「建築探訪 82」-France 12 / Le Corbusier 10

救世軍難民院

ル・コルビュジェ設計の「救世軍難民院」(1933)。非常に細長い平面をした10階立ての建物。
(上写真 左) 巨大な船の様にも見える、長手の長大なファサードを見る
(上写真 右) 短手の細長いファサードを見る
救世軍とは政府が、家のない人や働く場所のない人たちを、社会復帰させる事を活動の主眼とした組織・・その運動のための施設。しかし特徴的な長大なファサードを見ていると・・何か違和感が・・

竣工時のファサードデザインでは・・この長大な面は完全密閉された全面ガラス張りだったのです。しかもダブルスキン&完全機械空調・・ 今では普通の事ですが、この当時1930年頃では革新的な試みでした・・しかしコルビュジェが「正確な呼吸」と呼んだこの技術はうまくいかず・・ その後改修されました。コルビュジェの死後には、赤青黄にも彩色され・・もともとの様子が分かるのは今や玄関/ロビーのみ。
(上写真) 左下の四角いヴォリュームが玄関。その右手のV字柱で支えられたキャノピーを渡り、円筒形をしたロビーから建物に入ります。

救世軍難民院
(左) 円筒形のロビーから入り口を見返す
(右) ロビーへと至る通路。曲線を描くカウンター

コルビュジェが「正確な呼吸」と呼んだ試みは、この建物に先立つ意欲的な計画・・「セントロソユーズ」(下図) で初めて導入が考えられていた様です・・

台形型平面ホール & 細長い事務棟 による・・この頃のコルビュジェの大型施設の計画案は非常に面白く、興味深い。未完の超大作「ソヴィエトパレス案(1931)」(下図) はもちろん・・

理不尽な理由で選考から外された「国際連盟会館コンペ案(1927)」(下図) など・・(セントロソユーズは一応は実現はしたけれども) ・・ この頃の同じコンセプト “台形型平面ホール & 細長い事務棟” によるプランニング・・ この通りに実現していたら、どんな建築だったんだろうと、興味がつきない計画案ではあります。

コルビュジェは近代建築を代表する大巨匠と言われながらも・・この様な大型施設に関しては、なかなか実現の機会には恵まれず・・ 以外と大規模な作品が少ないのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA