」の日は、大勢の大工さんで・・1階の柱を立てて、梁を架け。さらに2階の柱を立てて、梁を架け・・建物の骨格を1日で組み上げてしまいます。梁は松材。柱は桧材。

梁を組み上げた後は、垂木を架けていきます。垂木はやや大き目のもので45mm×120mmの松材を使用。1階部分の屋根が大きい家。

垂木工事の後は、杉野地板を張っていきます。
杉野地板は、木目のキレイな化粧材を使用。

大きな屋根に覆われ、南庭に面したテラス部を見る、右手がリビング。大きな窓を介して・・リビングと一体の床仕上材(タイル張)でテラスも仕上げます。

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「福島の家」-1年検査

先週末、1年検査でお伺いした・・”福島の家“。竣工は昨年の2月。前庭のあるアプローチを見る、左手がポーチ。照明で明るくなっている部分が玄関。右手に見える、グレーで染色された板張りの塀は・・リビング前の庭を囲っています。1年検査は問題なく終了・・楽しく暮らされている様子で、ひと安心。

「酒津の家」- 木材

木材の加工場・・リビング内からテラスまで架かる、長さ6mの大きな米松梁をcheck。ここから更に表面をキレイに削る。

同じく米松梁だが、こちらは先程の物よりグレードの高い”ピーラー”と呼ばれる化粧梁・・大きな木材の上部と下部を除いた、中間部の目が詰まった良材を・・リビングと寝室の主要な箇所に用います。まだ加工前の状態で、ここから更に表面を削り・・キレイな化粧材として加工。

120mm角の「桧材の通し柱」をcheck。”通し柱”とは、建物角を固める・・建物土台から2層分の長さで伸びる柱材の事です。

105mm角の「桧材の管柱」をcheck。”管柱”とは、梁や土台などの各水平材間を支えている・・1層分の長さの柱材の事です。揃えられた梁や柱などの木材には・・棟上げの日に向けて、これから加工を行なっていきます。

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「デイサービスセンター」- 竣工後

デイサービスの設計

4年程前に、設計監理をさせて頂いたデイサービスセンター・・竣工時には殆んど手を入れていなかった、クリニックとの間にある中庭・・少しずつ植栽を増やしてきて・・

先週末にも、少し手を入れて頂きました。立木のシマトネリコを中心に・・ハヤトツツジ、レンギョウ、コデマリ、トサミズキ、シャリンバイなどなどの木々が植えられています。

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「#前川國男」その後

JR岡山駅とグランウィア岡山を繋ぐ地下通路。昨年の11月に、岡山県天神山文化プラザとの共催展で作成させて頂いた・・“前川くん”が勢揃い!!

巾6m以上あるショーケースに、建築家/前川國男の基本情報を掲載した等身大パネル・・“前川くん”が大整列。

昨年の12月には、岡山県庁のロビーで開かれていた「前川國男と岡山の近現代建築展」に、初出張していた“前川くん”

今回は、2度目の出張。当初から「1度の展示で御役目ごめん」という事ではない様に、と考えて作成していたので・・期待通りの活躍でひと安心。3月31までの展示です。岡山駅にお寄りの際には是非・・”前川くん”に会いに来てやって下さい。「岡山の建築文化向上の為に・・がんばれ!!前川くん」。