t/rim designの、今年の年賀状にも使っていた建築・・ 「ストックホルム市立図書館(1928)」。設計はグンナール・アスプルンド(1885-1940)。一度見たら忘れられない原初的な幾何学形態による外観構成が目を引く (ブレーやルドゥーと言った18世紀の”幻視的建築家” のドローイングを思い起こさせずにはいない) ・・ 古典性を感じさせる堅固な外観でありながら、次なる時代のオーダーである”モダニズム性” も共存した・・アスプルンドの代表作。「図書館建築」としても一番と言っていいくらいに有名な作品 。(上写真) メインアプローチより建物正面(東面)を見る。
正方形平面の基壇に円筒形が載っている様にも見える外観ですが・・ 正確に言うと、基壇部は正方形平面ではなく”ロの字型平面” をしていて・・その”ロの字”の内側に嵌り込んだ円筒形が、1階から建ち上がっているカタチとなっています ・・ 飛び出した円筒形部分の高さは、基壇部の高さとちょうど同じくらいの高さに見えます。(上写真) メインアプローチからは反対側となる西面より見る。
外観を見ていても、内観を見ていても・・アスプルンドの作品というのは、たんに古典性でもないし、たんに近代性でもない ( 年代的にはコルビュジェやミースと言った近代建築の大巨匠とほぼ同年齢で・・ 大巨匠達がスパッと近代以前のものを断ち切った様に、時代の潮流としてはモダニズムが隆盛を極めようとしていた時期 )・・近代性と古典性の両者をうまく共存させようとしていた建築家。
(上写真) 黒い漆喰塗りの壁で囲まれたエントランスホール、装飾レリーフは何故かエジプトな感じ・・この建築は内部外部共に装飾はエジプト様式・・どうしてなんだろう?
圧巻の眺め。グルグルと廻りながら本を捜して、登っていく・・ 本好きの人が好きな本を探して廻り続ける? ・・ 図書館員からすれば、常に館内を一瞥でcheckできる管理しやすいパノプティコンな空間形式?。アスプルンドが管理面の効率性からこの様な室を設計したのか、または単に “完璧に本に囲まれた” ある種本好きには堪らない空間として設計したのかは・・分かりませんが、 一度見たら忘れられない・・圧倒的な空間。
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