「安江の家」が 第13回電化住宅建築作品コンテストで賞をいただいたので、本日授賞式にいってきました。
「美和の家」「早島の家」に続き三回目の受賞です
「建築探訪 37」-Osaka/梅田再開発
先週は大阪に帰省&お墓参りへ行っておりました。
(上写真) 宿泊した駅前のホテルからJR大阪駅を見下ろす。
再開発がどんどん進み、何もなかった駅上に大きな屋根と高層ビルが・・・
左下に見える関西名モダニズム建築のひとつ吉田鉄郎設計による「大阪中央郵便局(1939)」も駅前再開発の影響で周囲を工事塀で囲われ、取壊して高層ビルに建て替える準備でしょうか・・・フェスティバルホールの入っていた中之島の「新朝日ビル」もすでに取り壊され、高層ビルへの建て替え工事が始まっていました・・
(左写真) 阪急百貨店も高層ビルに変わってしまい・・梅田の顔である阪急のビルが・・このデザインでどうなんだろうか ???
ここ数年で大阪の顔である中之島や梅田の様子が大きく変わり・・だんだんと見慣れない姿に変わっていくのはやはり少し寂しい感じ・・
(右写真) 大阪で勤めていた時には、いつもこのビルの足下を自転車で通っていた「富国生命ビル」も建替え・・・基本デザインは「フランス国立図書館」の設計で有名なフランス人建築家ドミニク・ペロー・・・さすがに一味は違うが、やはり本国で設計する建物のようなレベルにまでは遠く及ばないのは仕方ないか・・・力強く根を張った樹木の姿から着想、建物壁面は周囲を映す鏡面の「樹皮」・・・だそうだ。
2008年に竣工した・・やはり有名外国人建築家を基本デザイナーに採用した梅田の「ブリーゼタワー」も同様ですが・・・様々な物事がグローバル化している時代においても、建築の出来映えという点では・・やはりヨーロッパの建築家にとって・・・日本は遠すぎるのではないでしょうか。
大阪の皆様、いろいろと有難うございました。
大原美術館ワークショップ 2010
大原美術館のワークショップに参加することになりました。倉敷市出身の建築家・浦辺鎮太郎(1909-91)の設計により1961年に建てられ、近年ではDOCOMOMO(近代建築保存の為の国際組織)の運動趣旨に沿うかたちでDOCOMOMOJapan100選にも選出された・・・「大原美術館 分館」
一般的には見所/魅力が分かりにくいと思われる近代建築・・なおかつ近代建築が世界中に広まり各地域で多様化を遂げた60年代につくられた「大原美術館 分館」は捉えどころの難しい建築。普段は絵画作品を見るための器として目立つ事の少ない”建築そのもの”に作品としてスポットライトを当て・・・その魅力についてお話をさせて頂こうと思います。
2010年1月30日(土)
13:30~15:30
嬉しいクリスマスケーキ☆
夏に完成した「MYクリニック」のMさんさんから写真が届きました!お嬢さんのYちゃんが🎄クリスマスに作ったクリスマスケーキ🎂!
建築模型さながらのクリニックの形をしたケーキにあまりにも感動して、わぁ~っと歓声を上げた私達でした。トリムデザインの設計通り、ガラスブロックの埋め込まれた壁や白い門扉などが、忠実に表現されていました!Yちゃん、お見事です👏
WEBサイト プチリニューアル!
上から見る
先週末は出張で高松へ・・・宿泊したホテルの窓から外を眺めると・・
「香川県立体育館」を見慣れない上からの視点で眺める事ができました。
課題提出
受け持っている大学の設計実習が課題提出週でした・・・
課題は「私の好きな住宅」・・建築家の設計した名住宅を丹念に分析し、その中から見つけたコンセプト・特徴を自分の設計に活かそうという課題・・・机の上にはミース・ファン・デル・ローエや安藤忠雄やルイス・カーンなど、時代も場所も違う名住宅が同スケールで並んでいます・・・同スケールで比較するだけでも充分勉強になります・・・来週からの課題ではこの課題で学んだ事を活かして自分の設計デザインに発展させて下さい・・
「建築探訪 36」 -Italia 5 /Milano
「ヴィットリオ・エマヌエル2世のガレリア」(1865-1877)/設計ジュゼッペ・マノニ。イタリア統一を記念して造られた鋳鉄とガラスによる大アーケード・・ドーム部の直径は38m、高さは49m・・
「ミラノ大聖堂(ドゥオモ)」(1386-1813、完成まで427年)。ゴシック建築では最大級の規模・・・天に向かって伸びる尖塔の高さは100m以上・・・イタリアでは、ローマ以来の建築的伝統があり北ヨーロッパで成長してきたフランス直系のゴッシク様式建築は数少ない。(ゴッシクという言葉はルネサンス時代のイタリアでつくられた言葉で、悪い意味に使われる言葉、イタリアではゴッシク全盛時においてもゴッシクに対する情熱は薄かったそうだ・・)
煉瓦造で大理石張りという普通の構造とは違う、壁体内部まで白大理石造とした5廊式の大聖堂・・中央廊から側廊へ順次高さを低くしていき外周部まで力を伝達する安定したピラミッド状構造・・ドイツ・フランス・イタリアの建築家が共同。
「建築探訪 35」 -Italia 4 /Como
「カサ・デル・ファッショ」 (1936)
設計はイタリア人建築家ジュゼッペ・テラーニ(1904-43)。ミラノから北へ40km程行ったスイス国境近く、ヨーロッパの避暑地として有名なコモ瑚近辺(ジュリアス・シーザーやローマ皇帝も保養のために訪れたそうだ)・・・に建つファシスト党地方本部。
基壇の上に載せられた、巾×奥行×高さ=1×1×0.5=33.2m×33.2m×16.6mという厳格な幾何学的構成によるヴォリューム・・・√2のモジュールの徹底・・・水平/垂直/無装飾/鉄/ガラス/抽象性といった機械時代的なデザイン手法や決定ルールを適用しながらも単なるモダニズムとはどこか違う・・・地中海の伝統に基づく古典的要素がわずかに感じられる・・イタリアらしいクラシカルな要素とモダニズムが見事に融合された”イタリア合理主義”を代表する建築。(上写真-西面ファサードを見る)
外壁はすべて白大理石張り!!
立面は4面とも異なる非シンメトリーによる構成・・・内部ヴォリュームと規則的構造枠組が立面から読みとれるファサードデザイン。
1920年代前半、日本や北欧やアメリカと同じ様に・・完成されつつあったモダニズムという新しい建築を後進国として移植したイタリアで・・・ムッソリーニが政権を握り政治的・文化的に難しい時代・・・ファシズムに接近しながら危うい位置で大きく花開いた・・やや回帰的な近代主義建築運動・・・
“イタリア・ラショナリズム” はかなりカッコイイです。
「苔のむすまで」 杉本博司
「苔のむすまで」 杉本博司著。
杉本博司は1948年生まれの写真家・・・博物館の展示品である再現ジオラマを本物のように写真で撮影した「ジオラマ」シリーズ、世界各地の海を同じ構図で繰り返し撮り続けた「海景」シリーズ、映画上映中の時間中ずっとフイルムを露光し 真っ白なスクリーンを撮影した「劇場」シリーズ、世界の記念碑的なモダニズム建築を無限大の倍で焦点のぼけた姿で撮影し続けた「建築」シリーズなどの作品で知られ・・・世界各地の美術館で個展を開催し、国際的に活躍&さまざまな賞を受賞し、つい先日も高松宮殿下記念 世界文化賞を受賞され話題となりました・・・「苔のむすまで」は杉本博司さんの初評論集。
(上写真)表紙写真は、「建築」シリーズの「World Trade Center」(1997)
「・・建築物は建築の墓なのだ。建築家の思い浮かべた理想の姿が現実と妥協した結果が建築物なのだ。無限の倍の焦点を当ててみると、死んでも死にきれなかった建築の魂が写っている・・・私が写真という装置を使って示そうとしてきたものは、人間の記憶の古層・・・我々はどこから来たのか、どのようにして生まれたのか思い出したい・・」by杉本博司